エンデラント大陸最古の王国、グライフトゥルム王国の英雄の一人である、マティアス・フォン・ラウシェンバッハは転生者である。
彼は類い稀なる知力と予知能力を持つと言われるほどの先見性から、“知将マティアス”や“千里眼のマティアス”と呼ばれる
ことになる。
彼は大陸最強の軍事国家ゾルダート帝国や狂信的な宗教国家レヒト法国の侵略に対し、優柔不断な国王や獅子身中の虫である大貴族の有形無形の妨害にあいながらも、旧態依然とした王国軍の近代化を図りつつ、敵国に対して謀略を仕掛け、危機的な状況を回避する。
しかし、宿敵である帝国には軍事と政治の天才が生まれ、更に謎の暗殺者集団“夜(ナハト)”や目的のためなら手段を選ばぬ魔導師集団“真理の探究者”など一筋縄ではいかぬ敵たちが次々と現れる。
そんな敵たちとの死闘に際しても、絶対の自信の表れとも言える余裕の笑みを浮かべながら策を献じたことから、“微笑みの軍師”とも呼ばれていた。
しかし、マティアスは日本での記憶を持った一般人に過ぎなかった。彼は情報分析とプレゼンテーション能力こそ、この世界の人間より優れていたものの、軍事に関する知識は小説や映画などから得たレベルのものしか持っていなかった。
更に彼は生まれつき身体が弱く、武術も魔導の才もないというハンディキャップを抱えていた。また、日本で得た知識を使った技術革新も、世界を崩壊させる危険な技術として封じられてしまう。
彼の代名詞である“微笑み”も単に苦し紛れの策に対する苦笑に過ぎなかった。
マティアスは愛する家族や仲間を守るため、大賢者とその配下の凄腕間者集団の力を借りつつ、優秀な友人たちと力を合わせて強大な敵と戦うことを決意する。
彼は情報の重要性を誰よりも重視し、巧みに情報を利用した謀略で敵を混乱させ、更に戦場では敵の意表を突く戦術を駆使して勝利に貢献していく……。
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あらすじにある通り、主人公にあるのは日本で得た中途半端な知識のみで、チートに類する卓越した能力はありません。基本的には政略・謀略・軍略といったシリアスな話が主となる予定で、恋愛要素は少なめ、ハーレム要素はもちろんありません。前半(第二章辺りまで)は裏方に徹して情報収集や情報操作を行うため、戦闘シーンはほとんどありません。
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カクヨム、アルファポリス、ノベルアップ+でも掲載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-17 12:00:00
1350515文字
会話率:34%
人の魂の色《魂色》が見える男、名奈久吾。魂色の奥底に見えるのは、その人間の本質である。
彼は二人の天使と、二体の生きるぬいぐるみと一緒に暮らしている。
悠久の時を生きる彼ら一族。魂=寿命を扱い、霊薬を精製する久吾。千里眼の姉・美奈。錬
金術を極め、鋼鉄の少女と暮らす兄・ハチ。そして、そのハチがつぶやく『エフェス』とは…。
人智を超える能力を操り、現世に身を潜めて暮らす彼らの目的は一体何か。人類の敵か味方か。ぬいぐるみ達は何故生きているのか。そして二人の天使が存在する意味とは…。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-17 08:04:03
108446文字
会話率:44%
厄災の魔王の息子ロザナンドの千里眼に映ったのは、泥沼化の果てに消耗戦となる人魔300年戦争。魔族の中に反乱軍が生まれ、魔王に反旗を翻すのだ。戦争の末、魔族と人間は破滅することになる。
舞台は乙女ゲーム「戦乙女の眼差しと光の翼」の世界。
すべ
てを千里眼で見抜くロザナンドは、反乱軍の誕生を阻止するために立ち上がる。
反乱の芽は五人。神官シェル、宮廷騎士ラーシュ、宮廷騎士ニクラス、宮廷女官アニタ、宮廷魔法使いディーサ。それぞれ魔王に叛逆する理由がある。それはもちろん、ロザナンドにも。
ロザナンドはある思惑のもと、戦少女と呼ばれる勇者ロレッタ・カルロッテ、黒魔術師イディ・オール、白魔術師アルト・ブリステン、従魔術師バート・ボー、魔法使いフローラ・レグルシュに接触する。
騎士長ユトリロとともに、人魔の破滅を回避するために駆け巡る。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-07 21:46:21
75096文字
会話率:62%
――これで、晴れて婚約できる
魔族史上初の二種の魔眼……左目に即死の魔眼を、右目に石化の魔眼を宿す魔王の一人娘「セリス」。
そんな彼女が暮らす魔族領は邪神復活をもくろむ旧人族の大国家「ヘルヘイム」の王によって、魔族とその他の種族に
よる戦争を強いられた。
しかし、当時の魔王と勇者はその戦争が不毛と和解し……ヘルヘイムの策略を暴き。魔王と勇者のタッグで黒幕を打倒する……。
時は流れ5年後……先の戦争で焦土と化した魔族領を捨て移住の先駆けとするべく、エルフ、ドワーフ、人族との融和的政略結婚が始まる。
その中でも勇者の住まう新国家「ラデンベルグ」では魔王の忘れ形見である魔族令嬢『セリス』と勇者『ヘイズ』による婚約が始まろうとしていたが、一つ問題があった。
――史上初の二種の魔眼を制御することができない。
5年をかけたこの全世界の政略結婚が迫る中、セリスは決断する。
「こうなったら頭を落とせば良いんだわ」
魔族最強の魔力で生命維持、侍女の千里眼と感覚共有を駆使してラデンベルグへを赴き……念願の勇者との感動の再会で。
「わが生涯……お前を一時も忘れたことは無い」
盛大な祝福に包まれるはず……はずだったのに。
「今日今こそ、お前と俺! どちらが生き残るか決着をつけよう!」
セリスは失恋したのだった。
失恋どころではなかった、それ以前の問題だった。
心が砕け散りそうな絶望の中、それでもセリスは魔族の為に再び立ち上がる。移住してくる魔族への偏見や差別を減らすために、知ってもらおう、知ろうと王都に相談事業所を開設。
フラレて泣いて、我儘自由な高飛車経営者に相談では無く調査を頼まれてピキッって、騎士団内の不可解な事件を紐解いて悲哀を噛み締め、子供の夢を微笑ましく見守る。
そんな彼女のささやかな願いは……今度こそ勇者に恋愛対象としてみてもらい結ばれる事。
朴念仁の脳筋勇者、移住を待つ魔族の皆の為、今日もセリスは身体一つ……ラデンベルグの片隅で迷いを抱える相談者と共に歩む。
後に勇者の伴侶として語り継がれる『首無し令嬢』セリスの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-06 10:00:00
52472文字
会話率:52%
特に秀でた事の無い第11王セルンは跡継ぎにも関係ないのでのびのびとスローライフを送っている。そんな中ギフト贈呈式で贈られたギフト「千里眼」は相手の心を読み、相手の魔力を使えるチート能力でスローライフは一変しどんどんと忙しくなっていく。デビル
と友達になったり、あらゆる事件、問題をチートギフトで解決していく爽快ストーリー折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-29 21:59:43
1514文字
会話率:45%
優秀な姉の聖女カレンと比べられ無能だと家族から言われ虐げられてきた主人公アイリは「千年に一人の聖女」として千里眼の能力を持つ王子マリスに婚約者として選ばれる。
しかしアイリは自分の何処にそんな凄い力があるのか疑問に思っていた。マリス王子に
自信を持つように言われるアイリだが、いつまでたっても千年に一人の聖女としての力を覚醒できないでいた。
アイリは思う。自分は姉カレンのように優秀な聖女だったらと。しかしカレンの思いは逆だったことに気付かなかった。
そんな中、姉が庶民に膨大に使った治癒魔法が原因で大きな病気をしたと聞いたアイリはマリス王子と一緒にカレンのところに行くことになる。
このお話の内容を分かりやすくするために姉カレン目線のお話も入れてあります。よろしくお願いいたします。ざまぁはありません。心暖まるお話だと思います。
去年、連載していた作品を短編として投稿しています。短編でもしっかりと完結するので最後までお付き合いよろしくお願いいたします。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-22 17:00:00
4247文字
会話率:60%
優秀な姉の聖女カレンと比べられ無能だと家族から言われ虐げられてきた主人公アイリは「千年に一人の聖女」として千里眼の能力を持つ王子マリスに婚約者として選ばれる。
しかしアイリは自分の何処にそんな凄い力があるのか疑問に思っていた。マリス王子に
自信を持つように言われるアイリだが、いつまでたっても千年に一人の聖女としての力を覚醒できないでいた。
アイリは思う。自分は姉カレンのように優秀な聖女だったらと。しかしカレンの思いは逆だったことに気付かなかった。
そんな中、姉が庶民に膨大に使った治癒魔法が原因で大きな病気をしたと聞いたアイリはマリス王子と一緒にカレンのところに行くことになる。
このお話の内容を分かりやすくするために姉カレン目線のお話も入れてあります。よろしくお願いいたします。ざまぁはありません。心暖まるお話だと思います。
2023年10月23日に第11回ネット小説大賞、一次選考を通過致しました。
運営の皆様、まことにありがとうございます。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-18 08:00:00
7049文字
会話率:55%
密室、消失、千里眼、物理、謎の手紙などからなる、5章の本格ミステリー。
第一章の舞台は平成ヒトケタの1995年冬。
防衛専門の武道の流派・夢現流の頭領である28代現一狼は、殺された人と殺した人の匂いがわかる20歳男子である。
ある朝、匂いに
つられてたどり着いた屋敷で、密室の中にある遺体を発見した。
犯人は匂いでわかるものの、密室の謎は解けないのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-07 00:00:00
129735文字
会話率:41%
普通の少女だった千里歩は、ある日突然千里眼の能力を手に入れることとなった。
普段はその能力を使って見た景色を描くという趣味に使っていたが、その事がとある組織にバレてしまった。
金庫の中だろうがシェルターの中だろうが、どんな場所であろうと自由
に除くことができる千里眼は、敵対する者にとって脅威でしかない。
そのため、千里眼を使うことができる少女を確保すべく動き出したのだが……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-25 21:04:23
103376文字
会話率:45%
病により15歳で人生を終えた少年は、ケモミミ吸血鬼少女ノーラ・ルワールに転生した。
新しい家族に愛されすくすくと成長していくノーラだったが、周りでは不穏な影が動き始めており――?
「大事な人の不幸な運命なんて認めません!」
これは、全
てを視ることができる魔眼を得た少女が大切な人たちを救うため運命に立ち向かうお話――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-15 19:48:36
16472文字
会話率:67%
学校帰り、AとBは不思議な光に手を伸ばし、異世界へと転落する。目が覚めるとAは一人ぼっちで転がっていた。彼に与えられた能力は、千里眼。
君を取り戻す、100年の旅が、今始まる
一年に一回くらい更新したいです。あと私は物書きではないので、
書きたい人が次の話書いてもいいです。というか書いてください折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-26 18:18:32
2630文字
会話率:0%
ある日、気付いたら、俺はイカレた爺さんの右目に転生していた。
しかも、この爺さんが作り出した、世にも珍しい人工鑑定眼らしい。
瞳孔には卍の文字が刻まれ、白目の部分にも複雑な魔法陣が刻まれてるんだぜ。
せめて、手足がある生き物に転生したか
った……
しかも、ジジイは、俺がマトモに鑑定できないと知ると、欠陥品だとか言って、俺を顔面からほじくり出し、瓶の中に永久保存。俺の異世界生活は、ずっと瓶の中かよ……
確かに、ジジイの事を『鼻毛ジジイ』とか鑑定して悪かったよ!
だけれども、俺、まともに鑑定出来ないんだぜ?思った事が、そのままステータス画面に表示されちゃったんだよ!それなのに……
それはそうとして、瓶の中で自分の能力を検証してたら、どうやら、俺は地球のインターネットを検索する能力があったようなのだ。
俺の鑑定能力は、地球のインターネットを見れる能力。宿主が何か知りたいと念じたら、俺が地球のインターネットで検索して教える感じな……ハイテクなのにローテクな感じって言ったら分かるかな?
俺が調べてやろうと思わなければ、宿主には何も分かんないんだよね。だって俺には意思があるから、宿主に検索結果を教えるかどうかは自由自在なのである。しかも、地球のインターネットで検索出来る事限定。この世界の事は、地球のインターネットに載ってないから検索できないんだよね……やっぱり、使えねー!
そんな、一生瓶の中から出られないかもと腐ってた俺に、ある日転機が訪れるのだ。
そう、俺の前に、黒耳族の奴隷の幼女クロメが、イカレジジイによって連れてこられたのだ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-02 13:00:00
25476文字
会話率:23%
「いざ、推して参る!!」
刀、魔力銃、千里眼。
多彩な武器を持った、最強の戦闘民族『シントウ』の落ちこぼれ、アイシェン・アンダードッグ。彼は最強の師匠、サンと共に里を飛び出し旅に出た。
旅の道中訪れた国にて、彼らは盗賊団が小さな村を襲って
いるのを目撃する。見逃せない、そんな理由で盗賊団を倒したアイシェンとサンだったが、そこで世界の裏側で暗躍する巨大な組織の話を耳にする。
「楽しませてくれた礼だ、仲間にでも何でもなってやろう」
――盗賊団の地下牢で出会った、500年を生きる『不老不死の邪竜』、ファフニール。
「取るに足らない人と思ったら、問答無用で見捨てるからね」
――戦闘民族『竜殺しの民』の生まれでありながら才能の全てを頭脳に費やした女、ジークフリート。
それぞれの思惑と目的を持った個性豊かな仲間たちと共に、世界を巻き込んだ戦いへと発展していく。
アイシェンたちを取り巻く神秘にまみれた運命の行方は――!!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-11-10 19:00:00
49714文字
会話率:48%
レンカは透視能力者。先祖代々、千里眼の魔女の血を引く家系の末裔だ。
五年前、レンカは両親が行方不明になる悪夢を見た。
レンカが助けにいかないと、父母が殺されてしまうという恐ろしい予知夢。二人は千里眼でも透視できない、どこかへ連れ去
られてしまったのだ。
そしてレンカは、真性の魔術師である祖父と一緒に旅に出た。『シャハロ魔術団』としてマジックショーを興行しながら、街から街へ、両親を探しながら……。
伝え聞いた話では、世界的な大恐慌のあと、あちこちの国で経済は悪化し、特にレンカの両親が行方不明になった国では治安が悪くなったそうだが、どこの街でもマジックショーは歓迎され、人々の暮らしは普通に見える。
なのに、どうしてレンカの両親はみつからないのだろう?
だが、本当は世界に危険が迫っていた。
レンカの両親が行方不明になったその国と周辺国では、やがて世界を巻き込む悪夢の大戦争を引き起こすための準備が、夜の向こう側で進められていたのだ……。
*****第二次世界大戦頃のヨーロッパをモデルにしたフィクションです。架空の地名が出てきます。歴史上の有名人を参考にしたキャラクターも出てきますが、すべて作者の想像です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-14 23:00:00
90557文字
会話率:24%
深い森の奥に一人の魔女が住んでいた。
魔女の名は、ジルルキンハイドラ。
その姿は幼女の姿をしているが、数百年の歳月を生き、その知識は海よりも深く、ありとあらゆる妙薬の知識をもっていた。
そして、遠くを見渡せる千里眼をもち、彼女の知らないこと
などこの世にはないとさえいわれている。
俗世を嫌い、一匹のペットと暮らしている。
ペットの名はトットルッチェ。
人語を解する稀有な黒いライオンである。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2023-10-05 19:19:10
117950文字
会話率:49%
それぞれ特殊な能力を持つ
3人の自分の冒険話。
この話は、昔の夢日記をもとに
Chat GPTに手伝ってもらって
完成させたショートストーリーです。
最終更新:2023-08-19 00:16:03
628文字
会話率:4%
ヴァレリア共和国には高い塔があり、その最上部で〈遠見〉と呼ばれる千里眼の者たちが長距離監視の務めを果たしていた。だが現在の〈遠見〉である少女レンにそのような力はない。他に適任者がいなかったため、お飾りとして据えられているだけだ。
だがレンに
は、物に宿った過去の記憶を視るという別の異能があった。この力によって彼女はヴァレリア共和国とニルバド皇国の対立に巻き込まれ、情勢の鍵を握る立場となっていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-10 23:03:01
100725文字
会話率:28%
自社製品の操作指導の為、モナハン刑務所に出向していた王立技研技術主任マッキー・クロムウェルは、千里眼鏡で施設監視 の任に就いている時、とある囚人の脱獄に遭遇した。それが、彼の人生を180度変えてしまう出来事となろうとは、この時、知る由もなか
った。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-20 10:00:00
7294文字
会話率:31%
白狼に育てられた盲目の狼少年はその白狼の死後人間の住む世界へ旅をする。
その旅の目的は見えない目の代わりに古の千里眼と言う魔法で世界を見る為。
旅先で出会ったのは娼婦として生きる女達とそれを支える泥棒の男…そして孤児達
泥棒家族の一員となったその狼少年は泥棒の手伝いをしながら人間の世界に慣れて行く。
しかしそんな生活の中で少しづつ魔王復活の兆しを感じ始めた。
魔女狩り…奴隷狩り…殺戮…どうしてそんなに人の命が失われて行くのか?
その真実を見る為に古の千里眼を求めて又旅に出る…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-05-17 05:00:00
215363文字
会話率:91%
ユーラシア大陸で初めて、異界に繋がるダンジョンゲートが現れるようになってから100年。
人々もダンジョンの魔獣たちに対抗するように、ギフトと呼ばれる特殊な能力を身につけるように進化していた。
特殊能力は、人間の力を補強するもの、千里眼
を授けるもの、傷や病気を癒やすもの、空を飛べるもの、身体を固くするものなど、基本的に人を強くし、生存に役立つものが多いのだが、そんな能力の中にも問題のあるものが混ざっていた。
それが『人外系能力』だ。ギフトの中には、人間の外見すら変えてしまう能力が存在したのである。
獣人族。悪魔族。有翼人。精霊族。そういった人々は『人外』と呼ばれ、一般の人々の差別され、仕事には付けなくなり、犯罪に手を染めることによって、やがては迫害されるようになっていった。
この物語の主人公である府中翔馬も、多くの人から後ろ指をさされ迫害を受ける、スキル社会の被害者の一人だったのである。
今日も俯きながら帰る彼は、まだ、自分が何者かに見られていることを知らない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-24 07:49:00
100696文字
会話率:39%
江戸中期の宝暦・明和年間。後に「明和三美人」と呼ばれるようになる笠森お仙・柳屋お藤・蔦屋お芳が千里眼(=彼岸識)を駆使して活躍するヒロイン譚。田沼意次・平賀源内・長谷川平蔵など史実の人物達との関りを通して江戸庶民の生活を描き、真の人の幸せ
を探求する。
三人は同い年。幼い頃に浅草寺で出会って古い石の祠を掘り出し、江戸の人々の幸せを祈った。数年後、三人は臨死体験の中で再会し、それぞれの千里眼を獲得し、お仙は過去・未来を読むことができ、お藤は自分の周囲の空間を俯瞰でき、お芳は人の心の声を聞けるようになる。
ある時、自分たちの千里眼が何なのか知りたいという思いから平賀源内を訪ねると、源内からは千里眼というよりもむしろ「彼岸識」と呼ぶ方が良いとの助言とともに、横浜村の称名寺の僧、高成に「唯識」について教えてもらえとのアドヴァイスを受ける。
若き長谷川平蔵を用心棒に雇い、称名寺に向かった三人は、自分たちの彼岸識の正体を知るり、その威力と精度とが大きく向上する。
江戸の町は泰平の中に数年の時が過ぎ、鈴木春信や他の絵師によって錦絵に描かれることで三人の人気が江戸で爆発し、小さな悲喜劇の中でみな成長する。しかし、実は徐々に不吉な予兆が現れ始めていたのだった。
何かが起きる予感はあってもそれが何か分からない焦燥感にとらわれた源内は、伊勢松坂に住む本居宣長に助言を求め、江戸の町を灰燼に帰す大火が迫っていることを悟る。未然に大火を防ごうと対策を講じるが、その因果は思いの他深く、ついに火は点いてしまった。
三人の彼岸識と人々の力で江戸の町を守ることは出来るのか。それぞれが死力を尽くして戦うが、火勢は衰えることがない。そしてついに、燃え盛る炎を前にお仙は最後の決断をする。だがその時、誰も予想もしなかった奇跡が起きる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-21 12:00:00
17661文字
会話率:33%