「今の日本には、戦艦よりも雑木林と言われようとも彼らが必要なのだ」
山本権兵衛首相は、そう喝破した。
第一次世界大戦において、日本は駆逐艦を主力とする遣欧艦隊を派遣した。
遣欧艦隊の主力となった駆逐艦の艦名は、植物、樹木、草木の名か
ら付けられていたことから、遣欧艦隊の駆逐艦には雑木林というあだ名が付けられた。
そして、当時の様々な限界から「雑木林」、遣欧艦隊は悪戦苦闘を強いられた。
だが、彼らの奮戦は決して無駄ではなかった。
彼らの奮戦とその経験を活かすことで、日本海軍は20年余り後の第二次世界大戦で「対潜作戦の悪魔」と、敵味方双方から畏怖される存在となれたのだ。
それについて、あらためて語る。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-07-08 19:12:08
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大東亜戦争(太平洋戦争)が勃発して間もないころから始まった、日独間の遣欧艦隊による作戦。大戦中、頻りに連絡を共有していた連合国とは異なり、枢軸国は互いの連絡は無電以外に方法はなかった。杜絶した日独両国を結ぶ連絡路を求めて、連合国の封鎖下にあ
った大西洋に、数次にわたって潜入した日本潜水艦。その中の一隻、ドイツ派遣を命じられた伊号第八潜水艦はほとんど成功の類を見ない今作戦に出撃し、日本から遠く離れた、同盟国ドイツへと向かう……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2009-02-10 16:01:04
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