ライブが終わり、冬の夜の街へ出た。
鼓膜にはまだベースの残響が揺れている──でも、それより先に耳に届いたのは、遠くで鳴る「破裂音」だった。
銃声。
それでも誰も驚かない。
路上の血を避け、死体を跨いで、誰かがパンを買う。
世界はもう、死を日
常に変えてしまった。
レイ・スミスは、恋人ロイと肩を並べて歩きながら、音の消えた街の“死に方”を見つめていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-22 02:55:08
1384文字
会話率:27%
奇妙な法廷劇が幕を開ける。名前も住所も型破り、開廷直後から放たれる爆発的な発言の数々に、裁判所の空気は一変。
侮辱、混乱、そしてまさかの「クソデカボイス」が法廷を支配し、弁護士の鼓膜までもが犠牲になる。
だがその混沌の中で、彼の中には確か
に「なにか」が揺れはじめていた──。
被告人としての言葉、そして“人としての声”は、誰に届くのか?
法廷が静まったとき、物語は想像の先へ転がり出す。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-15 02:18:23
4923文字
会話率:62%
ある朝、冴えない少年「堀島朔良」は早く目を覚ました。
憂鬱な日々をどうにか脱したい、そう少年は考えつつも、結局体が動くことはなかった。
今朝は珍しく足取りが軽く、駅の周辺まで足を運んだが……
いきなり、雷に打たれたかのような衝撃が走った。
頭から全身を駆け巡る痛みに悶え、しばらくうずくまっていると、一つの「違和感」に気がついた。
音が無い。
喧騒が、足音が、本来あるはずの音が、一つも無い。
鼓膜が破れた?否、小鳥のさえずり、自らの苦しむ声は嫌と言うほど耳に入ってくる。
少年は、恐る恐る目を開けた。
人が、動いていない。
確かに脱した、憂鬱な日々から。
だが、変わったのは世界の方だったようだ。
※なろう、カクヨム同時投稿作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-13 18:00:00
9178文字
会話率:48%
あはっ—
エンピツを思い切り鼓膜に差し込んだ。
何度も—
何度も何度も—
好奇心には勝てなかった。
人生2度目の卒業式。
その瞬間に目が釘付けになって、体が無くなったみたいに動けなかった。
私には理解できない。だってそうで
しょう?悲鳴を上げて…ううん。笑いながら叫んでる。
黒板を爪が剥がれる勢いで引っ掻くような、本能が忌避する叫び声が、耳の奥まで響いてくる。残響が中にへばりついて、もう何をしても無駄。
不快なんてものじゃない。
身悶えが止まらない。
思わず耳を塞いで押さえつけて。
それで治るわけないのに。
だから、両耳を手で覆って、中指で中を掻き回して神経を探すの。
叫び声も自分のだって気づいてないのかしら。
コレで悦ぶとかニンゲンじゃぁない。
クチュ—
みぃつけぇたぁぁ。
「—これが彼女に提出してもらった演技テストの映像です。どうですかね。卒業できそうですか?」
「いやぁ…。卒業…ったって。ねぇ?こんなおっかない演技見たことないよ。というか〜、この映像…本物?」
「というと?」
「コレ、本当にヤッちゃってない?演技じゃなくて…」
「い、いやぁ〜。ニンゲン卒業しちゃってる演技力ですよね〜」
校長は怖くなったらしく、さっさと卒業してもらうことにしたみたいだ。正直、俺もちびったさ。代行業者が来て、校長の秘書からの辞表と一緒に—
エンピツが送られてきたから—折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-21 20:48:37
611文字
会話率:23%
天条悠人は、これまで幾度も世界を救ってきた少年である。
同時に数々の女性も救い、彼女たちに惚れられてきたが、その全ての思いに気付いていない鈍感であった。
鈍感だけならまだしも、彼に想いを伝えようとすると不思議な力でも働いたかの如くあらゆるト
ラブルが発生して邪魔される。
そんな状況を打破すべく、彼に想いを寄せる三人の少女が立ち上がった。
悠人の幼馴染にして現実をも侵食する程の幻術を操る異能力者、空井凜花。
悠人の級友にしてほとんど無限とも言える距離を自在に行き来する空間使い、出雲亜衣。
宇宙を統べる帝国の王女にしてエースパイロットでもあるミコ・プリンセス・ユニヴァース。
数多の戦場を悠人と共に乗り越えてきた歴戦の戦士でもある彼女たちが、彼に想いを伝えるべく奔走する。
誰にも邪魔されない宇宙空間で告白する、空気を操って鼓膜を震わせる、脳内に直接語りかける、etcetcetc。
これまでの戦いで培ってきた、全ての能力・人脈・発想を用いて。
世界を救うよりもよほど難易度の高い、負けられない戦いが始まるのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-19 18:16:40
90952文字
会話率:45%
『三番線、まもなく扉閉まりまーす。駆け込み乗車はおやめくださーい。はーい閉まりまーす』
「はぁはぁはぁ、ふぅ……あ」
その車両に乗り込んだ瞬間。おれは時間が止まったように感じた。針のような視線を突き付けられ、呼吸をすることさえも頭の
中から消え失せた。
そして電車のドアが閉まり、動き出そうとした瞬間。全ての楽器が音を外した最悪の演奏会のような不快な悲鳴が、おれの鼓膜を引っ掻いた。
おれがそのショックと電車の揺れでよろめき、反射的に手を伸ばすと女たちは、まるで保菌者かゾンビと相対したかのように、さらなる悲鳴とそしていやに尖ったヒールを履いた足で、おれに蹴りを放った。まるで足元をゴキブリが駆けまわっているかのように喚きながら足を上げ、倒れたおれに向かって執拗に振り下ろす。おれは堪らず亀のように体を丸め目を閉じた。
「おやめ!」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-12 11:00:00
4023文字
会話率:63%
ある夏の朝、僕は家を出て仕事に向かった。駅に向かって急いで走っていたその時だった。入道雲がものすごい勢いで形を変えていく。鼓膜を破るほどの轟音が耳に突き刺さり、周りの人々が耳を抑える。僕は自分の目を疑った。入道雲の隙間から見えたのは巨大なミ
サイルのようなものだった。僕は命の危険を感じた。走馬灯さえ見た気がする。ただ、そんなことよりも、僕はただ走っっていた。近くにあったシェルターに僕は間一髪飛び込んだ。ドーン、と大きな音を立て、シェルターの窓は砂埃に覆われ、景色は無と化した。耳鳴りがする。頭が痛い。僕の意識はゆっくりと遠ざかっていった。
これは平凡だった僕がこの世界の謎を解く物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-14 22:52:32
5694文字
会話率:54%
影山純太。彼は重度の根暗だ。
学校では友達が一人もいないし、昼飯はいつもボッチ飯。
だが、そんな彼にも一つだけ長所があった。
それは«声がイケメン»ということだ。
ブサイク寄りの冴えない影山でもマスクと髪さえセットすればイケメンになれる。
身バレ防止だったマスクは、次第に己の欲へと変化する。
イケボな声と隠された口元。盲目状態となったお花畑の女子達は、目元だけで影山の容姿がイケメンだと熱をあげる。
俺はオフパコなんて絶対にしない。
それが学年一可愛くて、生意気な美園花恋(みその かれん)がオフ会に参加していてもーー折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-27 02:30:27
94747文字
会話率:49%
帝国の最精鋭部隊「ミムヤ」に所属し、”水氷の皇女”として周辺諸国にも名を轟かしてた少女。
しかし、「もうやってらんねー!」と部隊を脱走し、辺境の森に引きこもる。
彼女はひょんなことからペットもできて悠々自適に引きこもりライフを過ごしてい
た。
しかし、そんな自堕落少女に、世の中の影は音もなく徐々に迫り
――ケケケケケッケ
気味の悪い笑い声が彼女の鼓膜を揺らした。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-30 19:02:26
168274文字
会話率:25%
終わりが、近いと感じれば。
交わす言葉にさえ、その前兆は、ありありと。
そのときがくるのは、もうさけられないのかもしれない。
でも、もう一度。
ちゃんと声を、聴かせてほしい。
最終更新:2022-09-06 07:00:00
507文字
会話率:0%
君の声を聞くと、心の中に春風が吹き渡る。陽だまりのような暖かい音符が鼓膜を跳びはね、陽気な嵐を巻き起こす。伝えたい言葉を書き連ねた原稿用紙の束は、全て地平線の彼方まで飛んで見えなくなってゆく。だから僕はありきたりな挨拶で繋がることしかでき
ない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-02 21:04:46
500文字
会話率:13%
市川美空は、二十九歳の誕生日一か月前にすべてを失った。
恋人、友人、仕事での地位、プライド……
失う時は一瞬。
ただ、幸せになりたいって思っていただけなのに。
何がいけなかったのだろう?
答えはなく、自問自答も諦めていた誕生日当日。
美
空は、道端で蹲る男と出会った。
最初は恐怖を感じていた美空だったが、立ち上がった男の顔に一瞬で心を奪われてしまった。
絵に描いたような美しい顔立ち。
「俺が……見えるの?」
その声は心地良く鼓膜を揺らす。
しかし、その姿と声は、美空を悲劇へ誘う死神だった。
「俺が見えるってことは、次は君を殺さなきゃならないんだな」
すべてを失ったアラサー女子は、イケメン死神から逃れることができるのか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-24 00:24:15
31251文字
会話率:39%
この作品はpixivにも同じタイトル、同じ作者名で掲載しています。
最終更新:2021-07-03 19:22:41
1049文字
会話率:58%
ある休日の朝、主人公の木堂瑞葉が気持ちよく眠っていると鼓膜に触れるだけで不愉快になるような甲高い声で起こしに来たのは金髪の美形、速水火虎だった。
この2人の出会いとは。今後2人はどうなっていくのか。
最終更新:2020-12-16 09:35:17
1031文字
会話率:46%
『Another world』
ある日の朝、不思議な現象により、園児の追突事故を未然に防ぐ事ができた高校生。
縁咲坂高校一年B組 高田 涙久《たかだ しずく》
同時刻、登校中に悲惨な事故を目撃した高校生。
縁咲坂高校一年B組 真白 結意 《
ましろ ゆい》
春風そよぐある朝、柏木幼稚園前の交差点にて、
一人の園児と平凡な男子高校生は、短いくだりの挨拶を交わす。手を振り、その場を後にする二人。が、突如
男子高校生の背後から轟音が響いた。
居眠り運転手を乗せた一台のトラックが、道路の白線を渡ろうとしている児童目掛け、猪突猛進で迫ってきたのである。咄嗟の判断で、救助を試みる。その判断は、
決して間違ってはいなかった。
しかし、運命というものは変えられない。
その場から鈍く重たい振動が鼓膜を高揚した。
そう、衝突事故だ。
男子高校生は、急いで救急車の要請を行う。
その間、彼は園児のそばで後悔の念を押し殺しつつ、
束の間の沈黙を過ごした。
救急車が駆けつけ、男子高校生は医師に状態を尋ねた。医師の判断は「死」だった。
彼は、その場で膝から崩れ落ちた。
後悔、自己に対する憤怒、遺憾、それだけが頭を埋め尽くした。
ーーー「えんがちょ」ーーー
その声は、何処からともなく彼の鼓膜を貫いた。
そして、その声が響くと共に、彼の意識は、揺らぐ背景と放射する光と共に飛び立った。
降り立った先は……
彼は、辺りを見渡す。そして驚嘆した。何故か。
それは、直前にこの世から他界したはずの園児が
いたからである。彼の口から、無茶苦茶な一言が溢れた。
「これはまるで、事故から五秒前の世界じゃないか」
現実社会では考えられない不思議な力。
それは、結意の先祖、古くから語り継がれてきた禁句《タブー》。
禁句《タブー》を使い、未来を変えようとする二人。
果たしてその行為は、いいや、その恋は正しかったの
だろうか。
一人の男子高校生と、一人の女子高校生が奇妙な「力」により結び合うまでの一つの物語。
頑張って、ランキング載って有名になれたらと思います!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-01-18 18:40:19
1567文字
会話率:4%
まじで突き刺さる鼓膜の。
最終更新:2019-11-06 19:33:43
241文字
会話率:0%
【matatakiシリーズ】好きな子が図書館に行くと耳にして、柄にもなく一年ぶりに行ってみることにした少年の話
最終更新:2019-08-10 09:36:47
1603文字
会話率:5%
月を見ていた。
僕は、綺麗な満月を見ていた。
夜空に散りばめられた星々の中で、もっとも大きな星。もっとも大きく見える星。僕は、無心に月を眺めていた。
その時、聞き覚えのない声が、僕の鼓膜を叩いたんだ。
「何をしているの?」
古い家の窓辺に腕
を置いて、僕を眺めていた一人の女の子。柔らかい微笑が印象的な女の子だった。
……
月下に咲いた少女と少年の邂逅の物語。小さな恋の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-07-24 20:00:00
9567文字
会話率:32%
鼓膜に残る音は消えない。
最終更新:2018-02-21 21:09:52
4663文字
会話率:34%
聞こえなくても聞こえる音がある
文字とは一つの方法
鼓膜を介さずに内部へ言葉を届けるための方法
わたしたちはフィルターとして受け取り
そして言葉を解き放つ
最終更新:2018-02-16 00:46:05
4733文字
会話率:0%