牢の中で、ラツィアーナは一人、思い出に浸っていた。
残酷ともいえる運命に、ラツィアーナは抗うつもりは無い。
ただ、夫と呼んだ一人の人との思い出に浸っていたかった。
処刑されるのは、変えられない運命なのだ。そこに希望の入り込む隙など無いことに
感謝さえしている。
ラツィアーナは、残虐の限りを尽くしたマンソン家のただ一人の生き残り。
そして、夫に処刑されるのを待つ、ただの娘だった。
4話完結済み 連日0時投稿
8/18より夫視点追加折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-08-19 00:00:00
14831文字
会話率:38%