聖職者ですが、結婚します。
聖職者ですが、婚家と戦争(けんか)します。
常識とか正義とか、自分で判断するのでお構いなく。
霜月の奥で、如月の二。それが私。それがすべて。
この時代の“如月の二”について、清廉潔白、純真無垢、高潔無比な
どといった言葉を並べる語り部は、今後信じないほうがいい。
勿論、そういった側面があるのは認める。一切ないとは断言しない。
だが彼女を語るに置いて、最も重要な要素はそこにない。
語り部がそっと塗り潰した項目にこそ、彼女を表すほとんどが含まれているはずだ。
誰かの印象を聞けば、人それぞれ意見が異なるように。
如月の二も完璧な神官というだけでなく、その時代に生きた一人に違いない。
だから、敢えて語ろう。
多くの語り部が上っ面の綺麗事だけを並べるようになるなら、尚更。
きっと正史ではなかったことにされ、歴史の中に埋もれるであろう真実。
如月の二は、ひっでぇ女だ、と。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-11-20 23:32:33
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会話率:53%