ごく普通の高校生だった俺、斎藤蓮(さいとうれん)の日常は、ある日突然、終わりを告げた。
壁の外での授業中、怪異の大群――スタンピードに襲われ、幼馴染の橘陽菜(たちばなひな)を庇った俺は、謎の光に包まれて意識を失う。死んだ……そう思った俺が
次に目覚めた時、そこにいたのは「斎藤蓮」ではなかった。
コンクリートの冷たい床の上で目覚めた俺の身体は、月光を溶かしたような銀髪と、猛禽類を思わせる金色の瞳を持つ、見ず知らずの美少女そのもの。混乱する頭に流れ込んできたのは「アリア」という名の戦闘専門家の知識と、常人を遥かに超える身体能力。だが、その規格外の力には「生命エネルギーを激しく消耗する」というとんでもなく燃費の悪い欠陥があった。
正体を隠すため、黒いパーカーとフェイスマスク、サングラスで全身を覆った怪しい出で立ちで街を彷徨う俺は、怪異に襲われる陽菜と再会する。消耗しきった身体に鞭打って彼女を守り抜き、気絶したところを拾われた俺。その戦い方と癖から、陽菜は俺に一瞬で気づいた。
涙ながらに「おかえり、蓮」と抱きしめられた時、俺は心から安堵した。
こうして始まった、陽菜との同居生活。陽菜の家で、彼女の優しさに包まれて、平穏が戻ってきた……はずだった。
だが、俺はすぐに気づくことになる。蓮(おとこ)の心を持つ俺(おんな)にとって、幼馴染の彼女が振りかざす、この言葉が一番の脅威だということに。
「だって、女の子同士なんだから!」
謎理論のもと、俺たちの距離感はどんどんおかしくなっていく。
違う、全然普通じゃない! 大丈夫じゃない!
冒険者「アリア」として活動を始めた俺は、実力からギルドマスターに目をつけられ、Cランクに特例昇格。そのせいで、お嬢様にも妙に気に入られてしまい、強引な依頼に巻き込まれる羽目に。彼女のアプローチは、俺の秘密をさらに危うくしていく。
過保護な幼馴染と、グイグイくるお嬢様。そして、俺の正体を探ろうとする斥候や、なぜか結成されたファンクラブ。俺の周りには、一癖も二癖もある連中が集まってくる。
これは、最強の力を手に入れた代わりに、平穏な日常を失った俺が、大切な幼馴染との約束を守り抜くために奮闘する、秘密と勘違いだらけのTS転生ファンタジー。果たして俺は、正体を隠し通し、平穏な日常を取り戻すことができるのか。――いや、もう無理かもしれない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 07:45:05
123102文字
会話率:34%
スラム街で家族と慎ましやかに暮らしていた私が思い出したのは……現代日本で生きた記憶だった。
快適な生活を思い出してしまったせいで、今までは気にならなかった酷い環境がいちいち気になってしまう。
前世の記憶なんて思い出さなければここで幸せに生き
ていけたのに!前世なんて思い出したくなかったよ!
さすがにこの酷い環境は無理だ。ドブ臭い吹けば飛びそうなボロい小屋で虫と共同生活なんて、元日本人の私には耐えられない。
せめてもう少しだけ快適な生活を、外壁の外であるスラム街じゃなくて街の中には入りたい。そんな少しの望みを持って行動を始めたら、いつの間にかこの世界の重要人物になっていて……?
私は平穏に暮らしたいだけなのに!!
この物語は人並みの幸せを求めた少女が、いつの間にか救世を望まれる重要人物になってしまう物語です。
※カクヨムにも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-22 20:20:00
655612文字
会話率:55%
王都の中央にそびえる白亜の塔――その頂には、選ばれし者のみが入ることを許された「王都学院」が存在する。魔法と剣の才を持つ貴族の子弟たちが集い、王国の未来を担う人材が育つこの学院に、一人の少女が通っていた。
名はベアトリス=ローデリア。金
糸を編んだような髪と、透き通るような青い瞳を持つ、美しき伯爵令嬢。気品と誇りを備えた彼女は、その立ち居振る舞いひとつで周囲の目を奪う、まさに「王都の金の薔薇」と謳われる存在であった。
だが、彼女には胸に秘めた切ない想いがあった。
――婚約者、シャルル=フォンティーヌ。
同じ伯爵家の息子であり、王都学院でも才気あふれる青年として知られる彼は、ベアトリスの幼馴染であり、未来を誓い合った相手でもある。だが、学院に入ってからというもの、シャルルは王女殿下と共に生徒会での活動に没頭するようになり、ベアトリスの前に姿を見せることすら稀になっていった。
「ベア、また一人で昼食か?」
友人の一人が声をかけても、彼女は微笑みで答えるだけだった。その微笑は、どこか寂しげで、冷たい風のようだった。
「私は平気よ。彼には……王女殿下という、ふさわしい方がいらっしゃるもの」
そう言ってベアトリスは、手にしていた魔導書を閉じ、立ち上がる。そして学院を離れ、城壁の外れにある「旧市街の地下迷宮」へと足を運ぶのだった。
かつて王都を守るために築かれたその地下迷宮は、今では訓練場として解放されており、一定以上の許可を得た生徒ならば立ち入りが認められていた。だが、危険な魔物が潜むその場所に足を踏み入れる者はそう多くはない。
しかし、ベアトリスは違った。
「──火よ、我が敵を焼き尽くせ。“クリムゾン・レイン”!」
紅蓮の雨が降り注ぎ、現れた魔物たちが一瞬で灰と化す。彼女の魔力は学院でも屈指のものであり、その戦闘技術もまた実戦経験に裏打ちされたものだった。
怒り、悲しみ、失望。シャルルへの報われぬ想いが、彼女の心に炎を灯し、それが戦場での強さとなって現れる。何度も迷宮に足を運び、何百、何千という魔物を打ち倒すうち、いつしか彼女は「地下の女王」とまで呼ばれるようになっていた。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-22 16:10:00
213602文字
会話率:38%
かつて、魔法とは異なる技術「ルーミナイト」を用いた国と、周辺諸国で構成される連合国との間に、長きにわたる戦争があった。
争いの果て、唯一生き残った王国「アルカディオン」は、かの国を打ち倒し得た“ルーミナイト”技術によって栄え、人類最後
の国となる。
しかし──その戦争が、どのように終わったのか。
今では、誰一人として覚えていない。
──そして現在。
アルカディオン王国。
魔法に適正のない者たちは、城とその周辺を囲う巨大な壁の外側に隔絶され、国に入ることすら許されていなかった。
「こんなこと、いつまで続ければいいんだよ…」
“いつか安全な壁内で暮らすこと”。
それだけを夢見て、彼らは王国から課せられる危険な作業の報酬で、かろうじて生活を繋いでいる。
そんな折、“天城 迅”は気づく。
精製されたルーミナイト──“ルナクタ”を、自身の力として扱えることに。
現在の人類で、それを自在に扱える者などいない。
彼は何者なのか?
なぜ戦争の結末は誰にも思い出せないのか?
記憶を失った男が、世界から忘れられた力で、世界に挑む。
毎週金曜日更新予定です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-26 00:46:25
41226文字
会話率:26%
第三次世界大戦が世界を焼き尽くし、男性の出生率が壊滅的に低下した未来。生き残った人類は8つの都市に拠点を築き、壁の外の脅威から身を守るため鉄壁の防衛線を張る。都市の中央では近未来的な技術が秩序を支えるが、その境界線で戦う者たちには休息はない
。レイナ中尉は、南門を守る防衛隊の一員として、仲間と共に過酷な任務に身を投じる。ある日、都市内で若い男性が次々と消える異常事態が発生。混乱を避けるため情報は秘され、彼女に極秘任務が下される——壁の外に運ばれた被害者を救え。信頼する仲間を率い、危険な荒野へ踏み出した彼女を待ち受けるのは、裏切りと陰謀の渦だった。都市の安全と壁の外の混沌、その狭間で彼女が見つけたのは、仲間との絆と自らの信念。戦いの果てに真相が明らかになった時、新たな脅威の影が忍び寄る。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-01 12:00:00
84383文字
会話率:52%
――それは、一人の元娼婦が抱いた、譲らぬ想いの物語。
帝国の端に位置する辺境の街グロウ・ゴラッド。壁の外の「捨てられた街」で娼婦として生きてきたミラナは、ある日、帝都から来た帝国軍官僚エフィムを客とする。
その日から、ミラナの人生は
一変する。
身請けされ、エフィムの夫人となったミラナは、グロウ・ゴラッドに建てた彼の別邸に居をうつす。だが、ミラナもエフィムも、互いにどう接すればいいかわからないまま時が過ぎる。
そんな二人にも、やがて転機が訪れる。それは、本来なら混じりあうことのない帝国民と辺境民とを招いての舞踏会という場面。そのクライマックス、招待客たちの視線を集めながら二人が踊ろうとしたその時に……
※ とりあえず、プロローグ(というかクライマックス)の先行公開です。
※ 物語の本編(第二話以降)は2021年9月3日(金)18:00から投稿を開始します。週一話ペースで半年弱、十万字程度の作品となる予定です。例外的に、第一話だけ既に公開しています。先の展開が気になる方はブックマークをして更新通知にチェックを入れていだだけると、そのブックマーク数を気にしている作者の私はとても幸せになれます、はい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-16 10:50:52
360882文字
会話率:38%
――それは、一人の元娼婦が抱いた、譲らぬ想いの物語。
帝国の端に位置する辺境の街グロウ・ゴラッド。壁の外の「捨てられた街」で娼婦として生きてきたミラナは、ある日、帝都から来た帝国軍官僚エフィムを客とする。
その日から、ミラナの人生は
一変する。
身請けされ、エフィムの夫人となったミラナは、グロウ・ゴラッドに建てた彼の別邸に居をうつす。だが、ミラナもエフィムも、互いにどう接すればいいかわからないまま時が過ぎる。
そんな二人にも、やがて転機が訪れる。それは、本来なら混じりあうことのない帝国民と辺境民とを招いての舞踏会という場面。そのクライマックス、招待客たちの視線を集めながら二人が踊ろうとしたその時に……
※短編小説で宣伝用予告編を投稿するという行為をしたくなって書いた作品です。世にいう「短編詐欺」とは少し違いますが、そこは笑っていただけたらと。
※本編のタイトルは「飛び領地邸の仮面夫婦」です。ファスト小説風短編詐欺版では長編タイトルになっているのも、できれば笑っていただけたらと。
※本編は2021年9月3日(金)18:00から投稿を開始する予定です。週一話ペースで半年弱、十万字程度の作品となる予定です。例外的に、第一話だけ既に公開しています。この「ファスト小説」を見て興味を覚えた方は、おおらかに笑って本編のブックマークと更新通知をしておくと幸せになれるかもです、はい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-07-16 18:00:00
2082文字
会話率:6%
城壁の外には、まだ見ぬ怪物が潜んでいる。
冒険者たちは命を賭して外へと向かい、騎士は剣を振るい、魔術師は術を放ち、それでも世界の闇は深まるばかり。
いつしか、英雄たちの足跡は血に濡れ、その名は伝説と化した。
世界は救世主を待ち望んでいる
のか、それとも破滅への道を歩んでいるのか。
これは、1人の少年の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-02-09 23:11:58
454文字
会話率:20%
ロナリ王国の城壁の外に暮らす少女、カーナ。今の生活から脱却したいと考えつつも抜け出せないでいた。しかし、その生活も雪の降る季節の夜に終幕することになる。突如目の前に現れた老婆との出会いで少女の運命が少しずつ変化してゆく。そして、少女が考える
ような未来とは別の方向に進んでいくのであった。少女にどのような未来が待ち受けているのか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-26 06:00:00
44221文字
会話率:30%
階段から落ちて死んだ主人公が未来都市に転生し、洗脳、情報操作などの能力を持った自分だけのスキル「配信者《ラルフ》」を駆使して、第5次世界大戦によってほとんどの国が鎖国をし、自国の領土と他領の境目に壁を設けている中、主人公が住む国が侵攻により
陥落する。魔獣が蔓延る壁の外へと追い出された人々を救うべく、配信者として活躍する転生ファンタジー。(初期構想)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-18 22:17:39
707文字
会話率:0%
主人公へ―ウィット・ブラウンは〈次元壁〉と呼ばれる世界を囲う霧の壁の外を夢見る少年だ。
しかし誰もが持っている〈ギフト〉と呼ばれる特別な力を一人だけ持っていなかった。
夢のためにも努力を続けるが、周囲との差は広がる一方。
避けられない決闘の
約束に絶望していた15歳の誕生日の夜にどこからともなく声が聞こえてきて……
「我が名はジェイド・ゴッドランド! お主よ、力が欲しくないか?」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-25 00:00:00
15177文字
会話率:26%
壁を築く、壁を築く。
天を分けるような大きな壁だ。
汗水たらし石を積み上げるのは、その壁の片側で暮らす者たち。もう片側は金を積み上げるのにご執心。
その壁が隔てるのは富者とそうでない者。
壁は日に日に高く、都市全体を囲うように築か
れていった。
準じて不安も日に日に増していく。陰り陰り、壁の外側で暮らす我々はどうなるのかと先を案じ始める。それでも両手で受け取る賃金を酒に変え、不安を忘れ、また壁を築く。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-27 12:00:00
691文字
会話率:0%
どこにでもいる普通の高校一年生。ある日、目が覚めると、なんと異世界にいた。
高い壁に囲まれた五十メートルもの高さの城。そこに住む、百人の魔術師の子どもたち。異世界での新たな生活が始まる。
異世界で目覚めてすぐに会った、赤い髪と瞳の女
の子リズ。美しい容姿の彼女とは、なんと同室だった。ドキドキハラハラの異世界ライフ。魔術に決闘にワクワクの毎日。
でも、そんな平和に見える異世界は、既に滅ぼされていた。壁の外の水は腐り、土は枯れ、作物も育たない。その元凶となる四人の能力者たち。コドクノシロと呼ばれるこの場所は、その四人を倒す為に造られていた。
技を磨く為、特訓するが、一向に魔術が使えない。そんな中、行われる決闘。
そして、異世界に現れた俺が使う力は、世界を滅ぼした力と全く同じだった?
魔術師たちに囲まれて送る、ドキドキワクワクの異世界能力バトルの日々。
その結末は如何に。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-08 20:00:00
315033文字
会話率:17%
この世界では、今日も魔物による被害が起こっていた。
夜毎現れる魔物と呼ばれる大型の獣。
その姿は狼や猪、熊や大型の猫の様な物まで居た。
獣は夜になると現れ、城壁の外にいる者を襲っては喰らっていった。
それはここ数年で現れる様になったが、い
つから居たのかは分からない。
気が付けば、戦場で戦う兵士等を襲い始め、やがては寒村部で大きな被害を与えていった。
戦争
元は我が国が行った人民合同計画なる侵略戦争であった。
”全ての人間は、法の下に平等であり、我が国の法の下に争いも無く平和に暮らすべきだ”
そんなスローガンを掲げ、軍部が強硬に他国へと侵攻を始めた。
最初は我が国の科学力の前に、多くの国が平伏した。
国民を守る為、或いは己の利権を守る為、多くの小国を吸収したいった。
負ける気などしていなかった。
全ての国が一つになり、我々の崇高な思想の下に、平等で幸せな暮らしが出来る。
数ヶ月前までは、私もそう思っていた筈だった。
彼女に出会うまでは…。
これは私と彼女が如何にして、愚かで醜い戦争に加担し、死を覚悟したか書き綴った物語です。
叶う事なら、誰か人目に映り、この戦争の終結に結び付いて欲しい。
今はそう願うのみです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-29 17:00:00
146075文字
会話率:49%
アバドンはシーウィックという田舎町で生まれ育ちました。村の長老が城壁の外で小さなメモと一緒にバスケットに入れられた彼を見つけた。16歳の誕生日を迎えるまで、彼は自分の生みの親が誰なのか、疑問に思うことすらありませんでした。ゼラフとは幼少期か
ら成人するまで一緒に暮らした。
しかし、二人とも自分の気持ちを相手に伝えることはできなかった。そして、二人はそれぞれの夢を叶えるために、有名な「王様ゲーム」への道を歩み始めた。しかし、二人はチームワークを発揮し、無事にゲームに参加することができた。
しかし、喜びも束の間、世界の存亡の危機が訪れる。レジーナは、アバドンが大切に思っているもの全てを脅かし
レジーナは、アバドンが大切に思っているもの全てを脅かし、誰も想像できないような彼の一面を呼び起こします。
2つの大きな力が衝突する運命にある。復讐に燃えるアバドンと 愛の盗人レジーナ。謎の第三者が邪魔をするまでは。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-17 08:18:01
6418文字
会話率:0%
孤児として生を受けたアシュラはしかしそんな生活に嫌気がさし、都市の壁の外に出稼ぎに出ていた。
傭兵(ランナー)として少しずつ成果を上げていくアシュラだが突如として現れたギャングに裏の仕事を依頼される。
報酬に目がくらみ、危険な仕事を受けるが
そこから裏社会の抗争に巻き込まれていく。
傭兵として、ギャングとして、表と裏で成り上がっていく折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-10 23:37:02
8258文字
会話率:34%
2***年*月**日。
突然幸せな日常は壊れ始めた。
人々の願いを食らう「ハデス」。
それに対抗すべく出来上がった組織「ヴィーナス」。
ハデスに願いを食われた人は同じようにハデスと化す世界で、大切な人を失った人などいない。
絶望
に満ち溢れた世界で、今日も私たちは願いを守るために戦うことを選んだ。
「兄が亡くなった」という知らせを受けたリネは街を囲うように立っている壁の上にいた。壁の外にはコンクリートが剥き出しになったビルや、窓ガラスが全て砕け散っているビル、崩壊した街が広がっていた。
地上からは30mある。一歩ずつ前へ歩き出すと突然誰もいないはずの後ろから声をかけられた。
「ヴィーナスに入らないか?」
その声の持ち主は、夜空よりも黒い髪に、透き通った水色の瞳で見つめる「かっこいい」よりも「美しい」という言葉が似合う男だった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-15 14:33:23
517文字
会話率:0%
夜で固定された世界。
陽光で魔力を生み出す人類は、宵闇で魔力を生み出す魔族との戦争に敗北。
人類の生き残りは城塞都市を建造し、そこに逃げ込んだ。
それからどれだけの時が流れたろう。
人工太陽によって魔力を生み出すことも出来ない人間は、壁の外
に追放される時代。
ヤクモは五歳の時に放り出された。本来であれば、魔物に食われて終わり。
だが、ヤクモはそれから十年間も生き延びた。
自分を兄と慕う少女と共に戦い続けたヤクモに、ある日チャンスが降ってくる。
都市内で年に一度行われる大会に参加しないかという誘い。
優勝すれば、都市内で暮らせる。
兄妹は迷わず参加を決めた。自らの力で、幸福を掴もうと。
※最高順位【アクション】日間1位、週間2位、月間3位※
※カクヨムにも掲載※折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-25 23:55:55
860004文字
会話率:35%
はじめに一つの神があり、一つの神は女神と男神に分かれ、そこから世界は作られた。
神が二つに分かれた拍子に生まれたものの一つは世界に降り立ち、安定を図る役割を与えられた。
それが「私」だ。世界が生まれ、育って数千年、ある日前世の記憶の一部が蘇
る。
それはかつて人間として生きた頃にドはまりした王道シミュレーションRPG。
その世界観と私の今いる世界がぴたりと当てはまってしまった。
たまたま向かった黒の森で出会った少年とのふれあいが切っ掛けで前世の人間としての感情が顔を出し、昂ぶり振り回される、『原作』には一切登場しない『巫女』と鬼の血の混じった少年の出会いから始まるお話。
不定期更新
カッとなって勢いだけで書いた作品。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-27 00:00:00
159210文字
会話率:26%
男は宇宙から襲来した『ヒト型』が跋扈する世界で、生き残るためにあがく。自分だけに見える幻覚を相棒にして。
大陸の最南端に位置するイクリル共和国。そこは突如現れた『ヒト型』と呼ばれるエイリアンから逃れるため、巨大な門壁を築いた。
その中
で生まれ育った少年、ハウヴィは大好きな父が国内の人口調整のため、犯罪者を追放する公務に携わっていることを知る。父は言った。
「それは私たちが背負うべきものだ。責任だよ」
いずれその職務を継ぐことが決定しているハウヴィは、その責任に耐え切れなくなり門壁の外へ、ヒト型が未だ生息し続けている世界へ逃げだした。
逃げだした先にあった廃墟都市。ハウヴィはそこで二年を過ごしたある日、いつの間にか見えるようになった幻覚、シースを伴いながら一つの廃墟に侵入する。
そこには、ヒト型の骸の山に囲まれた一人の少女が眠っていた。
https://twitter.com/hisakome_ai折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-10 22:06:22
127180文字
会話率:36%
はるかむかしに作られた謎の壁。その向こうには恐ろしいモンスターがうようよひしめいている。そんなモンスターや植物からは壁の外にはない様々な薬効が見つかっており、ゴリ・ラミテーダは親友アシク・サスギルの足の臭さを治すため、日々探索を繰り返して
は足のにおいを消す薬効を探していた。
だがある日彼は無学ゆえに調査団を追放されてしまう。しかも突如謎の女に呪いをかけられ、巨乳美女に囲まれてハーレム生活を送ることに!?
はたしてゴリは友の足のにおいを消すことができるのか! 謎の女は何者なのか! もう少しマシなネーミングはなかったのか!
超シリアスエキサイティングファンタジー、ここに爆誕!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-13 00:26:48
109613文字
会話率:50%