ノルドがシシルナ島へ渡ったのは、わずか二歳のとき。
母・セラの腕に抱かれ、追っ手から逃れたどり着いた。
逃避行は凄惨を極めた。
彼は片腕が上がらず、片足を引きずり、片目を失うほどの深手を負う。
セラもまた、毒の呪詛を全身に浴び、
その痕は顔から全身に刻まれた。
彼女は頭をスカーフで隠し、親子は人目を避け、島の片隅でひっそりと生きていた。
ノルドはやがて森で魔兎を狩り、職業「薬師」となり活躍を始める。
ある日、森で出会った大魔熊に襲われていたのは、牙狼の子―ヴァル。
ノルドはその命を救うため、「命の盟約」を結ぶ。
ヴァルはそれ以来、彼の誠実な相棒となった。
島に強盗団が上陸したとある日。
隠れ家を発見し対決したのは、ノルドだ。
ヴァルの鋭い嗅覚が、警備隊の中に潜んでいた裏切り者を暴く。
セラ親子の戦いぶりは、島主の心に深く刻まれた。
別のある日、ノルドは島主の依頼でゴブリンの群れを退ける。
――そして、祝祭。
聖女ネフェルが、妹アマリのいる治療所を訪れ、シシルナ島の民衆の前に降臨する。だがその影で、冷たい殺意が蠢いていた。
聖女暗殺を謀る者たちが島に潜入。
彼らの刃がセラを襲い、母は瀕死の重体に陥った。
ノルドは怒りを胸に、島民とともに刺客たちを追い詰め、ついにその首魁を討ち果たす。
その後、魔物に囚われていた妖精・ビュアンを救い、彼女と友を結んだ。風のように気まぐれで自由なビュアンとの出会い。
けれど、母を蝕む毒はただの毒ではなかった。
それは「呪いの毒」。時間とともに命を削る、見えない刃。
薬師として腕を磨き、自身の傷を癒したノルドでさえ、その呪いをまだ治せなかった。
シシルナ島には、天才医師サルサが営む療養所がある。
彼女は静かに首を振った。
「この病は、治せぬ。だが―止めることはできる」
母を託したノルドは、薬師としての道を歩み続ける。
けれどその胸には、母を苦しめる呪いを放った者への、静かな、けれど消せぬ憎しみがあった。そしてノルドは、神託を待つようになる。
―そして、示されたジョブは。
「荷運び人」だった。
それは、彼が心に秘めていた願い――「報復」とは、あまりにかけ離れた力だった。
そんな彼に、「貴族と共にダンジョンを制覇して欲しい」との島主からの依頼が来る。その貴族の持つ剣は……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-12 20:10:20
56895文字
会話率:39%
人間、魔族や魔物など様々な種族が共存し、誰もが皆、精霊によって魔法を扱える世界で……唯一、魔法を扱うことができないために"異端"や"無能"だと言われて試行錯誤しながら前向きに頑張る主人公・エルーナと……うさぎの姿をした訳ありの魔族・クロが出
会い、冷酷冷淡な魔王の子や魔族たちの生き方を変えていく。
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ファンタジー×異種間交流×愛と勇気と冒険(?)と平和と成長折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-04-07 15:56:55
40293文字
会話率:39%
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だが、それだけならこの世界ではさほど珍しいことではない
。リューマはその【鑑定】スキルとは別にユニークスキルとして【|技能交換《スキルトレード》】というスキルを持っていた。
スキル同士を交換できるこのスキルを使って辺境で冒険者を目指すことにしたリューマは猫人族の幼馴染、もふもふな魔兎、スライムなどを仲間に加えつつ、その力でやがて辺境で名を上げていく。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-06-29 01:33:19
316191文字
会話率:55%
何処にでも居る社会人の天宮 蓮《あまみや れん》は、後輩を助けるために、死んでしまった。
そして、目覚めたら最弱モンスターのスライムに転生してしまっていた。
鑑定スキルとスライムの能力で生き残れ!!
※作者は未熟者な上に生まれてはじめての
作品です。
温かく見守ってください。
誤字、脱字等ありましたらご連絡下さい。
不定期です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-06-18 15:00:00
43027文字
会話率:15%