夏祭り。
一見華やかな夏の催し。
その参加者は数多いが、全員が知っているわけではないもう一つの顔がある。
鎮魂祭。
地域それぞれで諸説あることは否めない。
しかし、吾妻 奏が住むその街の夏祭りには、確かに別の顔を持っていた。
中学二年
生の夏祭り。
夕焼けに染まる街の中、仲の良い友人達と夕方集まって神社に出かけた。
遊び盛りの中学生にとって、諸手を振って夜遊びが出来る数少ない機会。
皆舞い上がっていた。もちろん、彼女も。
そして、奏は、一生忘れる事の出来ないであろう、不思議な体験をする事になる。
さあ、あの暑かった夜を、振り返ってみることにしよう―――折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-08-15 21:26:49
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会話率:33%