最終戦争の終結から、百年の歳月が流れた。
人類は今、かつての戦いの後遺症に悩まされている。
彼らの手から取り上げられたのは、”銃”と”鉄”。そして、”機械文明”。
世界はいま、かつての戦争兵器、――”人造人間”によって管理・運営され
ていた。
ここに、その役割を奪われた組織が存在している。
国民保護隊、中部方面軍第三師団。あわじ駐屯地。
祖国の法に基づいて、国民の盾となるべく編成された、――れっきとした軍事組織だ。
この春、晴れて配属されたばかりの新米隊員、小早川キミタカ三等陸士はいま、ひどく退屈している。平和に慣れた現代に、働く意義を見失っていたのだ。
そんなある日のこと。
彼の元に、とある”人造人間”が現れる。
アカネと名乗ったその娘は、百年前の戦争の生き残りだというが……?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-27 23:00:00
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