「私たち、もう終わりにしましょう」
魔力はあるが、なぜか満足に魔法が使えない――。
そんな魔法職である冒険者のニルスは、恋人であり相棒でもある盾騎士フィーナから、離別を言い渡される。
失意の中、自身の才能にも見切りをつけ、帰郷を
決意するニルスだったが、事故によって川に落水し、そのまま溺死しそうになる。
けれど、目が覚めたニルスを待っていたのはあの世ではなく、温かくやわらかな布団の感触と、見たこともないほど美しい令嬢の笑みだった。
「その魔力――わたくしのために、役立たせてみませんこと?」
伝説にある魔物の名称である、影騎士を名乗る令嬢、リスティア=セームディオン。
彼女はニルスの魔力と、その正しい才覚を見抜き、他に類を見ない魔法の使い手として、彼を導こうとする。
魔物でありながら、人に力を貸す――そんな彼女の目的を知ったニルスは、彼女の手をためらいなくつかんだ。
「リスティアさまの従者として、お傍に置いていただけませんか?」
聞いたこともない魔法を学び、影騎士のお嬢さまに仕えることを誓ったニルスは、新たな人生を歩みだす。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-09-29 03:44:00
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会話率:33%