近未来――
人類はついに、“完全なる平穏な世界”を手に入れた。
労働は「選択」であり、働くかどうかは自由。
生きるために頑張る必要はなく、
住まいも食糧も保障され、老いも病も、AIが管理する。
人々は、見たいものだけを見ていた。
すべて
は、球体AI――ホワイトスフィアの管理下にあった。
犯罪は事前に検知され、起こる前に防がれる。
争いも、病も、苦しみも、すでに“過去のもの”となっていた。
誰もが、“完璧な世界”で、微笑みながら生きていた。
……その空に、“黒い球体”が現れるまでは。
それは、黙示録の船。
世界の終わりを告げる、漆黒の影。
名を――ロストアポカリプス。
そこから降り立ったのは、星の断片をまとう六人の魔法少女。
滅びの力をその手に、彼女たちは理由も語らず、
ただ静かに――星々を壊していく。
「なぜ、彼女たちは世界を壊すのか?」
それを知る者は、ひとりとして存在しない。
ただ、その中に一人。
少女は静かに、こう告げた。
「お前たちは、何も知らない」
「自分たちが、いまどこに立っているのかさえも」
――これは、少女たちの祈りと破壊の物語。
その手に残るのは、愛か、それとも滅びか。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-11 00:10:00
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