「ル―――――――――――ルルルルルルルルルルァ!! ヘーイ、センキュエビバディ!! ルックアットミーマイダイナマイトバディ!! ベリーナイスアンブレーラァ!!」
私――音に聞こえたド貧乏男爵家の娘、グレイス・リンプライトの実家は、代々積
み重なった借金によって家計は火の車。日夜食うや食わずの生活にウンザリしていた時に王都内で見つけた「お飾りの妻募集!」とのチラシに飛びつき、私は言われるがままホイホイとお飾りの妻として生きることを決める。しかもお飾りの妻を募集していた相手は、この国イチの金満家貴族家であり、美貌の若き当主として知られるアデル・メレディア伯爵であった。
顔の良さに似合わない、その生来の気弱さから女性が苦手なアデル様は、「早く来孫の顔を見せろ」とうるさいひいひいお祖母様からの圧力に屈し、愛のない偽りの結婚相手を探していたのだった。チラシで。
「一年後には子供が出来ないことを口実に離縁するから、それまでどうかお飾りの妻でいてくれ」と懇願してくるアデル様だったが、こちとら生来の貧乏人、底抜けの明るさとカネヅルを逃してなるものかの闘魂で、私はこの偽装契約結婚をどうにか本当の結婚ということにしてしまおうと画策するものの、顔以外は至って普通の人間であるアデル様は常に塩対応。お飾りの妻としてこちらを努めて無視しようとしてくるアデル様にブチギレた私は、遂にある日、妙案を思いつく。
「そうだ、どうせお飾りの妻というなら、着飾って着飾って死ぬほど着飾って、お飾りの妻である私を無視できないようにすればいいじゃない」と――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-22 12:10:00
51316文字
会話率:41%
芸術に造詣のあった北宋皇帝の徽宗が描いた「皇后の肖像」は、靖康の変で金朝に奪われてから長らく行方不明になっていた。
この幻の北宋画はイギリスの骨董市で発見された後に競売にかけられたのだが、落札者はアメリカの金融王の娘であるナタリー・ゴルドフ
ル嬢だった。
金にあかせて北宋画の所有権を手中に収めた彼女は、「自分が生きているうちは別荘の部屋に飾って非公開とし、死後は一緒に宇宙葬にする」と声明を出すのだった。
万民の共同財産であって然るべきはずの芸術を個人の意向で毀損しようという彼女の主張は、やがて物議を醸す事に…折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-31 04:49:55
996文字
会話率:16%
新月の闇夜を行く花嫁行列。恩ある商家のお嬢様桜蘭の身代わりに、花嫁を娶っては使い潰しているという良くない噂の金満家、耀源の元に嫁ぐ事になった雪花。雪花の身に不可解な出来事が次々と起こっていく。
【全4話 完結】
最終更新:2023-07-05 07:12:47
15650文字
会話率:46%
主人公はSF作家を夢見るサラリーマン。
相棒はメイドカフェの美しきメイド長。
この2人が秋葉原で起こる事件を次々と解決するオトナの、オトナによる、オトナのためのラノベ第96話です。
今回は、莫大な信託預金を狙い女ペテン師が金満家夫妻の娘
になりすましますが実の娘は夫妻に殺害されています。
女ペテン師は、正体を知られたコンビに夫妻の内偵を持ち掛けますが、逆になりすましを暴かれ逮捕されるのでした。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-10-04 19:55:15
13700文字
会話率:85%