登場人物
大宮冬華(おおみやとうか) 主人公
妙海桜那(たえみるな) メインヒロイン
織田桐紅葉(おだぎりくれは) 妙海桜那と個人でルームシェアをしている
当主人公、大宮冬華(以下、冬華)は
、例えるなら『生卵』だ。否、『半熟卵』かもしれない。
彼女の脳内辞書には、『青春』の二文字は存在せず、自分が送る学園生活に『青春することって何かの宗教なの? 政治団体なの? それとも野生の本能かなんかなの?』と、自分が青春をしないことに何の意義も感じていないのだ。
……というのも、冬華は所謂『自由人』で、何かを強制されることをひどく拒む。
その性格のせいからか、他社に興味を向けることがなく、消極的、優柔不断、自己中心的で、まるで『まだまだ熟していない卵』の半熟特有のとろみような中途半端さを持っている。
それ故冬華は中学受験の際、高校についてあまり深く考えていなかったため親が勧めた黒楊(こくよう)女子高等学校に不本意ながらも入学し、それに伴って大宮家総出で引っ越すことになった。
織田桐紅葉(以下、紅葉)も黒楊高校へ入学を果たし、冬華と同じクラスになる。
特に興味を持ったわけでもないのに冬華に執着する紅葉を煩わしく思う傍ら、紅葉から同じルームシェア中の妙海桜那(以下、桜那)を別段訳もなしに紹介される。
そこで冬華は人生初めての体験をする。
冬華は徐々に桜那に溺れてしまう。
少しずつ、桜那との距離を縮めようとする冬華だが、桜那のことを知りすぎてしまったために桜那と紅葉が両想いであると知る。
それでも告白するが、紅葉に邪魔される挙句、桜那にも断られてしまう。
――――初めて感じた恋心も呆気なく破られ、絶大な虚脱感と壮大な虚無感だけが後味となり立ち直ることは冬華にとって容易ではなかった。
どうしても立ち直れない冬華だったが、ある日夢の中で小さな結晶を見る。
その結晶は冬華に無条件で世界を作り替えすことができるという。――――冬華の死によって。
それと同期、桜那にも異変が起きる。――――否、紅葉に起きる。
突如として紅葉が消えたことを知り冬華は桜那の元へ向かったところ、クラクションが鳴り響く中、桜那は道路の中央にいた。
冬華の足は無意識に桜那の元へと動き出す――――
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-04-30 02:55:44
3418文字
会話率:15%
*この作品は「彼女のくれたしゅうまつ」の続きのお話となっています。
左腕のない少女、幡宮 千紗は、自分のことを本当に大切にしてくれる吉野 翔太郎と友達になってから、吉野と一緒に遊んだり話したりして、学校や週末をとても楽しく過ごしていた。
少しずつお互いを異性として意識していったり、また妹との再会という嬉しい出来事もあったりと、少し前に比べたらとても充実した生活を送っていた。
しかし、そんな幡宮にまたしても悲運が訪れる。
左腕のない少女が、周囲に頼ること、支えられること、支え合うことを覚えながら成長していく物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-10-11 19:00:00
82816文字
会話率:44%
目立つことを嫌い、目立たないように学校生活を送ってきた高校三年生の吉野 翔太郎は、ある偶然から、左腕のない少女、幡宮 千紗と共に週末を過ごすようになる。自分とは考え方が全く違う幡宮とのふれあいから、少しずつ人とのかかわりや「障害」に対する考
えを得ていく吉野は、しだいに彼女との週末を楽しむようになっていった。
しかし、あることをきっかけに、その週末は終わりを迎えることになる……。
ハンデを抱えて生きる少女と、他人に心を委ねられない少年との、交流の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-09-15 22:54:51
53948文字
会話率:39%