六年前、世界は光に満ちた。だが魔王を討伐したことで取り戻した色彩は、徐々に色褪せていき、元の薄暗く灰色の世界に戻っていく。魔王が復活したのだと噂され、人々は一度見た青い空を求めて魔王の討伐に向かっていた。
一方で、魔王の城に入り込んだ
フィランダーが見たのは、魔王とは名ばかりの普通の若者だった。何の力も持たない彼は、勇者たちからは狙われ、魔王の城を守る魔獣にも襲われ、城から逃げることもできない。眠ってしまうと、城の奥底にある石棺に転送されるという厄介な性質だけを与えられた魔王は、今日も魔王の城の道案内をして食費を稼ぐ。
「右手に見えますのが、魔王の城でございまーす」
「……可哀想だな、魔王」
呪われた魔王は温かいベッドで目覚めることができ、そして世界は色を取り戻すことができるのか。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 06:28:59
73286文字
会話率:58%
1万とんで14歳の誕生日、魔王は原因不明の病で倒れてしまった。将軍たちは魔王の病を治すため、万能の霊薬『太陽の花』を探す旅に出る。また一方、魔王を守るために城に残る魔物もいた。これは、侵入者から魔王を守り、魔王の目覚めをじっと待つ、忠義篤き
衛兵の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-11-12 23:50:57
34912文字
会話率:40%