世界を照らす明かりが、おぼろげな魔術と霊感から、鮮明な科学の光に変わり始めようとしていた時代――
「わたし」はそこそこの歴史を持つ、名門といえば名門でとおる伯爵家の長女として生まれた。
家督を継ぐには申しぶんのない出来の良い弟に恵まれ、わた
しは好きなことをさせてもらっていた。……のだが、26歳になる今日まで婚約者すらなしというのは、世間的にはまだ焦るほどじゃないが、貴族としてはワケアリと見なされる。
そんなところへ持ち込まれた「契約結婚」のお話。べつにかまいませんよ、愛のない結婚への抵抗感はないというか、そもそも結婚願望そのものがなかったからね。このまま嫁かず後家で実家に寄生しようかと思ってたけど、それは駄目だというなら仕方ない。
なにせ金銭をバカ喰いするシュミをたしなんでいるもので。これさえ続けてもいいなら、あとはどんな条件でも一向にかまいませんよ。
とまあ、わたしは深く考えることなく承諾したのだったけど。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-29 20:25:57
19053文字
会話率:37%
夏の夜。
月を見上げる。
おぼろげなこの世界。
最終更新:2022-05-07 17:53:19
677文字
会話率:13%
「その傷は治らないわ、フローガ」とあの女は笑いながら言った。
王妃レフコー。手に持っていたのは呪いの剣。少年フローガの実母である。
王妃であり実の母親は、フローガに刃を振り下ろした。フローガの左頬と右足のくるぶしは、パックリと割れた。
「こ
れでこの国は、ブロンティのもの」
ブロンティは雷神の加護を受けた第二王子であり、少年の実弟である。
王妃に好かれているとは思わなかったが、ここまで嫌われているとも思いたくなかった。
ようよう辿り着いた僻地の小屋で、フローガは少女ソフィーリアと出会う。
フローガの目には炎のように赤い髪と、緑の瞳を持つ少女に見えたソフィーリアは、この国では稀な治癒の魔術を使える少女だった。
命を救われたフローガは、実母と実弟を王宮から放逐し、国の実権を握ることを決める。
ソフィーリアは辺境伯の次女。父はソフィーリアの姉のトリアナティを溺愛し、ソフィーリアはいつも置き去りだった。
トリアナティは紅がかった金髪と蒼い目の少女。容姿だけはずば抜けていたが、それ以外は問題のある女性。ソフィーリアは、白色に近い金髪と琥珀色の目を持つ地味な容姿の少女である。
ソフィーリアの治癒の力は、父方の祖母から受け継いだもの。両親も姉も、その力を知らない。
成人したフローガは、焼き尽くす王子と呼ばれ、王妃も実弟も幽閉し国の実権を握る。ようやく、王妃を娶る時期を迎えた。しかし、縁談を申し込んだ相手はトリアナティであった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-15 22:15:20
14902文字
会話率:19%
草原の遊牧民の一氏族、ヴィスカベルの長の娘エイカは、ディナル氏族の長たち暗殺の咎で一族を皆殺しにされ、下手人として差し出される。
刑の執行を保留され、食客としてディナル氏族で日々を過ごす中で、長の息子ラハムやその妹ミルカとの絆を育んでゆく。
同時に、おぼろげながら見えてくる事件の背景、そして動き出す新たな陰謀。
果たしてエイカは、友を守り、氏族の潔白を明らかにすることができるのか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-21 22:25:18
17832文字
会話率:41%
魔術師ガノスは、困惑していた。
記憶喪失の彼は勇者マルスに命を救われ、その後は最強の魔術師として、何より一番の親友として魔王討伐の旅に同行していた。
聖女や格闘家など、気の置けない仲間達と旅を続けていたのだが――
「魔王様! ようやく
見つけましたよ! いやあ人間のフリが上手いですね」
「魔王様、知ってますよ~極秘任務なんすよね~」
「魔王様! 分かってます! やられたフリをしたら良いんですよね!?」
魔王軍のせいでおぼろげな記憶が戻ってガノスは気付いた。
「……もしかして魔王って俺じゃね」
しかし、今さらマルス達に自分が魔王だと言えないガノスは、流されるままに旅を続けることに
魔王軍側もまた、これはきっとガノスの深謀なる作戦に違いないと勘違いし、更に状況はややこしくなっていくのだった……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-01 22:07:41
6114文字
会話率:49%
かつて化物が大きな翼と特殊能力を用いて空と地上さらに海までも支配していた時代があった。そんな時代から数多の時が流れ文明の繁栄と衰退を繰り返しながらもなんとか現在の人類は過去に存在していた人類の生存圏を化物達から取り戻している最中である…
そんな歴史を持つ世界でとある事情でなってしまった貧困から抜け出すため、曽祖父が残した手帳と謎の灰色で楕円形のモノを見つけたことでフィーゼニア王国に忠誠を誓うフォンテーゼ子爵の3男アルセーヌ・ド・フォンテーゼがおぼろげな異世界にいた前世の時を思い出しながら旅を始める物語…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-11 17:53:32
30183文字
会話率:59%
皆様は「新都社」という漫画・小説の投稿サイトをご存知でしょうか。出身という言葉が適切であるかどうかは分かりませんが、後に売れっ子漫画家となった投稿者もたくさんおられるようです。
数年前、新都社の漫画を読み漁ることにハマっていた私は『民
子』という作品に出会いました。ものすごく不潔でだらしなく、何に使うのかも分からないものを収集する癖を持ちつつ、でもどこか憎めない民子という女子高生が主人公の日常系漫画……だったと思います。
不確かなのは記憶がおぼろげなだけでなく、もう作品の内容を確かめる術が存在しないからです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-16 21:46:27
1045文字
会話率:0%
友人との夜通しのボードゲームから目覚めると、そこは戦国時代。しかも転生先は武将の家ではなくて農民兼足軽ときた。そんな家ではおぼろげな現代知識が役立つはずもなく、これから起こる歴史も活用することは難しい。そんな境遇で、男は転生先でも何故か握
りしめていたプラスチック製のサイコロを手に、戦国の世を生きていくことになる。
※6月16日、第二章が完結しました。
※第三章の投稿を開始しました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-16 17:05:31
420847文字
会話率:49%
私は図書館で働く非正規雇用の司書。本が好き、毎日本に囲まれて、困った人の相談に乗る仕事ができる!と喜んで司書になったものの、本に対して何の愛もない正規職員にこき使われる理不尽な日々。
これって「やりがい搾取」なんだろうな……「それでも誠実に
仕事しよう!」と過ごしていたある日、高校生男子が「思い出の絵本を探し出して下さい」と相談に来る。
司書スキルで、おぼろげな記憶の絵本を探してあげると、高校生は大喜び。「司書になって、よかった……」と思ったのもつかの間、その絵本は不良公務員の上司に台無しにされてしまう。
悲しむ私にその高校生は怒り心頭。その子の正体は驚きのスーパー高校生で、上司に追い詰められる私をあっという間に救出してくれるのだった。
そしてなんと、私や虐げられていた同僚を正規採用にして、今まで以上に本好きの人たちが幸せになる環境を作ってくれたのだ。これって現実?こんなことって自分に本当に起こるの!?
感激する私に畳みかけるように、男の子はタワーマンション最上階の住まいに招待してくれ、私が思い出の絵本を大切にした御礼に夢のようなひとときをプレゼントしてくれるのだった……
真面目に生きてる司書のシンデレラストーリー折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-11 09:11:01
9850文字
会話率:36%
おぼろげながら浮かんできたんです。流行のもう遅い追放系短編小説が。
最終更新:2021-05-14 17:00:00
3791文字
会話率:63%
僕には子供の頃から変なモノが見える。薄い青色のような灰色のような、おぼろげに人の形に思えるようなそうでないような、そんなモノ。
最終更新:2021-05-01 12:03:44
2566文字
会話率:11%
中世ファンタジー風の異世界に転生したわたしは、とある道化師の箱入り娘だった。大人になり、前世の記憶がおぼろげながら戻ってきた時に気づいた。これは名作オペラ『リゴレット』に登場する悲劇のヒロインルート(最後に死ぬ)では!?と。日々消えゆくその
頼りない記憶をもとに、エモい父とわが身を守るため、幾度となくループを繰り返し、運命の改編に挑むのだ。
そう、あたしは魔法も、力も、お金も、権力もない、ただの箱入り娘。自分にできる事は、ただただあがき続け、愛する喜びを歌い、愛される喜びを歌うだけ。
そしてこれは、苦悩と葛藤の末に運命を乗り越え、ハッピーエンドを目指す”あたし”と”わたし”の物語。
<2021年3月末までには完結予定。現在は最終の第五部を執筆中となります。/二次創作/作中に登場するオペラの歌詞は、全て筆者Principeによる訳です。微妙なニュアンスの違いは、独自解釈と捉えてください>
「編集者ツッツー添削OK」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-30 14:10:55
298174文字
会話率:24%
茨の塔。
そこで出会った黒髪の少女ルエに、記憶の中の少女が重なるハヤト。幼い日の記憶も友の名前も顔もおぼろげな中、ハヤトが見つけた思い出とは。
この作品はアルファさんにも掲載しています。
最終更新:2021-03-03 08:14:08
80466文字
会話率:37%
将棋盤を初めて見たとき、私は前世(男)の記憶を思い出す。
ブラック企業で過労死? そんなの絶対イヤだ! ……でもどうすれば良い?
そんな私の起死回生の一手は、将棋の女流棋士になる事。
おぼろげだけど、学生強豪だった前世の記憶があれば、きっ
と大丈夫……なはず。
そして、ライバルとの出会いや激闘を経て、私は新たな夢を目指し始める。
それは将棋史上、未踏となっている『女性棋士』――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-22 17:10:31
152772文字
会話率:34%
陽炎のようにおぼろげで、カゲロウのように儚い。
そんな青年の物語。
最終更新:2020-09-20 23:14:42
1976文字
会話率:2%
主人公相良健吾は学生時代にのめりこんだ、架空のアメリカの田舎街を舞台にしたホラーアドベンチャーゲーム「ミザリータウン」のシステムとルールに支配された世界に迷い込んだ。
おぼろげな記憶を元にLvとスキルを上げ、世界で生き残ることができるのか。
今回一応完結の形を取りましたが続編に挑戦したいと思っています。
なので続編と同時並行で加筆修正をしますので途中で矛盾が生じたり辻褄が合わない事もありますが完成するまで暖かい目で見守ってください。
現在(作業中)とついている話数が更新中です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-16 22:27:30
3659文字
会話率:7%
貴族の元に生まれたクラン
おぼろげに思い出すのは前世で数人が泣いてくれた事
力が無い為に全てを取り上げられるクランは誰かを守る為に自分の道を進む
「儂は何も失わない為に力が欲しいんじゃよ。」
そんな小さな物語り
最終更新:2020-08-05 09:29:56
3035文字
会話率:32%
黒灯那波は気づけば、暗い部屋に倒れていた。
彼の記憶にあるのはここではない、おぼろげなどこかの記憶。
記憶を探ると出てきたのは、アルシュ=ナーデという名前。
そして、彼が持っていたのは一振りの剣。
ふと、彼の目の前に白い羽が舞い降りる。
それに触れると、頭の中が真っ白に染まった。
アルシュに与えられたのは、英雄としての全ての知識。
しかし、中途半端な転生になったことによって、
与えられたのはページの破れた辞書のように、不完全でしかも読み取れない知識だった。
痛む頭を押さえ、部屋を出れば広がっていたのは魔物だらけの洞窟。
生きるためには、まずここを出なければならない。
彼は、白い少女に与えられた頼りない知識を駆使し、脱出を試みる。
「あなたが英雄になったとき、一つだけ望みを叶えてあげる」
真っ白な記憶の中、かすかに聞こえた少女の声を頼りに。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-07-17 15:03:11
7801文字
会話率:16%
8年前に幾つかの貴族と共に王国から独立し、ホワイトフォックス公国を興した元ホワイトフォックス公爵家の一人娘で現当主代理の私アリス・C・ホワイトフォックスは実はおぼろげながらに前世があったり、実は魔神な魔人のメイドがいたり、お父様が行方不明で
お母様が昏睡状態だったりする普通の15才。
平日は学校に行ったりお仕事したり、休日は休日で友人とお喋りしたり、お仕事したりと楽しく毎日を過ごしています。
そんな平和に過ごしていたのにある日王国からの使者が来て、私にクズ王家に嫁ぐように命令されてしまいます。
誰が私にどこに嫁げと命令するのでしようか?ちょっと現実を見せて差し上げましょう。
えーと、作者のrupusです。
この小説は以前ホロライブの白上フブキ様が生放送で行っていおられた。『皆で考えるラノベ設定あるある:お嬢様と魔人メイド:編』の設定に一部アレンジを加えながら書いてみました。
いつも文章が拙い私ですが、今回も見切り発車かつ後先考えず書いておりますので内容が多分崩壊するかと思います。え?現実世界をMCU みたいな世界に変えたアホが何を言ってんだって?そうですね。いつものことですね。はい、これからちゃんと更新頻度高めに頑張ります‼応援してね‼折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-26 01:49:53
963文字
会話率:55%
精神旅行になるといいなと思ってます。
最終更新:2020-05-25 22:56:59
1031文字
会話率:0%