※ 語り手の『わたし』(と『あなた))の正体が徐々に明らかになっていくというお話です。
気付いたら、わたしはあなたを見つめて恋に落ちている。雉猫に導かれてのことだった。駅のホームでわたしはロックバンド・ヴォーカルのお姉さんを口説く新入り
のギタリストの声を聞き、お姉さんの心の中を読んでいる。それはわたしの錯覚かもしれなかったが、あのとき二人のキューピッドになれなかったことをわたしはとても悔やんでいる。けれどもあの雉猫がきっとあのときのわたしなのだから躊躇なくわたしをあなたに出会わせてくれたのだろうとは確信している。
高校二年生のわたしには巨人を確認する趣味がある。
わたしの傍らにはときどき幽霊がいるが、もちろんそれが本物かどうかはわからない。幽霊の見つけたわたし好みのオジサンとPortmeirionで愛を交わす妄想からわたしが戻ると雲の隙間から巨大な目玉がニュッと浮き出してわたしのことをじっと見る。神、そらに知ろしめす。すべて世は事も無し。
わたしには人の名前が憶えられない。けれども『そうじげからなし』だったらわかるのだ。あるいはそれは複数の 『いさならけぎじゅお』たちだったのかもしれない(ヒント ローマ字)。
わたしにはかつて勝手にその職に就任した一人のボディーガードがいたが、ある会話の後で彼の姿はわたし(=河野頼子)の宇宙からすっかり消えてしまう。
わたしには死が見える。死をあえてヴィジュアル化すれば膨らんだ透明な袋に似ているが、そんな死と似ているのが、幼い頃にわたしが中国で出会った神だった。
わたしは元は人間だった三毛猫のことを知っている。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-01 14:38:40
29917文字
会話率:77%
猫奴が見当たらない
体が大きな雄の雉猫で、頰が膨らんだふてぶてしい面構えをしている
初出:カクヨム
https://kakuyomu.jp/works/16816452219772069292/episodes/1681809308
6296261302折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-10-13 08:40:00
5535文字
会話率:7%
事務所(オフィス)ビルの隙間
其処(そこ)が彼の根城(ねじろ)なのだろう
自分の足元で
自分の持参した猫缶に舌鼓(したつづみ)を打つ
雉猫(キジトラ)を何となし眺めて
何(ど)れ程、時間が経ったのだろう
其(そ)れ程、時間は経ってないの
だろう折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2023-03-15 20:18:38
6155文字
会話率:47%
五歳になった祐太君が、お祖父さんとお話をしています。
お祖父さんは、雉猫のチィで祐太君を笑わせてくれました。
お祖父さんは、祐太君にこれからのことを話します。
最終更新:2022-12-06 18:01:14
1092文字
会話率:44%
ただの偶然だった。そう偶然。
自然豊かな公園。
夜中ジョギングをしていると、林の奥に何か妙なシルエットがあることに気づいた。
木に吊るしたサンドバッグか?
近づく僕が踏んだ落ち葉と枝が音を鳴らし
林がスズメバチのように僕を警告しているようだ
った。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-30 11:00:00
1144文字
会話率:13%
「私、マリー。今あなたの部屋の向かいのマンションにいるの」
マリー?メリーさんをもじったものだろう。
妙なオリジナリティを出しやがって馬鹿が。
知らない番号だが、恐らくあいつの悪戯だろう。
電話を切ってグラスに入っている酒を一息で飲み干す
。
また電話が鳴った。
今はリラックスしたいときなのに・・・・・・。
無視しても止むことなく電話は鳴り続ける。
仕方ないので手に取った。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-26 11:00:00
1100文字
会話率:28%
おっと。
皿に乗った鮭を箸でほじくる俺を見て
店主が怪訝そうな顔をしていることに気づいた。
失敗失敗。つい仕事のことを考えていた。
ごまかすようにコップの水を飲む。
美味い、美味いよ。水も定食も。
だからそんな顔で俺を見ないでくれ。
昔な
がらの定食屋。
しょぼくれた刑事の俺には似つかわしいじゃないかっと
自分でしょぼくれたなんて言っちゃ駄目だな。
これでも若い連中からは眼光が鋭くてかっこいいですねなんて言われるんだ。
・・・・・・かっこいいとは言われてなかったかな?
それにしてもちょっと焦げてるなこの鮭。
あの家みたいだなぁ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-21 11:00:00
1183文字
会話率:0%
俺は雉猫のボロス。ここら辺じゃあ、名のしれた野良猫だ。
そんな俺がひょんなことから、タマゴからかえったヒナを育てることになった。
けれどそのヒナはとんでもなくチートなヒヨコで。
食うべきか食わざるべきか。
(=ФωФ=)ニャンとも( ・Θ・
)ピヨな、てんやわんやの日常がはじまった。
今日も笑い50パーセント、シリアス50パーセントで突っ走るぜ!
【再投稿のため、現在は評価とレビューを受け付け停止にさせていただいています】
【この作品は2014年2月21日に投稿開始した作品です(※もと作品ID:N8627BZ】折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-11-14 19:00:00
124651文字
会話率:32%