ガン(悪性新生物)。それは日本人の死亡原因のトップを独走する死因である。本編の主人公、後野悠平(ごのゆうへい)は36歳の働き盛りの年齢であったが、妻美代子31歳が初めて懐妊する2ヶ月前に余命2年の宣告を受けていた。
悠平は仕事も辞めて自
暴自棄になっていた。そんな悠平に妻美代子は、まだ顔も知らない我が子の為に一日一枚の手紙を書く事を勧める。
初めは、何を書いて良いか分からなかった悠平であったが、書いて行く内にどんどん気持ちを表現するのが上手くなり、次第に体調により、手紙を書き進める。
悠平は胃ガンを患っていた為、若い事でガンの進行速度は早かった。日々の悠平の様子、そして毎日近付いてくる死への恐怖と戦いながら、妻美代子と共に幸せな最期を過ごそうとする姿を描いた感動のフィクションが静かに幕を開ける。異変はいつものキッチンで起きた。それに気付いた妻美代子は、救急車を手配する。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-04 12:15:18
12548文字
会話率:8%
青春時代を共に過ごした彼女に瓜二つの人と最終電車の改札口で擦れ違った私は、暗い地下を走る電車の心地良い震動と響きが心身の疲れを癒してくれたのか、そのまま地下鉄電車内の座席に寄り掛かりながら深い眠りに落ち、30年前の学生時代にタイムスリップし
てしまったのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-03-11 20:00:00
32634文字
会話率:52%