俺は17才にしてSランク冒険者に上り詰めた。そしてすぐ聖剣の儀を受ける事になる。聖剣に選ばれれば、勇者に認定される。だが俺は4本ある聖剣に選ばれなかった。「あの隅にある黒い剣はなんだ?」「あ、あれは魔剣でございます!近づくのは危険!お、お待
ちを!」魔剣を掴むと、魔剣の記憶が流れ込む。エルフとして迫害された聖女。聖剣に選ばれ、強引に瘴気を溜め込む魔法陣を使われ魔剣化する悲しい記憶。魔剣と契約すれば国に居られないだろう。関係ない!俺は魔剣の持ち主となり国を追放された。辺境の地で魔剣の瘴気を惜しみなく使い、自らが瘴気に蝕まれながら戦う。腹が減れば魔物の肉を食らい、眠くなれば状態異常解除の魔法で眠気を覚ます。魔剣が聖剣化するころには俺の記憶が欠けていた。目の前にいるきれいな女性が俺を抱きしめる。抱きしめた女性の名前が出てこない。俺はうなるように泣き、女性が俺を抱きしめる。これは絶望から始まるハッピーエンドのお話です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-11-07 11:19:32
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