ある街で起きた銀行強盗事件。多くの犠牲者が出たが、主犯格の男は捕まっていない。警察官をも巻き込み、カーチェイスまで繰り広げるハリウッド映画のような事件だと批評されている。
同じ日の同じ時刻、同じその街で起きたもう一つの事件がある。多くの
犠牲者を出したが、こちらは事件の概要すら曖昧だ。ヤクザ者が関係しているらしいが、抗争ではないようだ。女関係の縺れという噂に信憑性がある。警察の発表では、女性が主犯とされているが、その身元は判明していない。
一方、巷ではこんな噂が蔓延している。二つの事件は繋がっていて、主犯格の二人が恋人同士だというもの。そう考えると、事件の中での不可解な部分を説明する事ができる。最後に犠牲となった男は、銀行強盗事件の主犯格の相棒だった。そして、その男を殺したのが、身元不明のその女性。多くの目撃証言から、それは間違いないと思われている。
今もまだ、事件は未解決だ。犯人は二人組で、少し前に話題になった連続銀行強盗事件の犯人と同じだとの噂もある。が、真相は不明だ。銀行内で工員を一人殺し、たまたま立ち寄っていた警察官を人質に現金とパトカーを奪って逃走した。その警察官も死体となって発見されている。その後追いかけてくる刑事とはカーチェイスを繰り広げ、通行人などを犠牲にしていく。
女性が主犯の事件では、ヤクザ者が数人犠牲になっている。こちらでも暴走した車が多くの犠牲者を出している。その発端が、ホテルから始まった事はつかめている。彼女がヤクザの組長に追いかけられていた事も明らかになっているが、追いかけていた組長は、車で踏切内に立ち入り、電車に跳ねられ死亡した。
一連の事件の主犯格二人は、事件の収束とともに一旦は姿を消しているが、その後に仲睦まじい姿を発見されている。新たに発生している連続銀行強盗の容疑者でもある。
この物語はそんな一連の事件の中で亡くなった犠牲者の物語である。映画の中では、アッという間もなく死んでしまう通行人や引き立て役が多く存在する。人間にはそれぞれの物語が存在している。例え言葉もなく死んでしまうヤクザ者の下っ端にさえ、生きた分だけの物語が存在している。幾つもの犠牲者達の物語が繋がり、一つの大きな物語が見えてくる。
この物語は、そんな群像劇であり、アクションでもある。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-01 19:08:31
42798文字
会話率:8%
学校からの帰り道、アキヒロの人生は一変する。奇妙な探偵・ケント・スゴが突然現れ、ささいな盗難事件の解決を手伝ってほしいと頼んできたのだ。渋々ながらアキヒロはその事件に巻き込まれるが、思っていた以上に複雑な状況が待ち受けていた。やがて彼はスゴ
と共に奇妙な謎の連続を解き明かすこととなり、秘密や嘘、そして危険が次々と明らかになっていく。単なる依頼だったはずが、いつしかアキヒロは予想以上の冒険に巻き込まれていくのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-01 18:03:17
3652文字
会話率:51%
親が死んだ。研究室を残して。その研究室には世界を渡る装置が入っており、世界を渡るうちに、親の不審死の真実が明らかになる。すべてを知ったとき、人は何を描くのか。無名の新人、銀河やきそばが贈る、本格派ファンタジーサスペンスミステリー。
最終更新:2024-10-01 17:23:33
2553文字
会話率:49%
親元から離れる事に憧れた中学生、天宮泰斗は長年の説得が実を結び、高校進学と同時に離れの孤島で一人暮らしを認められた。家賃と生活費の為に島内の様々な仕事を掛け持ちするのに疲れつつも充実する毎日。
帰りの遅くなった泰斗はある夜、同級生の死体
を目撃してしまう。通報しようとした彼を止めたのは、直前まで死体になっていた同級生、国津守芽々子。敗れた制服から見える球体関節が、彼女が人間でない事を証明していた。
「立ち会ったのが運の尽きね。ご愁傷様」
彼女は俺に協力を求める。私を助けてほしいと願い出る。
断る余地はない。俺は手足を切り落とされたから。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-01 14:29:19
157856文字
会話率:63%
八重馬九十は幼い頃の奇跡を忘れられず、死に損なったような平穏な人生を送っていた。ただ一人面影を思い出させてくれる御堂湯那を慕い、これまでどのような事があっても離れず生徒会の仕事を手伝っていた。
そんな平和を投げ捨てでも聞きたかったのは、
何でもない夜の日に、何故殺人を犯したのか。それは殺人犯の目の前で自分が目撃者だと明かすようなもの。
それでも答えを知りたかった。
「だって私、死神だから」
その答えを聞きたかった。
死神に魂を渡してでも。
あの日の病巣を、追い求めて。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-15 12:10:24
183836文字
会話率:61%
界立第二高等学校に通う賽原蓮二は、特別指導を受けている立場から行事に参加出来ず浮いていた。それは彼にとって望ましい状況でもあったが、まさか自分の奪い合いを起こしているとは知る由もなかった。
そんな彼がある時出会ったのは、白い和服に身を包
んだ謎の女性。記憶喪失を理由に助けを求める彼女の手を取った時から、世界の命運は歪められた。
国界選挙。それは世界の支配者を決める尋常ならざる戦い。
十の校則の名の下に、世界は縛られる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-05 22:12:50
59873文字
会話率:56%
誰もいない図書館には面白いものがある
最終更新:2024-10-01 14:21:33
2229文字
会話率:28%
19世紀ロシアの寒い街で、狡猾で操り上手な犯罪の天才ミハイル・アレクサンドロビッチ・ペトロフは、世界征服を夢見ている。謎めいたクズミナ家に養子にされた彼の親友は、狡猾でありながら壊れた女性アリッサという養妹だ。二人は共に、ヨーロッパの権力バ
ランスを崩す危険な計画を動かし始めている。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-01 11:36:00
14252文字
会話率:59%
警視庁の詛呪対策本部に所属する無能な陰陽師と呼ばれる土御門迅はある仕事を任せられていた。
スマホ名前登録『鬼』の上司とともに
次々と起こる事件を解決していく物語
※とてもグロテスク表現入れております
お食事中や苦手な方はご遠慮ください
こちらの作品は、
実在する名前と人物とは
一切関係ありません
すべてフィクションとなっております。
※R指定※
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-01 10:21:39
113306文字
会話率:57%
金で出来る娯楽はもう楽しみ尽くした。
生きることは退屈だ。
退屈な人生なんて死んでいるのと同じだよ。
だからコータロー。今日も私好みの事件を探しに行こうか。
これは、麗しき女装家探偵の暇潰しの物語。
最終更新:2024-10-01 10:19:34
14098文字
会話率:34%
どこにでもいる「飯屋のせがれ」。少年は毎日同じことの繰り返しに飽き飽きしていた。どれだけ努力しても、自分には料理人としての才能がない。
少年は魔術師になると決意した。
金も力も、血筋も才能もない。そんな少年が知力と想像力だけで自分の道を
切り開く。目指すは魔術師の町「呪(まじ)タウン」。
天才学者、暗器使い、剣士、魔術師、大商人、格闘騎士……。出会いが事件を呼ぶ。
王子暗殺の陰謀に巻き込まれた主人公は、生まれつきの「映像記憶(フォトグラフィック・メモリー)」を武器に、驚きの洞察力を発揮する。ついに、暗殺者一味を追いつめ陰謀の阻止に成功するが、自分も命の危機に遭い大けがを負う。
彼を立ち直らせてくれたのは、無償の愛。愛する者たちを守るために、少年は強くなることを決意する。武術の師は彼の進むべき道筋に光を示す。
瞑想と思索がギフトと魔術へのカギだった。世界の秘密を暴き、科学の進歩を妨げる何者か(神のごときもの)との対決へと、物語は動き始めた。
少年はイデア界と接続する能力「ギフト」を磨き、イデアを操る力「魔法」を探求する。
ついに、「王立アカデミー魔術学科」に入学し、学園の生徒として世界の謎に近づくのだった。
魔術学科での学習も普通ではいられない。「感情を反射する絵」を描いたり、黒道着姿で授業を受けたり、どんぐりで標的をぶっ飛ばしたり。
ついには失われた原始魔術「隠形五遁の術」を再現してしまう。
情報革命研究会では魔道具の開発を担当。数々の「やらかし」を経て、驚くべき魔道具の数々を開発してゆく。
そして、研究会の仲間たちとともにルネッサンスにつながる技術を発明する。
インターネット文学に唯一無二のハイファンタジー世界を提示する「ザ・ドラマチック異世界ファンタジー」がここに誕生。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-01 07:20:00
1406180文字
会話率:46%
菅原道真の謎に迫る超時空歴史ファンタジー。学問の神様と呼ばれる道真は、なぜ日本最大級の怨霊として畏れられたのか?
道真の式神「梅」、雷神伝説、土師氏の謎、相撲起源、光り物の怪、御破裂山奇譚、秘術「双龍」、八岐大蛇神話、フリーメイソンなどな
ど、仕掛け満載で連載中。
「魔法のiらんど」、「wattpad」、「Yahoo!ブログ」等にも連載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-05 08:22:31
115720文字
会話率:43%
Yahoo!ブログ、Wattpadなどで公開中。
稀代の陰陽師、安倍晴明。
晴明とは、いったい何者だったのか? 謎に包まれた、その出自に超時空伝説研究所が迫る。
陰陽道、信太妻、酒呑童子、源頼光、坂田の金時こと金太郎。
全部まとめて謎を
解く。
時空の扉は、いま開かれた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-05-09 02:03:11
3440文字
会話率:17%
騎士団の東分所に現れた幼い巫女。彼女はなぜか聖女ラクリーアの頭部を手にしていた。
巫女は「わたしが聖女様を殺しました」と口にする。
しかし、このような少女に聖女殺しができるのだろうか。
そう思った騎士団情報部のフィアナとナシオンは、真実を求
め聖女殺しの犯人を探すのだが――。
騎士団情報部コンビによる少しだけダークなファンタジーミステリー。
真実の先にあるのは希望か絶望か――。
※残酷な描写があるためR15です。異世界なんちゃって刑事モノです。このお話は創作物でファンタジーです。
※他のサイトにも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-01 07:10:00
31325文字
会話率:42%
「絶対的な悪である魔法使いを駆除するために5人の老人が立ち上がった。そしてできたのが、絶対的な正義の集団である久恒団。
この団は他の魔法使いを倒すことを目的として造られた団体、通称チャレンジ団と比べても異例の速度だった。その理由は一目瞭然
、5人の老人が魔法使い駆除数の上位5位を占めているからだ。老人は若者と比べて体力が劣っているはずなのになぜ魔法使い達を駆除できるのか。その理由は魔力量にある。
魔力といっても非現実的な、それこそ魔法使いが使うような悪の力じゃない。善の力だ。これを習得できたのには人間と魔法使いの特別な関係性を知る必要がある。
人間達は魔法使いと長いこと争ってきていた。何故、宇宙を創り出すほどの化学力を持つ人間に魔法を打つことしか能がない魔法使いが長いことついてこられたのか。それは、魔法使いが使う魔法の特性にある。
まあ。こんなところで授業は終わりにしようか!」
「はい!先生!人間にもあるように、魔法使いって上下関係とかあるんですか?」
「ああ。あるよ。ま、人間が勝手につけてるだけだけどね。
まず、知能が低くて低級魔法しか使えない個体を3級魔法使い。
知能が低いけど初級魔法と中級魔法が使える個体を2級魔法使い。
4歳児くらいの人間の知能を持って、上級魔法しか使えない個体を1級魔法使いと呼んでいる。
まあ、テストには出ないけど特別階級っていうのもあるよ。まあ、覚えなくてもよいけど。
これは、さっきいった階級に分類されない個体の事を言うんだ。例えば、19歳くらいの人間の知能を持っているけど魔法を使えない個体とか、知能が低いけど封印系の魔法が使えるとか、そんな感じかな。まあ、娯楽程度に覚えていれば大丈夫だよ!じゃあ、起立!気を付け!礼!みんな、テストまで3週間、しっかり実践やってくるんだぞ~!」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-01 06:30:00
7043文字
会話率:57%
私立○○高校に新しく赴任した保健医、**野々村和兎(かずと)**は冷静沈着でクールな保健医。彼の知的で無口な性格は生徒たちの間で注目を集めるが、和兎自身はそれを意に介さない。そんな和兎に興味を持ったのが、明るく元気な女子高生、**入家きい*
*。探偵を目指しているものの、推理力はいまいちで、誰にでもタメ口で話す天真爛漫な性格の彼女は、和兎を「ワトソン先生」と勝手にあだ名をつけて呼ぶ。
きいは、「お父さんから借りてきた」と言いながら、普通の高校生では手に入らないような特殊な道具を使い、事件解決に挑む。彼女の突飛な道具に和兎は驚きながらも、冷静な推理力を発揮して、きいの「助手」として彼女をサポートする。きいが使う道具や謎めいた行動に対し、和兎は「お前は一体何者だ?」と疑問を抱くが、きいは「普通の高校生だよ」と笑ってはぐらかす。
物語は、二人が学校内外で起こる様々な事件を解決していく様子を描く。和兎の冷静な推理と、きいの大胆な行動力、そして謎の道具が織り成す絶妙なコンビネーションで、事件の真相を突き止めていく。しかし、和兎は次第にきいの正体に興味を持ち、彼女の「普通の高校生」という言葉に対して疑念を深めていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-01 05:47:06
33190文字
会話率:44%
少し社会人経験と空手経験があるくらいの女性が、仲間と一緒に異世界転をさせる側の係として働く、お仕事物語。
主人公の上田麻耶(うえだまや)は23歳の女性で、IT系の派遣社員。
地味で、大人しく気弱な性格。
20歳でIT専門学校を卒業して働
き始めたが、派遣先の仕事は難しく、その上に孤独で、自分には何もないと思っていた。
だが、空手に出会ってから、少しだけ変わることができた
そして2年間空手を続けて4級を取得した翌日、色々なことが重なって気を失ってしまう。
目覚めるとそこはエルフや竜人が暮らす異世界の入口で、麻耶は異世界転生者となってしまったことを告げられた。
麻耶の異世界転生の手続きを、異世界転生を取り仕切っているという『異世界転生執行官』が進めようとする。
ところが、あることが起こる。
結果的に、麻耶は異世界転生執行官の替え玉となり、異世界転生に関する仕事を行うことになってしまった。
そして訳ありのエルフ女性、竜人男性、メイド少女らと共に、異世界転をさせる側の係の仕事をこなし、成長していく。
最初は割とシリアスですが、徐々に笑い要素を増やしていく予定です。
楽しんで頂けたら幸いです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-01 02:46:35
65994文字
会話率:39%
舞台は神代が終わり数千年後の人の世界。
神に力を与えられた『神格者』という異能力者は時に戦争を起こし、時に戦乱を治め、時に国を築いていた。
そんな中突如として神格者の力に目覚めたハルトは、自身の境遇に葛藤しながらも、不条理を許すことが出来
ず蔓延る悪と戦う決意を抱く。
神格者とは何なのか。世界は如何にして成立したのか。そして人は何の為に生まれたのか。繰り返される自問自答を越え、ハルトは正義の意志を燃やすのであった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-01 01:54:04
421980文字
会話率:40%
スパイ・・・ひそかに相手の陣営に入り込み,相手方の機密情報を探り出すこと。また,それをする者
ーーーーー
高校一年 文月 楓(ふみずき かえで)
正直、中学校生活はそんなに楽しくなかった。
だからこそ、今の高校生活がとても楽しい。
友達
も担任もきっと恵まれている。
そんな俺は思う。
彼女が欲しい。
小学校も中学校でも俺は特に恋愛をしてこなかった。
そもそも小学生の頃は恋愛なんて1ミリも興味なかった。
中学生にもなると女子を意識することもあったがモテることなく三年間を終えた。
今までの俺に恋愛という言葉はなかった。
だから俺は生まれてから恋愛を1度もしたことが無い。
そして彼女が欲しいと思う割には異性に恋をしたこともない。
もしかしたら、俺は恋をしているのかもしれない。
だけど俺はそれが恋なのかすら分からない。
ーーーーー
文月 楓は恋愛をしなさすぎて恋という気持ちを知らなかった。
そしてそれがどんな気持ちなのかを知りたかった。
そんな文月楓は人の恋愛を見る事ばかり。
次第にそれが楽しくなり、、、
そしていつしか、人の恋路をスパイしていくうちに、文月楓は恋を知る…
色々な視点から繰り広げられる恋愛。
現実でありそうな事件。
現実ではありえない事件。
そんな学校の日常をお届けします。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-30 23:17:52
291499文字
会話率:39%
北條家領は騒乱に陥っていた。自警団を襲った先の事件が遠因だ。一夜にして突如現れた破壊の痕跡は、市民に動揺をもたらしていた。漠然とした脅威への不安が、予てより燃え続ける非市民への憎悪の炎を一層猛々しく躍らせ、抑圧と絶望が非市民を復讐へと駆
り立てる。
かつて、保安三課によって潰滅させられた非市民の犯罪組織「丙」の残党が北條家領に逃れ、今しも復活したとの噂が聞かれる。
――――――――
〈Chapter1.砂時計の殺人〉
富裕層を顧客にする弁護士団体「富貴人保護協会」に所属する美馬鹿之助が殺害された。美馬は能弁家として名声を勝ち得た人物で、非市民の排撃を訴える急先鋒だった。被疑者は都市の有力者の一人、吉田金吾。元々、二人は思想の近さも手伝って親しい中だった。ところが、吉田は最近になって心変わりが噂されており、意見の相違と吉田の娘、珠を巡る軋轢が犯行の動機と目された。
吉田は若い時分には按察官も務めており、その頃から築き上げてきた人脈は貴族と経済人に根のように張り巡らされている。開道家の混乱の後に新たに市長となった北條にとって、吉田の存在とその処遇がもたらす周囲への影響は相当な威力を有していた。他方で、非市民の対応に追われる按察官や配下の役人の中には美馬の主張を熱烈に歓迎する者もおり、専ら被疑者と見做されている吉田を何の根拠も無く放免することもまた不可能な情勢だ。
北條から解決を依頼された叶子は、背後にコアが関与している可能性もあると、炯とルーチェに話を持ち掛ける。吉田の変節、消えた娘、コアの気配――。真相を二人が追う。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-30 21:00:20
11450文字
会話率:47%
頽廃の時代、人類は自らの文化と文明を粉々に破壊した。そのような中にあっても彼らの子たる科学技術は飛躍的に進歩した。万能物質「血の瀝青」の発見と二つの偉大な被造物――生成装置「ビット」と機械人間「フーマニット」がそれである。二つの新たな力を
擁し、ワァルドステイトは自滅にひた走る人類を救うべく活動する。人類の自認識を揺るがす新たな混迷の時代の到来だ。
ワァルドステイトの本部とは大洋を挟んで反対側に位置する「学府」は世界中に破滅的な喪失をもたらした頽廃運動を辛くも耐えきった唯一の共同体だ。前時代の遺産を多く守り切ったこの地は人類の精神的支柱として無二の価値を放っている。学府中央の西に隣する都市「北條家領」――貴族の闘争による混乱冷めやらぬこの街で巨大な思惑が始まろうとしていた。
開道炯は瀝青を生成し使用することのできる「覚醒者」だ。彼は一人の女を追っていた。禁制品となった生成装置「コア」を使用し、これを流通させる「媒介者」と呼ばれる危険人物だ。その彼の元に一つの事件が舞い込む。協力関係にある自警団から殺人事件の解決を依頼されたのだ。事件は自警団の最大の支援者である栄秀平が惨殺されたというもの。現場には莫大な「血の瀝青」が瀰漫していた。
事件の背後に追い続けてきた「白の媒介者」の存在を感じ取った彼は、ワァルドステイトからコアの追跡と破壊の任務を帯びて来訪したフーマニット、ルーチェ・グラックス・ウェールスと共に事件の捜査に乗り出すのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-18 20:00:00
165132文字
会話率:57%
心霊現象の多発するアパートに住む、警視庁刑事部捜査一課の新人刑事・二里敢太。表では非常に勇敢な警察官だが、裏ではいつ犯罪を犯すか分からないほど遊んでいる。そんな彼だが、ある日部屋に、中年男性の幽霊が現れる。その幽霊は、突然二里の身体を乗っ取
ってしまい、二里は幽霊の状態になってしまう。身体を返せと迫るが、二里の身体になった幽霊は、このまま刑事をやると言い出す。素人に刑事が出来るわけがないと抑止するが、実は幽霊の正体は半場今太と言う男で、二里の先輩の刑事の元相棒で、類稀なる天才刑事だと言う事が判明する。半場は、警察官にふさわしくない息抜きの仕方をしている二里を、更生させる為に身体を乗っ取ったと言う事らしい。それから半場は、二里の身体で刑事をし始め、二里を更生させつつ様々な難事件を解決して行く。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-30 19:00:00
26112文字
会話率:70%
探偵事務所を引き継いだ「碧衣 次郎」が不可思議な事件を解いていく
最終更新:2024-09-30 13:12:37
27821文字
会話率:76%
何でも病気を治す不思議な医者がいた。魔法使いと僧侶の力を借りて患者を無傷で治療する、そんな病院があった。
病院の医者と僧侶は苦楽をともにし、大きな苦難に立ち向かう。
そしてまだ戦いが残っていた。
聖騎士のギルと不動産屋のフォードが力を
合わせて大きな悪と対峙する。
ライス総合外科病院の人々のその後を描いた物語。
アルファポリスにも掲載しています折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-30 13:05:55
102921文字
会話率:51%
セルマと魔導師たちによってガベリアの地が甦ってから、十年が過ぎた。
高等魔術学院二年生の少年、ベスは自警団の魔導師を目指して勉強と訓練に励んでいた。ある日、寮の同室者で友人のクライドから頼み事をされる。それをこなすために部屋を離れた数十分
の間に、クライドは忽然と姿を消していた。
部屋は血塗れ、目撃者は無し。寮に出入りした不審者もいなければ、彼が玄関や窓から寮の外に出た形跡もない。
クライドは自分の意思で失踪した、という自警団の見解の元、ベスは仲間と共に彼を探し始める。何のために部屋をあんな状態にしたのか、クライドは何が目的で失踪したのか。やがてゴシップ誌が事件を書き立て、更に、似たような失踪事件が別の場所でも発生する。
全ての謎が明らかになり、ベスが知った友人の本当の姿とは――。
『Ecphore―闇を巡る魔導師―』の登場人物も再び顔を出す、シリーズ第二弾。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-09-30 12:56:31
158290文字
会話率:52%