名家に生まれたフェリシアと、戦地に生きた将軍ソール。
形式だけの結婚生活、すれ違いの年月、そして――離婚届。
感情を押し殺し、矜持で涙を堪え、言葉を選び続けた女。
国を背負い、勝利の報せに浮かれても、何も守れなかった男。
これは、愛を語
れなかったふたりが、言葉ではなく沈黙ですべてを伝え合うまでの十二章。
大きな劇も、大団円もない。
それでも、誰かを想い続ける物語は、いつも静かに始まる。
再婚愛。
誇り高き大人の女と、不器用な将軍の、静かで切ない恋。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 22:02:34
11927文字
会話率:11%
婚礼初夜、夫の第一声はこうだった――
「君を愛することはない」
冷たく言い放ったのは、真面目で堅物な子爵・カミル。愛人の存在すら隠さず、妻を“温室育ちの飾り”と断じた彼に、侯爵令嬢ユリシアはにっこりと笑って応じた。
「まあ、ご期待通り
の“ざまぁ”をご所望ですのね?」
こうして始まったのは、冷遇された花嫁による華麗なる逆転劇。
家の財政を立て直し、社交界に旋風を巻き起こし、旦那様を“跪かせるまで”のざまぁをお届けします。
しかし、次第に変わっていく旦那様の態度と、真摯な言葉。
ざまぁの終わりに訪れるのは、破滅か、溺愛か?
「愛していると仰るなら、まずは行動で示していただきませんと」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-23 17:10:00
16081文字
会話率:56%