――「色あせない想いは、きっと輝き続けるから」
父と二人で暮らす青空琴美(あおぞらことみ)が高校へと進学した頃、突如として琴美の父はその身をくらませた。行方不明として捜索がされるものの、一向にその足取りは掴めずにいた。
遠い親戚の家へ
と一人引き取られた琴美は、その街に存在するとある橋の上で物思いにふけていた。そこは幼い頃、父と共に訪れたことのあった場所だった。
いくら探しても行方不明の父の手掛かりが掴めない状況に、琴美は半ば諦めかけていた。
その時琴美は、成長と共に忘れ去られた幼き日々の記憶、唯一残るその一片の記憶に導かれるようにして訪れたその橋で、帰路に着く途中に一人の少年を見かける。
川沿いの土手で一人座り込む少年、星空緑(ほしぞらみどり)との不思議な出会いをきっかけに、琴美は再び父を探す為に立ち上がる。
琴美には小さな頃から不思議な力があった。見えないものを視る力、それはこの世ならざる者、現世に残した想いにより顕現する存在――妖(あやかし)を見ることが出来るというもの。又、妖の持つ記憶の欠片も視ることが出来るのだった。
奇妙なその力を持つがゆえに、琴美は幼い頃に忌み嫌われ、妖とは関わらない様に生きて来た。しかし緑との出会いをきっかけに、妖から父の手掛かりを掴むべく、緑と共に協力して妖と関わることを決意する。
これは、現世に想いを残す妖への手助けを通して、二人の心の成長と想いを繋いでゆく物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-09-25 22:13:19
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会話率:33%