寒冷地に生息するリス科やクマ科の動物のように、冬眠と活動期を交互に繰り返す。
そんな人生を長らく送っていると、どこまでが現実であってどこからが夢やバーチャルな世界での出来事だったのか、その境界線を見失い判別がつかなくなってしまう事がある
。
人並みには身長のある俺を、上から見下ろす威圧感たっぷりな巨大な体躯。
禍々しい気配と、狂気に侵されたかのような鋭い眼光。
凶暴な牙がのぞく大きな口からは、溢れ出る涎。
ここは、あの日から、そんな魔物たちが実在する世界へと変貌した。
愛用の大剣を振り抜いて両断し、圧倒的な威力の魔法を放って蹂躙する。
それが、俺のこの世界における魔物たちへの対処法だ。
ただし。
世界は大きく変化したが、人類という種が特別な進化を得て強者となった訳ではない。
ただ単に、俺が非常識な特技と特典を保有する一般的な人の範疇から外れた存在であるが故の対処法、なのだ。
しかも。
俺が、このような色々な意味での希少種へと成り果ててしまったのは、単なる偶然の産物だった。
あの日、大騒乱の渦中で、不運にもある厄災の被害者となったが為に気紛れな女神に選ばれる幸運と強運に恵まれた、運命の悪戯によるものなのだ。
一九九九年には恐怖の大魔王が降臨して世界が一旦は滅ぶが、二00一年には宇宙の旅が解禁され、そこから始まる二十一世紀には人類が繁栄を極める薔薇色の未来が開けている。そういった様々な空想や絵空事がまことしやかに語られていた古き良き時代は、ある意味で人類にとって最も幸せな年代だったのではないだろうか、と沁み沁み思うことがある。
二十二世紀という言い方が忘れ去られて久しい現代は、世界の前提条件や様々な常識が弱肉強食なファンタジーの世界に一歩近付く傍ら、人類社会の裏側では二十一世紀型の行き過ぎた資本主義経済がもたらす超格差社会が確立され、平凡な一般人にとっては肩身が狭く平穏に暮らすことさえ困難な世の中となっているのだから...。
そんな理不尽な世界で、俺は、平穏に暮らしたいと心の底から願いながらも、今日も我が身に染み付いた不幸体質が招くトラブルに翻弄される日々を過ごすのだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-29 12:00:00
31799文字
会話率:33%
謎多き、歴史に残る天才武将・源九郎義経。
其の異母兄・源頼朝。此の二人を中心に須佐が運命の如く、絡んで行く。「鞍馬の牛若?須佐の才があると云うのか?」武角は幼少の牛若(後の九郎義経)に興味が湧く。義経は鎌倉に出で、平家に連戦連勝。平家を滅ぼ
す。此の英雄に兄が下した結論は?「殺せ…」だった。なぜ?彼は兄に殺されなければならなかったのか?義経は白河の地で死んだのか?須佐は何処まで噛んだのか?生存して逃げ果せたのか?
天狗に剣を教わり、蝦夷、修験者など…そして志能備たちと絡んだ闇の歴史が展開される。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-21 21:00:00
83982文字
会話率:50%
文治五年、閏四月三十日――。
北の黄金郷・奥州、衣川館と呼ばれるその屋敷は、まさに敵が討ち入ろうとする、まさに直前。
源九郎義経は、妻である郷御前と娘と共に館内の持仏堂にあった。
逃れる事の出来ない最期の時を、どう生きるのか。
夫婦の今生の
別れの一節を描いたお話です。
Twitterの「#歴創版日本史ワンドロワンライ」というタグで「緑」をテーマに書かせていただいた掌編になります。
(※毎度そうと言えばそうなのですが、今回歴史の捏造がかなり激しいです)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-20 08:59:28
2953文字
会話率:39%
義経と別れ、鎌倉へその身を移された静。
鶴岡八幡宮での一件以来、少し態度を軟化した相手である北条政子に乞われ、彼女の長女へと舞を納める。
幼い身の上で悲劇が起きた少女と交わした、未来の約束。
Twitterの「#歴創版日本史ワンドロワンラ
イ」というタグで「芸能」をテーマに書かせていただいた掌編になります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-03-21 23:59:53
2327文字
会話率:41%
姿月と不思議な夏の一日の話。
送り盆の日、姿月は最愛の人を探しているという、切れ長の目を持つ白皙の美貌の青年と出会う。不思議な青年の話を聞くうちに、姿月自身も何かに気付きーーー。
800年を越えても最愛の人を探し続ける青年の話
最終更新:2020-05-10 21:14:45
2051文字
会話率:54%
いきなり死んでしまった主人公の葉山悠。しかし、彼の死後、神様と会うことになる。
そんな神様と、悠の冒険の物語が、今始まる。
最終更新:2020-05-09 11:40:12
97571文字
会話率:40%
平安末期の時代
平安京において一人の女がいた
名前は磯
白拍子を名乗るその女は動乱の京を生きる
史実を元に架空を取り入れています
歴史の人物が多数出ます
時間の経過あり
種々の伝説や宗教の話あり
平安時代末期から見て過去の歴史の人物や事
件の話も出てくる事あり折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-25 06:17:06
120788文字
会話率:67%
時は源平、とある寺にシャナオーと呼ばれて勘違いした少年が居た。
自分は王ではないのか、もしかして王子?そう思っていたが、そんな様子もなく。僧侶になりたくなかった少年は僧兵を目指したらおかしな力がある事に気が付いた。
そして、そのおかしな
力を鎧にまとわせると膂力を増してくれるパワードスーツ、妖装になってしまった。
そして知る、自分が牛若丸という事実に。
しかし、探し求めたはずの弁慶はそこに居らず、自分と背丈の変わらぬ少女と出会い、奥州へと向かう事になった。
これじゃあ、僕が弁慶、コレが牛若?いや、ソイツは静という。って事は、弁慶の中身が義経って・・・・・・
これは一体なんて言うファンタジーなんだ?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-04-22 22:28:28
45592文字
会話率:36%
大和撫子を地で往く幼馴染みはまさかのBL好きだった―――!
ホモを愛しホモに愛された女委員長の魔の手に落ちた幼馴染みを救うべく、今日も山里良典は二人から目を離せない!!
最終更新:2020-03-20 16:42:20
4302文字
会話率:62%
時は末法。乱世に現れた魔王平清盛は夜の闇をも恐れぬ光の都を築く、が強すぎる光はまた深い影を落とす。その影より出でし怨は世を脅かさんとし、源平の天狗達の騒乱を招くことと相成った。鞍馬の大天狗は若き天狗九郎に平家一門に奪われた天狗帳の回収を命じ
る。九郎は母を泣かせた父清盛への復讐の為に下山した。天狗の跋扈するファンタジーバトル物語です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-03-12 21:00:41
46178文字
会話率:55%
源義経は数人の郎党を連れて小舟に揺られていた。蝦夷地に逃げるためだ。追ってくる鎌倉方や藤原氏。大陸に逃げるのだ。そうすれば誰ももう追ってこない。そこで力をつけて、伝説の義経チンギス・ハーン伝説が幕を開ける。世界を、この義経が征服するのだ。え
?船が?難破ですか?え?助けて。ぼくはいったい、どこへいってしまうんですか?人々の期待とは裏腹に、迷走する義経。本人の意思とは関係なく時空を縦横無尽に駆け巡るようです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-03-11 15:21:33
240266文字
会話率:63%
漫画やアニメには男装ヒロインは数多いますが、日本美術史で研究はされているのかと考え、上村松園という近代の美人画家の描いた、義経の愛人・静を中心に比較研究しました。
美術史から漫画までまとめ、女性が男装して舞うことの意義を示した形に仕上がりま
した。
拙い論文ですが、美術史普及、ジェンダー研究に繋がればと思い、懸命に書きました。
読んだ方に、美術史に興味を持っていただけるきっかけとなれば幸いです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-03-09 01:16:42
37920文字
会話率:3%
「滅びろ、そして我が理想郷の礎となるがいい」
カムイ眠りし北の大地。七夕で盛り上がるこの地に現れたのは、神なりし源義経と白銀の円盤だった。敷かれた嘘と、外よりやってきた真実、二つの世界はコインの裏表のように容易く裏返る。
この作品は「
アサルト・オン・ヤオヨロズ(N3029CA)」「二つの世界の螺旋カノン(N3384FR)」「隻翼ノ天使《エンジェラー》 〜堕天系美少女と殺伐同棲〜(N6047DW)」の二次創作です。作者より許可を頂いています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-02-23 23:00:45
107268文字
会話率:37%
源義経は、じつは、船頭だった。
最終更新:2020-02-23 02:56:41
894文字
会話率:0%
鞍馬寺の別当蓮忍が幼い遮那王に守り刀として与えた寺宝の名刀、義経を守り通した今剣(いまのつるぎ)は今、光秀から信長の元に戻された。
今剣が選ぶのは光秀か信長か。
運命は変えることができるのか。
最終更新:2020-01-13 21:20:52
15398文字
会話率:29%
幼少、数奇な運命により鞍馬寺に預けられた遮那王。
後の義経は自分の出自を知るに及び、源氏再興の願を立て、奥州藤原氏を頼り密かに寺を出る決心をする。
出立の日、彼を守り育てた本山別当の蓮忍が門出に与えた寺宝の名剣。
その行方は
最終更新:2019-10-02 19:34:45
5105文字
会話率:28%
静御前と義経のIF歴史です。こんなだったかなーと。
静御前の終焉の地は記録がないようですが、鎌倉から京都へは戻ったらしいです。
子供を海に捨てたらしいのですが、生死を確かめたのか、溺れさせたのか、遺棄したのか、もしかしたら生きている可能性も
ある気がしました。
本編は悲劇にしましたが、義経が北海道や大陸へ渡ったという伝説もあるわけですから、家族そろってどこかで生きていてもいいんじゃないかな、などとも夢想します。
* これは遥彼方さまの「冬のあしあと」企画の参加作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-01-04 11:49:38
3608文字
会話率:35%
鬼の存在が確認されてから約五〇〇年後の21世紀。
人類の脅威として全国各地で生殖する鬼は人類に猛威を振るっていた。そのなかで鬼の討伐に特化した独立部隊『鬼祓隊』は国家の一機関として鬼の絶滅に尽力していた。
鬼祓隊の第七席に座る才守義経は報告
や情報を共有するための定例報告会に出席するため、四国から本州を目指す最中、救難信号の発信を受信した。
調査に当たることを優先した義経は船内で一人の少女と邂逅を果たす。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-25 17:08:56
6323文字
会話率:41%
西暦二二xx年。
科学技術の発展した世界に、一人のマッドサイエンティストがいた。
その名も西園寺義経。
裏で様々な兵器や道具を開発しながらも退屈な日々を送る彼の日常は、突然崩壊する。
「警告。世界で異変が発生しています」
AIのイ
ザナミが告げ、テレビを見ると、謎の光によって各国の都市部が攻撃されていた。
自らの研究所が破壊されるも、間一髪のところで脱出に成功した義経だったが、転移した先は魔法が発展したファンタジー世界だった。
とりあえず元の世界へと戻る術と謎の光の攻略法を探しながら、科学者が異世界で無双するお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-11-23 21:18:14
25772文字
会話率:32%
バラバラだった短編をまとめました。
歴史の登場人物をもとにした、パロディーです。
一話完結です。
超短いので、気軽に読んで下さい。
最終更新:2019-11-16 02:26:05
5152文字
会話率:42%
片桐陽介は、告白の時に相手を死ぬほど好きだということを証明しようとして、本当に死んでしまった。
異世界に転生するより、告白のラストチャンスに賭けることを選んだ彼は、好意的な返事を得ることに成功する。しかし、つき合うためには彼女の父親を
認めさせる実績を積むことが絶対条件だった。
最強の異能力を身に着けた陽介はエリート異能力者たちが集う盟理学園へ入学する。そこで彼は人類の滅亡を体験した男と出会って、資本主義経済が行きつく先の未来を知る。
人類を救うことが彼女にふさわしい男としての実績になると考えた陽介は、コーヒー好きの仲間と共に超資本家の野望を止めることを決意する。
・カクヨムでも投稿中です折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-24 23:10:46
117379文字
会話率:56%
戦国時代のこと。海を渡った城にいる味方の軍を援護するべく、領主は軍備を整えていた。
折しも訪れる風雨。かつての源義経をならい、船の準備を急ぎ始めた。
それでも内心にわずかに残る不安。それを払しょくするため、このたびの戦の吉凶を占ったところ
……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-09-18 20:12:00
3986文字
会話率:9%