菅原道真が亡くなった。
藤原時平も亡くなった。
国政は藤原時平の弟の藤原忠平のもとへと渡り、藤原忠平は父の藤原基経や祖父の藤原良房の時代への回帰を図ったが、中国大陸では唐が滅亡して五代十国の混迷が始まり、朝鮮半島では新羅の衰退から後三国時代
を迎え、日本国内では菅原道真怨霊伝説にあふれる時代となっていた。貴族達が一人、また一人と命を落としていき、誰もが恐怖に襲われた。
そんな中、関東地方では平将門が、瀬戸内海では藤原純友が反乱を起こし、日本国の分裂の危機が現実の物となっていった。恐怖はさらに増していき、藤原忠平は最後の最後まで奮闘するものの事態は好転しない。好転するのは平将門の反乱も藤原純友の反乱もどうにかして鎮圧することに成功したあとである。それは深手を負った末でようやく手にした安寧であった。
本作品は2012年6月より2012年12月まで「いささめ (https://ameblo.jp/tokunagi-reiki/)」にて公開した「平安時代叢書 第七集 貞信公忠平」を再編した作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-12 23:27:38
170535文字
会話率:1%
応天門の変ののち、左大臣源信、右大臣藤原良相、そして摂政太政大臣藤原良房が隠遁し、清和天皇は表から消えた藤原良房の名を利用した政務再編を試みる。しかし、その政務再編は国民生活を悪化させ、相次ぐ自然災害と感染症の流行、さらに中国大陸での唐の混
迷も手伝って日本国は危機的状況に陥ってしまう。本来あるべき律令制への回帰を図る勢力と、藤原良房の養子で藤原氏の後継者に任命された藤原基経が中心となって律令制からの脱却を図る勢力とが朝廷内で対立を深める中、藤原基経の右腕となる源能有が登場し混迷は収束を見せていく。しかし、朝鮮半島の新羅が日本へ侵略するようになり日本は軍事費捻出を優先させなければならなくなったため財政が悪化していく。貴族達も国政ではなく私利を追求するようになって国政はさらに混迷を深め、その穴を埋めるように、それまでほとんど着目されることのなかった武力集団である「武士」が新しい権勢として認識されるようになり、朝廷は武士を利用した混迷の収束を試みる。
本作品は2011年8月より2012年3月まで「いささめ (https://ameblo.jp/tokunagi-reiki/)」にて公開した「平安時代叢書 第五集 摂政基経」を再編した作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-11 21:40:11
242934文字
会話率:1%
平安時代叢書 第四集
承和の変により反対勢力の一掃に成功した藤原良房。しかし、律令派の残党が文徳天皇を奉じて政権を奪還し、再び律令派の時代へと舞い戻った。朝廷を二分する争いは、皇室を、藤原兄弟を、そして全ての貴族を二分し、対立はついに応天門
炎上事件へと向かうこととなる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-11-21 02:01:44
251572文字
会話率:1%
その生涯が謎に満ちている小野小町を主人公とした物語。
小野小町は幻の花である。王朝に咲いた幻の花である。在原業平を胡蝶に譬えるならば、小町はまさに花である。しかし、その花は時には桜であったり、時には菊であったり、時には女郎花であったり、時に
は悪の花であったりもする。また鮮明に見ようとすると、その花は薄ぼんやりと暮れなばなげの花のように幻となってしまうのである。小野小町は、あの花、この花に譬えられはするが、畢竟、幻の花というべきである。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-27 23:20:52
1952文字
会話率:10%
文徳天皇の御代、藤原氏の長者良房と文徳天皇の国のあり方をめぐる争いが起きた。良房は帝を毒殺してもなお戦のない世を求め、帝は民の心の支えとしての皇室のあり方を求めた。二人の闘いは天台・真言の僧たちをも巻き込み、さらには在原業平や女御・更衣・女
官たちをも巻き込む争いに発展した。誰がどのような思いで戦っていたのか、闘いに巻き込まれた三人の語りから事件の全容が次第に明らかになる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-04-09 16:05:47
113904文字
会話率:9%