最初に言っておこう。これは恋愛物語である。
イルカーシュ女王国。全てはその滅びから始まる。
代百代女王メイディア・ガイ・イルカーシュの妹、サージャ・ノエ・イルカーシュ王女は、その誕生から特殊な環境に置かれていた。一族とは髪の色が全く違う彼
女は、王女としてでは無く、上位精霊を使役出来る、女王国最強の暗殺者として生きてきた。
彼女の傍らには常に、ギルス・グラーニが護衛騎士として付き添っていた。彼はサージャを愛している。もうずっと昔から。
サージャは、王女の時はその気持ちに答えることを決してしなかった。
しかし王女を離れた今、二人の関係に少しだけ変化が訪れる。
「サージャ、俺のものになれ」
「いいや、まだだ」
サージャは新たな目標を定めてしまう。イルカーシュ女王国の復活。それまでは恋愛もストップ。目標を果たすまでギルスのものにはならないと誓う。
これはそんな、不器用な元王女の物語。
ゴールインまでの道筋の、恋愛物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-23 14:49:35
60375文字
会話率:28%