二〇二二年の四月、この春大学生になった西谷百合絵(にしやゆりえ)は、新しいキャンパスライフに心を踊らせていた。それは高校の時に家庭科部で出会った親友――神宮真妃(じんぐうまき)と同じ学校、そして同じ学部になったからだった。
これで何とか
ボッチにはならずに済む。そう考え安堵しながら臨んだオリエンテーション兼クラスメイトとの顔合わせでは、彼女と真妃以外の女子はみんな揃って没個性な人たちだった。
こんな女子たちとは気が合いそうにないな。そう思った百合絵は真妃と二人きりで新しい学校生活を堪能することにした。
そんな時だった。クラスメイトのド派手な女子――小竹五葉(こたけいつは)が、自分好みの変わり者だということで百合絵と真妃に対して異様に接触してくるようになった。
「最低な奴!」
憤慨していた百合絵だったが真妃の方はというと五葉とは何かと気が合うみたいだった。結果、百合絵は仕方なく五葉も入れた三人で一緒に行動するようになった。
それから数週間ほどが経った四月の終わりのある日のことだった。五葉は何かと百合絵に対し恋愛はしないのかと勧めてくるのだった。百合絵は大学受験前の冬に経験した恋愛や友人間で起こった事件に関する嫌な記憶を思い出し遠慮するが、五葉はそれでもなおしつこく勧めてくるのだった。
しびれを切らした百合絵は五葉に対し、「あなた自身が恋愛にいそしんだら?」と提案するが、どうやら五葉の方はすでに自分がモテモテで需要がある身分だと自覚しているようだった。
なんという自信家……。唖然としていた百合絵だったが、どうやら五葉は本当に小学校時代に最高三人の男の子友達と付き合っていたという経験があるみたいだった。
そして、五葉の小学校時代の思い出話を聞かされた百合絵だったのだが……、それを聞いた百合絵は五葉の過去に対しちょっとした違和感を感じてしまったのだった。
とある大学生の日常生活とクラスメイトの小学校時代の思い出を描いたお話。ド派手なクラスメイトの女子――小竹五葉の秘密とは? そして、六月になった今、百合絵が思い悩み絶望しているそのわけは?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-18 21:00:00
27809文字
会話率:56%
*このお話は~直通運転編③~の続きとなっております。よろしければ、~直通運転編③~の方もご覧ください。
二〇二一年、神奈川県の閑静な住宅街に住む高校三年生の西谷百合絵は、今年大学受験を控えていた。お騒がせなウイルスの影響や伸び悩む成績の
こともあり、彼女はまた大変な高校生活を送っていた。二年生の頃から付き合い始めた新しいパートナー――的場萌花とも三年一学期の途中で別れてしまい、彼女にはもう受験勉強と大学受験いう目の前のつらい現実しか残っていなかった。
二学期が始まって数日後、幼馴染でクラスメイト――寒川琴乃の違和感に気づいた。気になって仕方がなかった百合絵は出来心により琴乃の荷物を勝手にあさってしまいそれが仇となり唯一無二の気が置けないクラスメイト、そして友達を失ってしまった。
もはやこのクラスに一緒に居てくれる人は誰もいない。つらく思い悩んでいた百合絵はとうとう鉄道ヲタクの秦野宏明と昼休みを共にしてしまう。幸い秦野は百合絵の他クラスの友達――神宮真妃の彼氏ということもあり観察対象という意味でちょうどよかった。しかし、百合絵には腑に落ちないことがあった。
「どうして何も共通点のない秦野と真妃ちゃんがこんなにもラブラブなの?」
ある日、一年生の頃のクラスメイト――舟渡啓介との偶然の再開によりなんとか琴乃と仲直りするきっかけをつかんだ百合絵だったが、琴乃は「舟渡が受験する慶應か早稲田に合格しなければ来年四月から絶交する」という無茶苦茶な条件を突き出してくるのだった。
「琴姉のバカッ! できっこない条件つけてくるなんて……。ほんと、最低っ!」
とある私鉄沿線に住む高校三年生の女子高生の日常を描いたお話。彼女の大学受験の結末は? そして、秦野と真妃のカップルの秘密と、あのとき琴乃から感じた違和感の秘密とは?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-03-26 21:35:08
117712文字
会話率:53%
二〇二一年、神奈川県の閑静な住宅街に住む高校三年生の西谷百合絵は、今年大学受験を控えていた。新型コロナウイルスの影響もあり、彼女もまた大変な高校生活を送っていた。けれどもそんなことなどお構いなし。二年生の頃から付き合い始めた新しいパートナ
ー――的場萌花との甘く幸せな日々を堪能していた。
そして彼女のクラス――三年B組にはもう一つ、注目すべきカップルがいた。鉄道ヲタクの秦野宏明と、彼女が一年生の頃から所属していた家庭科部で出会った三年D組の友達――神宮真妃のカップルだった。彼らもまた甘く幸せそうな毎日を送っている。そしてその姿を見ては毎度毎度不機嫌になってしまう彼女の幼馴染でクラスメイト――寒川琴乃を見ては対応に追われあきれるばかりであった。
そんな日々が数ヶ月続いたある日、彼女はだんだんと萌花の異変を感じる。なぜだか知らないけれど冷たくなっていく萌花の対応。そしてついに、放課後の二人だけの勉強会もLINEの返事もとうとう途絶えてしまった。いても立ってもいられなくなってしまった彼女は萌花のクラス――三年A組に行き理由を問い詰めるも、さらに状況は悪化していくばかり。そしてとうとう萌花の友達からA組出禁を命じられてしまうのだった。
「萌花……、ぐすん。なんで……、なんでなのよ……」
とある私鉄沿線に住む高校三年生の女子高生の日常を描いたお話。彼女の新しいパートナー――萌花との恋の結末は? そして、萌花の態度が変わってしまった理由とは?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-03-26 21:30:10
118682文字
会話率:55%
結界に囲まれた不思議な世界にある、魔法の森と呼ばれる深い森の中に存在する場違いな巨大なターミナル駅・・・
その駅の駅長がたまたま訪ねてきたお客に暇潰しと称し語るこの駅の誕生から現在までの歴史・・・
その歴史は、この世界の住人達を巻き込んだド
タバタ劇の連続だった。
この作品は、東方プロジェクトの二次創作作品です。独自解釈や設定があります。ま た、オリジナルキャラクターが多数出るので、苦手な方は注意してください。
また、この作品は、オリジナル作品の「暗黒武装鉄道結社シュバルツァークロイツ」と「TYPE KIHA 8500 SnowExpress」の世界の住人の視点で幻想境を描いています。こういった趣旨の作品が苦手な方は合わせてご注意ください。
※うっかり管理キーワードをいれ忘れていたので再投稿しました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-01-31 15:50:07
3221文字
会話率:14%