窓から差し込む朝日に照らされて徐々に意識がはっきりとして目を覚ました。体が鉛のように重くてまるで長い眠りから覚めたような感覚に襲われた。目を開いた後も視界が潤って歪んでいた理由は分からない。けれどこの得体のしれない虚脱感からくるモノなのだ
ろうと考えた。そんな自分の事すらおぼろになっていたアースは異様な恨みを持つ者に刺されて意識を失う。目が覚めて視界に色が付くと見知らぬ場所で人混みのなかに突っ立っていた。そこは現代社会と本で描かれた御伽噺のような世界を織り交ぜた、奇妙な光景が広がっていた。なんの記憶も思い出せないアースはその世界で過ごすうちにやがてその世界の真実と世界の神髄に触れていく…。
モチベ次第ですが一応完結するつもりです。残酷な描写は割とあります。
※投稿スピードもリアルの忙しさに比例するので忙しいときは投稿少ないです。
※第一に趣味で書いてるのでご了承ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-08-01 11:32:21
489872文字
会話率:54%
尾鷲 玖人(おわせ くひと)は、一般的な日本人の男子高校生だった。
だから、猫を庇って事故に遭った玖人の魂は普通ならば仏に導かれる……はずなのに、目覚めた場所が天使たちが生まれる“ゆりかご”の中だったために、天使の一員として天界に組み込ま
れることになる。
でも、ちょっと待って?
「俺の前の体、まだ生きてるんですけど!? できれば、元の体に戻りたい!!」
迎えに来た天使に帰天されそうになりつつも、何とか猶予を勝ち取った玖人は、元の体に戻るために“奇跡”を起こせるという力天使を目指すことを決意する。
しかし、ここでまたもや問題が発生。
それは……支給品が黄金の矢と鉛の矢だったこと。
「俺、もしかして天使じゃなくて……ギリシャ神話に出てくるキューピッドなんじゃないの??」
そう。玖人が庇った猫は、実は、ギリシャ神話の愛と美の女神・アフロディーテだった。
アフロディーテの善意といたずらのせいで、玖人はキューピッドの正体を隠しながら、期限内に力天使を目指すという二重の試練に挑むことになる。
これは、天使たちの中に紛れ込んだキューピッドが、その能力を駆使して天界を成り上がっていく物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-31 23:49:04
53047文字
会話率:22%
お粗末な婚約破棄が失敗に終わったその後の話。
嫌いになるには情が深すぎた、ただそれだけ。
※ざまぁ!!よりも案外こういうのがずんと鉛のようにダメージ食らうよね…と思いながら執筆しました。
※アルファポリス様にも同内容の掲載があります。
最終更新:2024-06-17 18:02:26
6812文字
会話率:59%
雪降る冬に、ひとりの少年と、ひとりの少女が土を掘り返す。
そこに埋まっていたのは、"鉛の心臓"。
かつて街を見下ろす金色の像こと、"幸福の王子"の体内にあったその塊は、高炉で溶かされても溶けることがな
く、うち捨てられていた。
けれど、"鉛の心臓"には秘密があり…。
"心臓"を手にした、少年の望みとは。
童話『幸福の王子』をモチーフに、ハッピーエンドを盛り込みました。
※霜月透子様・鈴木りん様主催『ひだまり童話館』参加作品。お題は「さくさくな話」。よろしくお願いします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-05-22 19:01:12
1753文字
会話率:23%
ユールス共和国がアーラスト帝国へと宣戦布告してから、すでに数年の月日が流れていた。
戦車や航空機はまだ開発されておらず、装輪装甲車やトラックも数少ない時代、劣悪なライフルの性能を補うべく、兵士達は銃剣やスコップで白兵戦を繰り広げている。
そして、重機関銃の弾幕が張られる中、二人の兵士が出会う。
互いは、互いにとって、敵兵であり、ライバルであり、大切な人でもある。
戦場と、恋の物語。
※カクヨムにも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-14 01:10:00
23319文字
会話率:18%
39歳の主婦佐竹奈美子は、女子大を卒業と同時に結婚するが、不妊治療のしても子供を授かることができなかった。
心の傷を負いながら、新たな扉を開こうと、スーパーにパートに出る。
そこで、社会の洗礼を受けたのをきっかけに、またもや心の傷を受け、自
信をなくす。
鉛のような心と身体が悲鳴をあげた時、真っ先に助けようと動いたのは夫を始めとする家族だった。
しかし、奈美子の傷はなかなか癒えない。
夫婦の愛、家族の愛でさえ、癒せないのか。
一人の主婦がもがきながら、家族と再生していく1か月間。
ある一人の主婦が輝きを取り戻すまで。
※私の今までの作風をご存知の方は、ストレスに感じられる場合がありますので、ご注意ください。不快に感じられましたら、すぐにページを閉じてくださいませ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-18 09:00:00
68839文字
会話率:25%
世界中を震撼させるOPENER GANG。
如何なる警備をものともせず窃盗・強奪を成し遂げる彼らの『通り名』は最早戦慄の代名詞。今日も静かに時計だけが時を刻む中、ド派手にドアが破られた。
『『『『OPENER GANGだ!』』』』
「資
本主義のザコ共〜、死にたくないなら大人しく床の味でも確かめて待っててね♡」
黒髪の少女はNyahahaと笑って煽り散らかして。
「通報は無駄だ。儂等に9mmなど意味はない」
長い白髭を蓄え帽子を深く被った男は冷徹に告げて。
「んまァ呼んだってテメェらが鉛の雨が降る酒池肉林の宴に来るだけだけどなァ…」
二丁もLMGを担ぐアロハシャツの男は欠伸を。
「さぁ、こちらへ。あなた方が何もしなければ、僕達は危害を加えませんから」
唯一物腰の柔らかな彼は全身を重装甲で覆った武者姿。
そんな4人に共通していたのは道化、狼、髑髏、鬼──恐怖を煽るマスクを付けていたことだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-14 11:00:00
6127文字
会話率:57%
その日も足取り重く帰宅すると、予め緩めていたネクタイと、鉛のプロテクターのようになったスーツ、ワイシャツ、それに肩甲骨を脱いで風呂へ入った。
最終更新:2024-01-05 12:06:08
920文字
会話率:0%
村から逃げ出して夕陽が三度落ちた。
集落はおろか人一人出会うこともない。
村の外がこれほど薄暗く気味が悪い場所だとは考えもしなかった。
穴の空いた布切れを見に纏い、静かな森をひたすら歩いた。
日の落ちる時間が早いこの時期は冷え込む。
村
を出てから、一度も食べ物を口にしていない。
喉を通ったのは、地面に溜まった泥水だけだ。
受けた拷問の影響で空腹には慣れていたが、歩き続けていることもあり限界が近かった。
大人たちは、今でも僕を探して森中を駆け回っているのだろう。
僕の両親を殺した男のセリフが頭に浮かぶ。
彼は縛られた母親の髪に火をつけながら「悪魔の親が」と言って舌を打った。
『生きる災い』
村の人たちは口を揃えて僕をそう呼んだ。
見るたびに暴力を振るい、罵詈雑言を浴びせた。
怨恨を感じ取ることはできたが、嘲りなどは一切感じられなかった。
心から僕を恨んでいたのだろう。
僕と関わりを持った人たちはみんな『不幸』になった。
ある人は不治の病になり、やがてその病気は流行病となって村人たちの命を奪った。
僕が畑仕事をした翌年には虫が大量に発生し、蝗害となって食糧難が訪れた。
友人は雷に打たれて命を落とし、幼い頃に思いを寄せていた女の子は賊に連れ去られて行方をくらませた。
「誰かを幸せにしたいって、そんなに贅沢な望みかな」
黒い雲が張り詰めた空を見上げて呟く。
雨粒が額の上で弾けた。
雨が降ってきたらしい。
身体は冷えていく一方だが、しばらく飲み水に困ることはなさそうだ。
指に嵌めた父親の形見を見る。
殺される前日にくれたものだ。
僕が生まれた日に母親にプレゼントしたものらしい。
大切な人ができたら、その人の指に嵌めてやれと言われたことを覚えている。
きらりと光る鉛のようなこの装身具の名前を僕は知らない。
けれど父親から話を聞いて、これを指に嵌めることで誰かを幸せにできることは知っていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-31 14:43:55
9310文字
会話率:26%
幸福の王子をモチーフにしたボーイズラブです。アンソロジーに掲載したものです。他のサイトにも投稿しています。
最終更新:2023-11-03 15:27:13
4663文字
会話率:41%
揺らぐ、揺らがぐ、
一瞬の揺らぎ。
私の身体が、1センチだけ左右にぶれる。
その瞬間一時だけ、鏡向世界の入り口が開く。
この日のこの時間、この条件のこの場所だけに、それは起きる。
「そのチャンスを逃すな、」
私はリュックを背負い、勢いよく飛
び込んだ。
シュルッ、
シュルッ、
生めく感触、絡みつく鉛の中、押し潰されるような重みを感じ、流れ漂う。
濁色の川。
一つの光が見えた、
「四角い穴に飛び込む、」
シュルン、折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-10-24 23:07:49
6569文字
会話率:21%
この地にいた人々は獣同然の知性しかなかった。創造した神は身を隠し、導くものを失った人々は新たなる発展を失ったのだ。そんなある時、彼らのもとに降り立ったのが六名の神の代弁者を名乗る神使であった。神使はそれぞれ同じだけの人を分け合い、それぞれ
で導き始める。そうすると人々は瞬く間に、進化と呼んでも良いほど成長した。新たな幸せを人々が噛み締めていた時、山脈の方から薄暗く、重苦しい溶けた鉛のような怨嗟が地響きのように伝わる。その正体は悪魔だった。
神使は人々に、道具を作る技術、知識、魔術、呪いの力を与え、悪魔に対抗させた。そしておよそ百年に及ぶ流血の年月の後、神使が身を隠してしまった。人々は悟った。神使はその身を犠牲に我らを救ったのだと。人々は復興の合間に教会を建て、神使を神のように崇め奉る。
そんな神話の時代から数百年か数千年か。掠れた偶像への信仰と絶え間ない欲望に埋もれた人々は、血を流す相手を同族へと変えていた。
これは、神を失った人々の暮らすカルロ―ナ大陸で起きた物語の記録である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-16 16:14:21
108398文字
会話率:62%
借金を残したまま、二年前に父親は蒸発した。
端場悠太は逃げた父に代わって闇金融に借金を返済していた。
借金取りである狭間は幼い頃から悠太の面倒を見ており、悠太も狭間を本当の父のように慕っていた。
ある日、その狭間が所属している暴力団、清住
会の組員が何者かによって銃殺された。
闇金融の元締である清住会の組員が殺されたことを知り、狭間の身にも何か起きるのではないかと不安に苛まれながら、一人で借金を返し続ける悠太のもとに身元不詳の女、リサが現れる。
この作品はエブリスタでも掲載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-06-09 22:25:23
2285文字
会話率:33%
誰もが知る幸せの王子
その像がつくられるまでのいきさつを書いてみました。
何故、王子の心臓がタダの鉛だったのか、それは本当はタダの鉛の塊では無かったのです。
最終更新:2022-01-28 23:37:53
2923文字
会話率:30%
AI技術やアンドロイド技術が著しく進化した2700年代。意志を持ったアンドロイド達は、労働環境を変えるべく、テロ活動を起こした。事件の沈下後、政府は『アンドロイドの製造を禁止』することに。そんな中、研究所の一角では、一体にアンドロイドと、
アンドロイドをこよなく愛する博士が生活していた。アンドロイドを嫌う街の人々、 そんな街を嫌う博士、人間大好きアンドロイド。街の人々にバレないように、博士はアンドロイドを隠そうとするが…?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-13 20:24:16
13470文字
会話率:37%
「俺がお前を英雄にしてやる」
「は、え?」
銅級冒険者であるオーウィンはクエストの最中に凶悪なモンスターに襲われる女冒険者を目撃する。女はその特徴的な容姿と等級から「鉛のバンシー」と呼ばれ「最弱の冒険者」とも呼ばれている悪い意味で有名な
冒険者だった。しかし、目の前で自分ですら倒せないモンスターを倒してしまった女を見て、オーウィンは彼女が英雄の卵である事を確信する。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-24 17:00:00
111255文字
会話率:57%
「好き」この言葉は鉛のように重く、柔らかく、溶けやすく、残酷で、時には幸せにしてくれる魔法の言葉、そんな言葉を僕は雨の独特な匂いに包まれながらあの日、君に思ったんだ、好きだと。
最終更新:2021-04-26 20:05:24
3961文字
会話率:63%
新社会人としてハードワークに勤しんでいた俺はとある重大な問題に直面していた。
肩がしんどいのだ
とにかくしんどい。鉛のように身体が重い。
そんなある日、俺はとある喫茶店で謎の親父に出会う。
最終更新:2020-12-30 21:08:55
5249文字
会話率:34%
ーープロイセン王国がドイツ連邦をまとめる国となる半世紀ほど前、女王は子供を授かった。王様は既に高齢で、王位後継者は王弟とされていたので、王室は俄に沸き立った。王は城下町一の大通りに、成長した王子を模した像を建てた。それは、心臓の位置に鉛のそ
れをはめた特注のもので、誰に対しても優しさをもって接して欲しい。そう願った王が提案したもので像の職人と王以外には誰も知らないことであった。
女王が死に、王は新たな女王を見つけようとした。しかし名をあげる者はおらず、そして、王も死に、先代からの側近であったリサが王子を育てることとなった。折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2020-12-24 20:32:24
2329文字
会話率:51%
ふとした瞬間切れかけた蛍光灯の点滅と意識の明滅が重なる。電車がどこまで行くのか、どこに帰るのか、そんなことは重要じゃない、いつだって自分が使う範囲のことだけわかってればいい。
ふらふらとした足取り、おぼつかない手つき、擦り切れる精神に鉛のよ
うな体、自分がどうでもよくなってしまう時、ふらりと前へ倒れこむ。
それは別に、悪いことではないのだろう。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-07-11 14:00:00
1970文字
会話率:24%