宝永6年、7代将軍・徳川家継が急逝。尾張藩との激しい後継者闘争に勝利し、紀州徳川家当主の徳川頼方が8代将軍に決まり徳川吉宗となったー。舞台は吉宗が享保の改革を掲げた享保年間、吉原の料理屋・喜乃字屋の離れを根城に住まう青年、松平虎之助。歌舞伎
役者顔負けの、非の打ちようのない美男子。御家門旗本の部屋住みとして気ままな暮らしを送っている風来坊。実はこの風来坊こそ、歴史上死んだとされている徳川家継その人だ。幼い頃、尾張藩のある陰謀を察知した生母・月光院が側近の間部詮房や忠臣・神崎甚内と共に病死を偽造し外へ出していたのだ。月日は流れ家継は成人し、文武両道を修め立派な侍となった家継。今更将軍になる気は微塵も持ち合わせていないが、罪もない庶民を苦しめる悪事を耳目にするや激しく憤慨し侍としての血が滾る。かくして家継は、将軍吉宗の許しを得て銘刀・関孫六を手に悪党退治に乗り出すのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-30 11:48:58
2581文字
会話率:59%
貞享と改元される1684年。五代将軍綱吉公の御代。公方様お膝下の江戸の町。
拾われ子のアキは、申楽喜多流三世・七太夫宗能の許(もと)で、流祖の孫である梅中ら内弟子達と暮らしていた。
甲府上屋敷の能会で、急遽代役を務めた事から、その運命が大き
く動き出す。
後の六代将軍家宣公と、その治世を支えた側用人・間部詮房の物語。
出逢い編です。
※当時の社会通念から衆道的描写が含まれます。苦手な方はご注意ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-15 14:14:17
86670文字
会話率:40%