僕は、視力悪化のため、眼科クリニックに診察をするために来た。そこの待合所の本棚の一冊の本に、ふと目が止まった。理由はない。なんとなくだ。その内容は、盲目の少年が主人公の恋愛物の海外小説だった。少年の主観の幸福論が多々描写されていて、ボクに
は少し堅苦しい本だったので、パラパラとめくった後すぐに読むのをやめてしまった。
診察を終え、クリニックの入り口で靴をはいていると、一人の女の子がやってきた。長い黒髪を持つ彼女は、ボクから見てもかなり綺麗な子で、少し見入ってしまったのだ。
僕はすぐに目を逸らして、なんでもないかのように彼女の傍らをすれ違おうとした。でも、その時、なぜかその女の子は急によろけ始めて、僕にぶつかってきた。
「きゃっ!?」
「うわっ」
――――――少し、痛かった。
「あ、あの、すいませんでした!急にぶつかってしまって。」
「・・・・・・・」
教えてあげるべきだろうか?
彼女が誤っている方向が、ボクの方とは全く逆であることを。
彼女と話す機会を得た僕は、あることを知った。
そう。どうすることも出来ない、彼女の持つそれを。
クリニックで読んだあの海外小説の中の少年と同じ―――――――
盲目だということを。
そして彼女は、その小説を知っていた・・・。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2010-05-28 11:29:47
26395文字
会話率:48%
夢診断。 診察はあなたに委ねます。
最終更新:2010-05-25 15:43:40
1293文字
会話率:19%
「俺の脳を見てくれ!」診察室に駆け込むなり、寝台の上に滑り込む男。男はメスで頭皮を剥がし、さらにハンマーで頭蓋を叩き割る。すると中はどうだ。大きな空洞になっているではないか───本編より。何も感じない、感動しない男が、嘆きながら脳に埋めたも
のとは。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2009-09-14 21:58:33
2057文字
会話率:29%
とある医者のもとへ、突然に目がなくなってしまった男が診察に訪れる。男の目がなくなってしまった理由とは?
最終更新:2009-04-09 16:36:59
1680文字
会話率:38%
女性患者から医師に封筒が届けられた。診察室で封を切る。
最終更新:2008-04-29 16:34:57
4179文字
会話率:4%
幻の友達・ジュゴンの【ふう】が見える少女。潮子を診察する神経科医中川は、PTSDによる症状を解明し、彼女を現実世界へ連れ戻そうとする。驚くべき結末とは。
最終更新:2008-03-13 01:36:35
11990文字
会話率:42%
人間関係に悩んだ青年が病院を訪れ、綺麗な女医に診察してもらいながら心の病を治していくという話です。
最終更新:2007-10-07 07:58:12
9028文字
会話率:39%
見上げた空、色はまちまち。水平な目線、ふたり、ひとり。ゆらゆらゆれているが、いずれ落ち着く。
最終更新:2007-09-12 23:55:38
24014文字
会話率:63%