「私ね、結婚するの」
ルームシェアしていた女友達から突然、そんな言葉を告げられた「私」は、内心ひどく狼狽することとなる。何故なら「私」は、彼女のことを、愛していたから。
彼女のそばにいられるだけでよかった。心の底から愛していた彼女の存在を奪
われてしまった「私」が、行き着いた答えとは―。
※こちらの作品は、カクヨムにも掲載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-02-22 17:27:09
6814文字
会話率:6%
目の先に映る世界は凄惨な光景で埋め尽くされている。
手からは生き物が動脈を小突く一定の鼓動が伝わり、そして目には、まだ手沢のついていない一抹のナイフを通して地面に流れていく体温が映る。出水した赤の液体は、絶えず流失し続け地に大きな水たまり
を作っている。人間というのは、体内から半分以上の血液が出ると致死する可能性が極端に高くなると言われていることを思い出すに、目の前の血だまりがとうにその致死量と呼ばれるものを超えていることは火を見るより明らかだった。
さっきまで雨を降らしていた霧がかっていた雲は一時顔をそらし、代わりに覗かせた月がより鮮明に景色をはっきりとさせていく。月明かりに照らされてらてらと輝く赤黒い水たまりは、かさを増しやがて足下にまで及ぶ位になった。この乱れた呼吸は誰のものだろうと口をつぐむとそれは紛れもなく自分から発せられたものだった。他人から発せられる腐った鉄のにおいに脳漿がくらくらと陶酔し一歩退く、するとどろどろでネチャネチャとした粘液が足に絡んで思うようには動けなくなる。手元に残ったままの確かな感触を引き抜けば、そこからは止めどなく血が流れていく。
鈍く光ったナイフを見る。半液体から、反射された己の顔は酷く歪んでいる。
そうしてその肖像画を眺めていると、ばたりと眼前の人間だったものが肉塊に変わって崩れ落ちていった。
今日僕(私)は、人を殺めた。
あらかじめ準備していた高尚な動機も今となればほんの一縷のあまりたいしたことではなかったように、僕は思う。
あれだけ殺したくてたまらなかったはずなのに、殺したくはなくなってしまった私は、この事実を呪う。
神よ、願わくは変えられない物を受け入れる勇気を僕に。
願わくは、変えられない物を変える勇気を私に。
少年が、少女を殺してしまったことによって始まるピカレスク小説です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-30 20:41:52
123933文字
会話率:39%
食品添加物に関する話 ざっくりした知識で書いている。すまん
最終更新:2019-10-21 17:29:06
1888文字
会話率:0%
リストカット。エンコ―。ドラッグ。自殺未遂。レズセックス。そんなことばかりして生きてきた。それをするのは、ここではないどこかに行きたいからだったのに、どこにも行けなかった。私にとって、致死量の平和で満たされているこの場所は絶望だった。破滅の
強い衝撃が、私の生きづらい今日をここではないどこかへ連れ去ってくれるかもしれない、なんて期待した。でも結局どこにも行けなかった。傷だらけになりながら進む私の今日もまた青春なんて平凡な名前を付けられるのなら、メランコリックな10代は誰にも救えやしない。そして誰も笑っちゃいけないんだ。
これは私が生きてきた人生です。実体験を多く含みます。(リストカット、援助交際(?)、精神安定剤服用経験があります。)また、宮沢賢治が『春と修羅」という詩集の副題に「心象スケッチ」と付けていますが、私の場合も同じです。実体験に基づいていない場面もありますが、それは私の心象に物語を付けたものです。
電子の世界の片隅から、世界が好きになれないあなたへ向けて……
(完成済みですので、少しづつ更新していきたいと思います。毎日24時頃更新します。)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-06-12 01:59:18
79767文字
会話率:44%
斉夕明は楓国の宮殿内にある「水蓮宮」と呼ばれる邸宅で薬を作り、農作業をする日々を過ごしていた。
ある日、監察御史の蒼信から彼が仕える成蓮殿下の毒見役を頼まれることとなる。この成蓮は后の子であるにも関わらず、三番目に生まれたばかりに帝位からも
っとも遠い位置におり、しかも本人も帝位には興味がなく、少し気弱な親王であった。夕明の家、斉家は代々毒が効かない一族で、夕明自身も致死量の毒を身体に含んでも、全く効かない特異な身体を持っていたため、毒見役としてお呼びがかかったのである。しかし、毒見をする者を犠牲にしてまで、食事を摂りたくはないと言い張る成蓮の人を思いやる気持ちと優しさに惹かれた夕明は、心から彼に尽くしたいと思うようになる。一方で成蓮も誠実な夕明に対して心を開くようになり、二人は親しくなっていく。だが、夕明達の穏やかな日常の裏では帝位争いが激しく行われており、夕明達も次第に巻き込まれてしまうのであった。
※この作品の著作権は伊月ともやにあります。無断転載・無断使用・無断引用・自作発言は禁止しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-09-20 17:31:13
106116文字
会話率:50%
死ぬ勇気すらなく、致死量を計算してギリギリを摂取した憐れな人間の実体験。
最終更新:2018-09-17 23:30:48
1774文字
会話率:17%
とある二人の放課後ショートストーリー。
最終更新:2017-07-30 23:21:31
1140文字
会話率:35%
身内との接し方についての後悔の記録。
抗がん剤についての思いを忘れないために、記しておく。
現実から目を背けたその結果。
最終更新:2016-09-25 19:16:04
3370文字
会話率:0%
「きまりごと・わくぐみ」というお題で800文字制限で書かせていただきました。
キーワード:
最終更新:2014-11-08 23:11:00
757文字
会話率:10%
近日世間を騒がせている、トリヴィシャと名乗るグループの犯罪行為。それを阻止し、トリヴィシャを拘束するために組織された「三途」の新入メンバーである加賀慎二は、そのトリヴィシャのメンバーの一人でもあった。▽悪役目線。必死に自分達を捕まえようとす
る者をひたすら嘲笑うクズな青年三人組のお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-08-29 08:30:00
8139文字
会話率:74%
《Hope of the future online》というVRMMOで起きた監禁デスゲーム事件。だがその事件は、いずれ来る大事件への布石であった。
βテストプレイヤー達がゲームの攻略に追われている中、1人の男が《Hope of the
future online》で死ぬ。VRベッドからの致死量を遥かに超えた電力で感電死する運命にあった男だったが、何があったのか普通に起床。
そこから、後々《LOSER》と呼ばれる英雄の伝説が始まった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-04-13 09:15:42
926文字
会話率:0%
君の声は毒だ。
甘くて致死量に少し足りない。
だから、僕はがんじがらめのまま君だけしか目に映せなくなる。
最終更新:2012-05-03 23:08:25
2351文字
会話率:2%
私はただ、彼女を愛していただけだった。
強すぎる愛情は次第に独占欲へと変わっていき、妄想は狂気へと加速していく。彼と彼女を殺すのに必要なのは、致死量の感情だけ
妄想に蝕まれた男の話。
最終更新:2010-01-21 14:14:59
12090文字
会話率:22%