空に高天が原の浮かぶ神代。
尾ひれの生える海人族の島、巳の国の人々は海の芥と呼ばれる化け物の脅威にさらされながらも、かがり火のなかで細々と暮らしていた。
島には稀代と謳われる巫女がいる。
豊巫女、チセだ。
チセは尾ひれが生えない代わりに祖神
をおろせた。
海の芥の駆除にあらゆる手を尽くしてきたチセは、二〇歳の春。後継者づくりのため審神者のタオと夫婦になった。タオの真っ直ぐな愛にチセは束の間しあわせを感じていたが、その夜。
ほんの少しの留守の間に芥に襲われ、島が滅んでしまった。
チセが芥を引き寄せたのだと、怨んだタオに自身も殺されてしまう。
次に目を覚ましたチセは巫女になる前の過去へ戻っていた。
その代償にチセは祖神をおろせなくなったが、尾ひれがはえるようになる。泳ぐ喜びを知ったチセは次こそ海の芥を滅ぼし、島を護ることを誓うのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-27 12:00:00
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会話率:47%