ビルの窓から眺める風景。
真正面に見える街路樹の枝は、夏には力強い青々とした葉をつけ、秋には淡い黄色い葉になります。冬は葉の代わりに霜や雪で化粧をして、そして春には、淡いピンクの花びらをつけます。
それは、こんなコンクリートの建物が並
ぶ都会の中でも、四季を感じられ、情緒があります。
東京という土地は、周りの街並も慌ただしく姿を変え、形を変えてとしていくけど、この事務所はコンクリートや配線が剥き出しで、昔の姿のまま、時間が止まっているようにも感じます。
あくまでも、原色の赤いソファを除いてですが。
そう、ここは、アルクィン拝み屋探偵事務所です。
所長と、職員が二人だけの、総本山からすれば小さな小さな祓い屋です。
わたしは窓から外を眺め、彼女に色んなことを教えていきます。
「あれ見て、渡り鳥だよ。あの方向は臨海の方に飛んでいくのね。まだ少し寒いから、夏に成ったら見に行こうね。それより、八重洲口の桜がもうすぐだから、先にそっちを見に行こうね」
そう言うと、彼女は心なしか喜んでいる様子でした。
わたしは鼻歌を交えながら、その窓から、変わりゆく街並みを眺めていました。
そこで足音が聞こえ、わたしは慌てて彼女を消します。
古びれた音を立てて扉があき、所長が戻って来ました。
「おい、今、あれを出していただろ!」
そう怒り声を上げる所長の脇をすり抜け、わたしは逃げていく。
所長は長い黒髪をなびかせながら、追ってきました。
必死に逃げる、わたしの名は、折坂………、うわっ、捕まった!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-22 12:17:47
44417文字
会話率:26%
「わたしが悪役令嬢? お断りです!」
王宮図書館で見つけた一冊の恋愛小説【ユリの花束をキミに】
女神の化身として覚醒した少女の前に立ちはだかり、断罪されるのは……わたし!?
魔法大好き天才悪役令嬢と婚約者大好き転生王太子のドタバタラ
ブコメディー!
* * * * * *
王国の北の大地を治めるシュネーハルト公爵家の娘、アリスティア。
ある日、王宮図書館で自分が断罪される小説を見つける。半信半疑のアリスティアだったが、小説の舞台である王立魔法アカデミーへの入学した事で、小説は破滅への台本(シナリオ)であると確信する。
破滅への道を阻止するため、ヒロインと関わらないようにするアリスティアだったが、事あるごとにヒロインが関わってきて……
「魔法の研究に専念させて!」
一方、転生者の王太子ラファエルは溺愛するアリスティアのフラグを折るために奔走していた!
「俺はアリスティアを悪役令嬢なんかにさせない!」
ラファエルの重たい(?)愛はアリスティアに届くのか……!?
そしてアリスティアはヒロインから逃げ切ることができるのか!?
世界を救うのはヒロインではなく天才悪役令嬢!
* * * * * *
『薔薇姫の箱庭へようこそ〜引きこもり生活を手に入れるために聖女になります〜』の続編になります☆
* * * * * *
アルファポリス様にても連載しております!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-03-24 21:09:20
24071文字
会話率:38%
幼い頃に取り決めた、田舎貴族同士の婚約者。
優しいけれど地味な少年と、
美しいけれど居丈高な物言いをするちょっと素直でない少女。
そして……数年後。
少女はその美しさと才を見込まれて王都の学園に。
特に才も見た目にも恵まれなかった少年
は田舎の領地に。
離れ離れになった二人は手紙で連絡を取り合うものの、
段々と学園に通う少女からの手紙に不穏な変化が現れ始めて……?
※一話目、二話目の後は主人公達の視点が交互になります。
アイテムや花の名前が女主人公。
※幕間などの物語はタイトル横の名前のキャラ視点です。
※悪役令嬢のタグは保険みたいなものです。
※無断転載は固く禁じます(うちの子は嫁にやらん)※
※番外編、完結しました(*´ω`*)<読者様に感謝!※折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-05-31 23:49:22
179486文字
会話率:23%
その日はいつもみたいに入院している母さんのお見舞いに行く日だった。
週に一度は会いに行くその道すがら、いつもは気にすることもなかった
花屋へと立ち寄ることにする。
「今日は母さんの誕生日だし、たまにはサプライズでもしてあげるかな。」
うきうきしながら綺麗に包装された花束を受け取る健吾(けんご)。
「ごめんね」
突然誰かに声をかけられたと思えば、そこは全く見覚えのない森の中だった―――
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-03-14 14:01:10
258文字
会話率:50%