「おじいちゃん、聴こえる? ねえねえ」
「ふふふっ、聴こえてるよ。きっとね……」
「疲れてるみたいだ。もう休ませてやろう」
「あたしたち、明日また来るからね!」
「そうね、また明日来ようね……」
「そうだな……じゃあね、父さん……」
ああ、また明日……。そう声に出せないおれは、届いてくれと願いながら心の中でそう念じた。孫の元気いっぱいな声と息子夫婦の優しい話し声が遠ざかっていく。
やがて、「ご臨終です」「お疲れさまでした」と、そう聴こえた気がした。
瞼の向こうに感じていた病室の蛍光灯の光が徐々に暗くなり、そして完全な暗闇になると、過去の自分が映像となって浮かび上がった。それは、物心ついた辺りから始まり、青年期、成人期、壮年期、老年期、そして最後、【fin】の文字が浮かび上がると、再び目の前は明るくなり……。
「お疲れさまでした」
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最終更新:2024-07-27 11:00:00
2185文字
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70才の壁。80才の壁 老年期の壁とは? (老年学入門)
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最終更新:2023-09-25 16:31:54
2224文字
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最終更新:2022-10-30 15:37:35
3636文字
会話率:21%
建国歴12000年のメルへニカ王国。この世界は相も変わらずベースボールが世界的な人気を博していた。
メルへニカリーグベースボール、通称メルリーグが創設されてから2000年目となる節目のシーズンを終えたこの年の年末、メルへニカの首都アウグ
ストでは、ウィトゲンシュタイン家が建国千年紀に加え、メルリーグ誕生2000年を祝う千年記念パーティが行われていた。
そこに老年期を迎えたオリュンポリティア・ペンギンズの元監督、ブレッド・ベイカーが招待された。ブレッドを招待したのは、かつて低迷期から黄金期にかけてペンギンズを共に支えたウィトゲンシュタイン家の分家にあたるバロン家当主、エステルハージートルタ・バロン・ウィトゲンシュタインの曾孫にして、ウィトゲンシュタイン本家に在籍しているプリンツレゲンテントルテ・ウィトゲンシュタインであった。
世間話を繰り返す内、ブレッドはプリンツがエステルの偉大な功績を知らなかったことに驚愕する。
ブレッドはエステルが持っていた記念のボールをプリンツから譲られ、何らかの意図を感じながらも、エステルの思い出が詰まった記念のボールをその手に持ち、自らの若年期を鮮明に思い返すのであった。
他のサイトにも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-23 00:00:00
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いわゆる「オカマ」として生きてきたタケコ。気が付けば65歳になっていた。長年働いてきたスナックのホステス達もみな歳をとり、店のママであり相棒でもあるサユリは、まさかの癌宣告。おまけにコロナ不況でスナックは閉店を余儀なくされる。迫りくる老年期
を前にピンチに立たされたタケコ。しかし、タケコはひょんなことから自分達のような人間が集って暮らせる高齢者住宅を造ることを決心する。波乱に満ちた人生を終うべく、タケコと愉快な仲間たちが動き始めた!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-10 21:20:02
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家族の一員となった子犬とワタシの日常を描いたエッセイ。
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最終更新:2021-08-21 00:15:07
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最終更新:2013-09-18 14:08:25
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