森の奥のダンジョンボスを倒し、町に戻って仲間たちと祝杯をあげる。
翌朝――目が覚めると、俺は女になっていた。
脱衣所の鏡に映る姿を見て、自分が『女勇者』になっていることに気づく。
嘘だろ……? と、背筋に冷たい汗が伝った。
実は、俺には
前世の記憶がある。
ここは勇者が魔王を倒すという王道RPGの世界だ。
ただこのゲーム、他のゲームと違うところがあった。
最初の選択――主人公を男の勇者にするか、女の勇者にするかでエンディングが変わるのだ。
男勇者を選べば、魔王を倒した後、姫との甘々ラブラブエンド。
女勇者を選んだ場合は……。
「――パーティー仲間たちとの逆ハーレム、エロエロエンド……?」
ちょっと待て。そんなエンドは望まない!
女になった呪い――『種付けブレス』を解呪すべく、仲間にバレないうちに、一人でこそこそと旅に出た。
「なのに、なんでお前らがいるの!?」
行く先々で仲間に出会う。
正体はバレていないはずなのに、徐々に距離が近くなっている気がする?(気のせいであってくれ!!)
嫌だ……! 俺は絶対『男』に戻る……!!
「絶対に戻ってやるんだからな!!」
※カクヨム様にて先行投稿しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-28 18:53:45
68678文字
会話率:32%
平凡で冴えなかった私、桜井紗耶(さくらい さや)は、信じていた夫から突然の離婚を言い渡され、人生のどん底に落ちてしまう。だが、離婚の翌朝、目覚めるとそこは異世界。しかも、名門貴族の公爵家の令嬢として転生していたのだ。
前世の悲しみを胸に秘
めつつ、新たな人生を歩み始めた紗耶は、持ち前の芯の強さと現代の知識を活かし、貴族社会の陰謀や嫉妬を乗り越えていく。やがて、公爵家の未来を背負う令嬢として周囲から一目置かれる存在に成長。
一方、元夫は現代で次々と不運に見舞われ、仕事も人間関係も崩壊。誰にも相手にされなくなり、人生が大きく狂っていく。紗耶はそんな元夫の末路を横目に、自分の幸せと新たな愛を確かなものにしていくのだった。
これは、捨てられた元妻が異世界で輝きながら、本当の幸せを掴むざまぁ爽快ファンタジー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-28 18:00:00
2022文字
会話率:29%
二度も飼い主に捨てられ、公園で一人寂しく死んだ私――いや、“元・猫”の私が、気づいたら異世界の伯爵家の令嬢に転生していた。
甘えることも、頼ることもできない。誰かに「ずっとそばにいるよ」と言われるのが、怖くて仕方ない。
そんな私が拾った
のは、一匹の黒い子犬だった。
初めて自分の気持ちを打ち明け、「そばにいてね」と願ったあの夜。
……でも、翌朝、彼はいなくなっていた。
それから数年。魔法学園に入学した私は、“犬神の力を持つ王太子”と出会う。
なぜかやたらと私に絡んでくる王太子レオン。ぶっきらぼうで恐ろしいと噂される彼なのに、なぜか――あの黒い犬に似ていて、懐かしい気がする。
「お前のことなんて、どうでもいい」
「ならどうして、そんな目で見るの……?」
信じたい、でも信じられない。
ずっとひとりだった捨て猫令嬢と、誰にも心を許せなかった犬神の王太子が出会うとき――優しくて、ちょっと不器用な恋が始まる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-28 18:00:00
25156文字
会話率:26%
かつて地元・広島でインディーズバンドのギターボーカルとして活動していた田村奏真
ある晩、気まぐれに昔のオリジナル曲をリミックスしてSNSに投稿すると、翌朝、思いもよらぬ大反響が返ってくる。称賛のコメントに混じって届いた、あるベーシストからの
DM──「一緒に何か作ってみませんか?」という誘いが、くすぶっていた奏真の心に火を灯す。
新たな道へ。挫折と再出発を経て、田村奏真のもう一つの音楽人生が静かに動き出す。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-28 14:07:12
99888文字
会話率:43%
雨の夜――浅草寺の軒先で、町工場を継いだばかりの青年カメラマン・智哉は、傘を忘れて立ちすくむ広報担当・愛乃と出会う。趣味で磨いた腕前だけが取り柄の彼は、濡れたレンズ越しに捉えた彼女の笑顔に不可思議な温度を感じた。
「その写真、次の地域活
性プロジェクトに使わせてもらえませんか?」
愛乃の素直なお願いから始まった共同取材は、次第にふたりの心のピントを合わせてゆく。智哉は、家業の町工場が負債で崖っぷちだと知りながら、飾らない下町の光景を撮り続ける。一方、愛乃はかつて企画の大失敗で左遷寸前になった過去を抱え、「行動で信頼を取り戻す」と誓っていた。
そんな矢先、海外メディアの編集者ジェレミーが「日本のローカルを世界へ」と豪語し、愛乃を専属スタッフにスカウト。公開審査会で写真を競う“勝負”を智哉に仕掛ける。「腕前と覚悟、どちらが強い?」――煽るジェレミーに、智哉は負けられない理由を悟る。
同時に、兄代わりの航平が工場の経営破綻を隠していることが発覚。資金繰りを支える悠大、即行動で支援策を立てる莉菜、クラウドファンディングを企画するアリヤら仲間が集結し、町工場再建と写真勝負はリンクしてゆく。
取材先で交わした「必ず守るから」という智哉の言葉が、愛乃の胸に雨粒のように沁み込む。だが審査会直前、工場で小火騒ぎが起き、智哉は撮影を捨てて救助に走る。残された愛乃は、ジェレミーの圧に耐えながら写真を撮り続けるが、心は智哉の無事を祈るばかり――。
翌朝、病院の屋上で再会したふたり。愛乃は手帳を差し出し、「写真で世界を救えるなんて信じてなかった。でも、あなたが撮る瞬間の光を私は信じたい」と涙をこぼす。智哉は工場を題材に“人の手の温度”を写し込み、下町の真実を作品へ仕立て直す。
審査会当日。ジェレミーの派手な海外作品が喝采を浴びる一方、智哉と愛乃の“地味で温かい”写真は静かに観客の心を揺らす。結果はわずか数票差で逆転勝利。町工場のクラウドファンディングも達成し、仲間たちは新しい歩みを始める。
黄昏の隅田川テラス、初めての場所で撮った一枚にプロポーズの言葉を忍ばせた智哉。愛乃は雨粒ごしに映る未来を見つめ、「これからも行動で信頼を築くから」と応える。ふたりの手作りストラップが寄り添い、夕陽の光を反射して小さく揺れた――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-28 06:00:00
3914文字
会話率:50%
春、新学期の教室で始まったのは、少し浮かれた高校生活――になるはずだった。
西原創(にしはら・はじめ)は、誰かと手を取り合って何かを始めるのが好きなタイプだ。だが、心のどこかで「人を頼るのが苦手」な自分に気づいていた。そんな彼と同じク
ラスで出会ったのは、感情に流されやすい沢村聡美、静けさを好む飯島朋春、丁寧すぎる松岡田ゆり菜、真っすぐで不器用な庄司紳太郎、自由すぎる橋詰可那子、金銭感覚が壊滅的な堀越祐士、人間関係が苦手な石原田輝江──ちぐはぐで不思議な8人だった。
彼らは、ある晩を境に「同じ夢」を見るようになる。
そこには、床に臥せる美しい女性と、異形の存在。
「八徳をもって姫を救え」
そう告げられた翌朝、誰もが奇妙な疲労感を覚え、学校生活に支障が出始める。
八徳──仁・義・礼・智・信・忠・孝・悌。
聞き慣れない言葉、意味のわからない使命。けれど、このままでは日常に戻れない。
西原たちは半ば遊び心で「それぞれの徳を担当して試してみる」ことにするが、まるでうまくいかない。自分の性格に合わない徳を無理に実践しようとして、かえって人間関係がこじれたり、自信を失ったりする。
そんな試行錯誤の中で、8人は気づいていく。
「徳とは、誰かに見せるための行動ではなく、自分の心の在り方そのものなのだ」と。
夢の中の姫のもとへ向かう旅は、現実での自分自身と向き合う旅だった。
他者とぶつかり、悩み、少しずつ変わっていく彼らの心の風景。
“正しさ”に縛られず、心のままに生きようとする中で、8人は一つの答えにたどり着く。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-02 16:10:00
48604文字
会話率:14%
そこそこの家柄の、ごく普通の貴族令嬢リディアは、突如両親が持ってきた縁談により『冷酷な人間』『人をとって食うらしい』と噂される『帝国の剣』こと公爵、キースと婚約することになった。
彼と婚姻を結び、キースの治める国境付近の領地に位置するローゼ
ンブルク家へと越してきたリディアは翌朝目が覚めると同時に、自分の前世について思い出す。
この世界は恋愛小説の中の世界で、その世界を作り出した作者こそが彼女だったのだ。
自分がかつて作り出したこの小説の世界で、キースはヒロインのメインの相手役だった。しかし、ヒロインは『リディア』ではない。『リディア』は、名前も設定されていない、メインキャラクターであるキースの『死別した元妻』だったのだ。
『物語』が始まる前に死ぬ運命のリディア。彼女は作者としての知識を駆使し、その運命を回避することができるのか——!?
以前公募に応募した作品をまとめることにしました。
20話までは毎日4~5話ずつ程度更新する予定です。よろしくお願いします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-27 20:07:28
68145文字
会話率:49%
勉強はできるがスポーツは苦手。小柄でやせっぽちの中学三年生である穂村太郎は、河原でキャンプした翌朝、身体の異変に気がついた。一夜にして、人外の域にある怪力とスピードが身に付いていたのである。容姿に変化は見られない。見た目は弱そうな外見のま
ま。なのに超人となった太郎は、自分に何が起きたのかわからず戸惑う。
回復した視力のカモフラージュのために伊達眼鏡を買いに行った先で、太郎は幼い女の子の誘拐事件現場に出くわす。思わず力を振るって誘拐犯から女の子を取り戻した太郎は、しかしその女の子と一緒にいるところを、クラスメートの世羅ことりに目撃されていた。
女児を誘拐犯から助けた謎の少年が太郎に違いないと確信したことりの発言をきっかけに、太郎は自分の通う中学でいちばん喧嘩の強い乱暴者の外山和夫から、因縁を付けられてしまう。生まれてこの方、まともに喧嘩などしたことのない太郎は、どうやって外山の相手をすればいいのかわからず、それでも素直に呼び出された体育館裏へと向かうのだった。
地上最強の男になりたい。そんなことをまったく望んでいなかったひ弱な中学生が、ある日突然、最強を名乗るにふさわしいパワーとスピードの持ち主になってしまったら。超人になってからも、ごく普通の中学生活を送ることしか考えていないのに、太郎の得た力は、太郎の周囲に様々な事件と強者を呼び寄せていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-27 20:00:00
582448文字
会話率:34%
地球と瓜二つだけど未発展の星に住む15歳の女の子のソルは、一日を終えた後、翌日には立花樹という地球の15歳の少年として目覚めます。そこで普段通りの生活をし翌朝にはまたソルとして目を覚ますのです。二人は違う世界の別の人間なのに同じ人格を持つ存
在です。樹はソルの世界でソルが経験したこと自分の記憶として地球に持ち運べますし、ソルも地球で樹が体験したことを自分がしたこととして認識しています。
そんななか、ソルは生きていくにも苦労する自分の世界を地球で協力してくれる仲間たちと一緒に何とかしたいと考えていました。しかし一人ではなかなか思い通りに進みません。その矢先、ソルの家に災害によって住む場所を失った同い年の少年ユーリルがやってくるのでした。
これはソル=樹が自分と同じように二つの世界を渡り歩くことができる仲間を増やし、協力してソルの世界を発展させていくお話です。子供たちが大人の力を借りながらも自分たちの力で頑張っていきます。皆さん最後まで応援してくださいね。
なおこのお話は完結済みの『おはようから始まる国づくり』の内容を再構築したものです。前作と話の内容が異なっております。
主人公は男の子として生活した翌日には別の世界で女の子として生活しているので一応TSタグ付けてますが、男なのに女になっていくというような描写はあまりありません。生まれた時からそうなのでそんなもんだと思っています。
ノクターンにあるのはR18版なので誘導はしませんが、お読みになる場合はあらすじの注意書きをご確認ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-27 18:21:55
563975文字
会話率:59%
深夜、眠れぬまま3時前に浴室へ向かった奈緒。普段と違う時間に入る風呂場には、どこか異様な気配が漂っていた。追い焚きしていないのに温かい湯、浴槽の水面に残る人影のような痕跡。そして湯気の向こうに現れた“顔のない何か”。
身体が凍りつくような
恐怖とともに、風呂場に現れた存在は確かに奈緒の方へと近づいてきた。叫び声すら出せぬまま逃げ出した彼女が、翌朝目にしたのは、人間とは思えぬ足跡だった――。
日常のすぐ隣に潜む異界の恐怖。“午前3時の風呂場”には、決して見てはいけないものが棲んでいる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-27 16:59:26
1329文字
会話率:11%
自分以外の全員が常識改変された、ともいえる不可解な現象により、恥ずかしいコスプレ生活を余儀なくされているユカリ。しかしある日、ひょんなことから、この不可解な現象の謎を解く鍵に思い至ります。
が、しかし、その翌朝目覚めると自分の身体が一夜にし
てロボットに変えられてしまったことに気づき……
(「メイド服のユカリ」の続編です)
※ノクターンに投稿している同名の作品のR15版です。といっても、さほど大きくは変わりませんが。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-27 12:37:34
10410文字
会話率:15%
主人公は三年前に逃げるように束縛の激しい恋人を捨て上京したが元カノからとある日に連絡があり隣に引っ越してきた。最初は垢抜けて元カノと分からなかったが、すれ違いざまに小声で暴言を吐かれていくうちに元カノと判明した。
恐怖を感じた俺は夜逃げしよ
うと計画を立てていたがポストに脅迫状が届き逃げることさえ出来なかった。翌朝勤めている会社に入社してきた元カノは朝礼で偶然と装い近づいてきた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-26 21:43:41
219文字
会話率:0%
ルツーラは、密かに王城の倉庫へと訪れていた第二王子の婚約者(物理的箱入り令嬢)を勝手に運び出し、取り巻きと共に集団で嫌がらせをした。しかも、王城内では禁止されている精神操作の魔法を用いたことで重罪となった。その為、親共々連座で貴族用の幽閉
邸に送られている。
幽閉邸で生活する中で、ルツーラは反省し、様々な後悔に思いを馳せるものの、何もすることはできず、あとは処遇が決まるのを待つばかり。
両親へと謝罪と、何もすることのない生活の中で、ただただ反省だけを繰り返し、最後には処刑されるものだと、彼女はずっと思っていた。
いつものように後悔と反省の中、眠りに落ちた日――翌朝に目覚めると、8歳の時に行われる魔性式の朝まで時間が巻き戻っていた。
それが、自分の持つ『順』属性の魔法による、歴史順序の入れ替えによるモノだと気づいたルツーラは、後悔と反省を元に、今度は両親を破滅させないように動き出す。
まずは魔性式の日。
かつては、未来で引きこもり箱入令嬢となる少女に嫌がらせをしたのだが、今回ではそんな愚は犯さない。
「そもそもアレに関わってはいけません! 今回は必要最低限だけの関わりで済ませたいのです!」
そうして、引きこもり箱入令嬢から距離を取る生活をしつつ、かつての愚かな行いをしないようにしていたら、なんだか前回ではありえない規模のお茶会派閥になっているのですけれど!?
しかも、箱入令嬢は引きこもらずに騎士団に入団してる!?
乱暴者だった第一王子は人格者に!?
あまりにも異なる歴史の流れの中、前回にはなかった出会いや繋がりを作りながら、ルツーラは前回とは異なる歴史の中を奔走していく。
歴史や事件が変わっても、運命は収斂していく。
それを目の当たりにした彼女は、いずれ自分が破滅すると自覚しながら、この歴史の中で身内が破滅を迎えないように足掻き続ける。
ルツーラの破滅を望まない人たちのことなど、意識しないまま――
これは『その在り方を認め合う為の幻想譚』。その異聞。
ゆえにこれは『認め合い手を差し伸べ合う者たちの幻想譚』
※本作は『引きこもり箱入令嬢の結婚』の外伝となります。
本編を知らずとも楽しめるようになっておりますが、本編を知っているとより楽しめる作品となっております。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-26 18:32:51
100577文字
会話率:40%
会社に疲れ、自分自身に失望しきっていた伊藤和紀(いとう・かづき)は、ある夜、ビルの屋上から飛び降りようとする。だが、怖くて一歩を踏み出せず、帰宅してから「危険な試験薬」をネット検索する。
その中で、ふと目に入ったのは高校時代に読んでいた性転
換ジャンルの漫画。そして思いつきで検索した「性転換 危険 試験薬」で、とある怪しげな研究室のサイトを発見する。
ほとんど内容を読まずに申し込んだ薬は、翌日、本当に届いてしまった。
軽い気持ちで2錠服用した翌朝――鏡に映っていたのは、見知らぬ美少女の姿。
「……本当に女になったのか?」
声も、体も、完全に女性そのもの。混乱の中、研究室に連絡すると衝撃の事実を知らされる。
「本来は1錠で5ヶ月。でも2錠飲むと――1年です」
死ぬつもりが、まさかの“生き延びて女子化”。
しかも、研究室の都合で「JK(女子高生)」として高校生活を送ることになってしまう。
慣れない身体、不安な未来、そしてこれから始まる“女の子”としての新しい日常。
戸惑いながらも、和紀は次第に「生まれ変わること」への可能性と向き合っていく――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-26 12:00:00
37058文字
会話率:35%
背中に三途の川の刺青が入った女性、白澤早優(しらさわさゆ)。白澤家に養子として入ってから早十数年がたち、無難に幸せな生活を送ってきた。産まれてから霊や妖怪などが見え、テレビであっても声や存在を認識できるほどの彼女が、近くの自販機まで向かっ
た帰りに様子のおかしい黒猫に好かれてしまう。
家まで連れて帰った翌朝。その黒猫は、狐の耳と尻尾がある着物を着た妖艶な女、紫苑(しおん)になっていた。早優が大切にしていた退魔刀をどこかに隠し、あなたと遊びたいと言う。
素直で不器用な早優と皮肉や嫌味たっぷりな紫苑が関わったことにより、長い歴史がある霊能力者集団と噂された宗教法人如月の会が大きく動き出す。
※水土の週二回の投稿予定です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-26 07:00:00
2711文字
会話率:39%
近い未来、子宝に恵まれないアンドロイドエンジニアのマスターと妻のシエリは、静かに暮らしていた。ある日、マスターは裏街道で謎の光を見つけ、信じられないほど軽い機械のパーツを持ち帰る。翌朝から数日間にわたり、玄関に差出人不明の包みが届き、中から
はアンドロイドの頭部や胴体が現れる。マスターがそれらを組み立てると、感情を持たない美しいアンドロイド「シエルナ」が完成した。
シエルナは完璧に仕事をこなし、歌以外は何でもできると評判になる。子供がいない夫婦は、感情を持たないシエルナを我が子のように慈しみ育む。
一年後、再び玄関に届いた謎の包みの中から、シエルナ専用の「感情の核」のようなパーツと設計図が見つかる。それを組み込むと、シエルナの中に少しずつ感情が芽生え始める。そしてある日、感情を得たシエルナは夫婦に「私を覚えていらっしゃいますか?」と問いかける。その言葉は、かつて夫婦の元に生まれるはずだった、しかし叶わなかった「子」の記憶を呼び覚ますのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-24 19:48:41
1542文字
会話率:6%
空から、人が落ちてきた。
早瀬 志津はその日、花屋の店仕舞いを任されていた。店のシャッターを下ろしている最中、道路を挟んで反対側の歩道から鋭い悲鳴が上がる。
「え?」
その手を止めて、志津が振り返ったその刹那。
翌朝、ニュース番組で志
津が見た飛び降り自殺の件が報道されていた。
どうやらその自殺した当事者に、注目が集まっているようだった。
山吹 月路
彼は動画から火がつき、今、注目されている歌手だ。
「…死んじゃったんだ。」
志津の呟きに、言葉が返る。
「あ。あれ、俺。」
ぎこちない動作で見た先には、死んだはずの月路がいた。
彼は自身を幽霊と言い、志津は一緒に未練を晴らして成仏をさせる約束をした。
◾️◾️◾️
小説投稿サイト「カクヨム」にも投稿しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 21:53:46
25374文字
会話率:53%
「極貧上等! 明日のわたしがなんとかする!」
魔法薬で治療をする薬術師として異世界転生したリオ。取引先へ向かう途中、いろんなハプニングに巻き込まれた末に、落ちていた美少年をノリでひろった。しょうがない、寝不足だったんだもの。
翌朝、取引
をすっぽかしたせいで家に取り立てが。あわてて美少年──ノアもつれて街を飛び出すリオだけど、ノアは人間不信。これは困ったと思っていたのに、なんだかノアに、めちゃくちゃなつかれてしまった!
でもノアには秘密があって……えっ、インキュバス!? 魔力量が少なすぎて、魔法薬を作ると毎回ヘトヘトなリオは、夜な夜なノアと『魔力供給』することに……!
オトナなアレソレを知らない『落ちこぼれ』インキュバスのノアが無自覚に誘惑してくるから、たまったもんじゃない!
転生社畜女子と純情インキュバスによる、笑いあり、涙あり、冒険ありの、イチャイチャラブコメ異世界ファンタジー!
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◆ムーンライトノベルズ・アルファポリスにて掲載中の作品を、全年齢向けに改稿のうえ投稿しています。そのため、内容が異なります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-23 00:00:00
179803文字
会話率:43%
山奥の村に伝わる、ある“掟”。
村の外れにある神社には、決して近づいてはならない。
そう教えられて育った少年・和泉春人は、ある春の日、好奇心からその禁を破る。
翌朝、神社で倒れていた春人は“何も覚えていなかった”。
ただ、村は彼を異物
として扱い、家族ごと村を追放した。
六年後——。
蘇る“花の記憶”とともに、春人はかつての村へと帰る。
そこでは今も変わらず、“祭り”の季節が近づいていた。
儀式、信仰、共鳴する村人たちの視線。
息苦しいほどに閉じられた村の中で、
少年は“真実”に辿り着いてしまう。
——掟とは、誰のためのものだったのか?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-22 22:00:00
35793文字
会話率:25%
朝起きてスマホを手に取ると、「サービス終了のお知らせ」ということばが表示されて、すぐ消えた。
何のサービスが終わるんだろう。確認できなかった……。
高校二年生の白根井鍵は、五月の朝、謎の現象に遭遇する。
スマホやパソコンの初期画面
に「サービス終了のお知らせ」と表示されるが、何が終了するのか判然としない。
世界各国の現地語でその日から一斉に起こっている現象だった。大国にもIT大企業にも原因はわからなかった。
鍵は父が再婚したばかりで、義母と美しい義妹を家に迎えたばかりだった。
義妹の美舟は高校の同級生で、学年のアイドル的存在だ。
謎現象も気になるが、新しい家族とうまくつきあっていく方がより切実な問題。
鍵には同じ高校に通っている幼馴染の女の子もいた。
空原理素という名の幼馴染とは、かつてともに誘拐監禁事件に巻き込まれ、死線から生還した間柄。
鍵と理素を救ったのは、警察官である彼女の父親だった。
理素はそのときのトラウマのせいで、目に光がない。
鍵の生母は、VRゲーム機器の研究者だった。
彼女は「宇宙は自然物ではなく、人工物である可能性が99.999パーセントなの。たぶんこの宇宙はシミュレーションゲームよ」ということばを残して、病気で亡くなった。
「サービス終了のお知らせ」が表示された翌朝、今度は「長らくのご愛顧どうもありがとうございました。宇宙2.0はまもなく終わります」という文章が全世界のスマホとパソコンに表示された。
どうやら鍵たちの宇宙は、「宇宙2.0」というシミュレーションゲームで、まもなくサービス終了となり、人類もろとも消えてしまうようなのだ。
鍵と理素は宇宙の終了を回避するため、「鍵」となるものを探す。
SF長編小説、全42回。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-22 18:20:00
101079文字
会話率:36%
小説家志望の「私」は、かつて有名作家・神崎彰が住んでいた趣のあるアパートに引っ越す。この部屋で、神崎彰の息吹を感じながら小説を書くことに胸を躍らせていた。
翌朝から、「私」の生活は一変する。毎朝目覚めると、これまでとは異なる鮮明な小説のア
イデアが夢から浮かび上がるようになったのだ。SF、ミステリー、ホラー……驚くほどの速さで次々と物語を書き上げる「私」だが、同時に拭えない疑念も募っていく。「これは本当に自分のアイデアなのか?」。まるで神崎彰の筆致が乗り移ったかのような奇妙な感覚に、「私」は自分が詐欺師になるのではないかという恐怖、そしてこの現象が**「呪い」**なのではないかという強迫観念に囚われていく。
一年後、大掃除中に押し入れの奥で古い木箱を見つける。中には、私が書き上げてきた物語と寸分たがわぬ手書きの原稿が、神崎彰の直筆メモと共に収められていた。メモには「この部屋の呪いか、祝福か。病に倒れたあの人の願いが、夢となり、物語となる」と記されていた。
その直後、神崎彰の弟・亮が訪ねてくる。亮は、兄が数年前に病で亡くなったこと、そして今世に出ている神崎彰の作品は、実は彼が発表し続けている偽装であることを告白する。さらに、その原稿の多くは、兄がこの部屋で得た「夢のアイデア」、つまり病で亡くなった前の作家の未発表作品を継承したものだったと打ち明けた。亮は、この素晴らしい物語を世に埋もれさせたくないという文学への愛から、兄の遺志と「秘密の継承の伝統」を受け継いでいたのだ。
盗作の不安も「呪い」の諦めも乗り越えた「私」は、亮と協力し、歴代の作家たちが命を削って紡いだ物語のバトンを受け継ぐことを決意する。亮を担当編集者として、未発表作品の編集作業を通じて「私」は作家としての実力を飛躍的に向上させ、やがてすべての継承作品を世に送り出す使命を完遂する。
その後、「私」は自身の物語を紡ぎ始め、神崎彰の後継者という特別な立場と実力で一躍有名作家となる。しかし、その栄光の数年後、私もまた歴代の作家たちと同じように原因不明の病に倒れる。病床で夢から湧き出るアイデアを必死に書き留めながら、「私」は亮に後を託す。私の原稿は、きっとこの部屋のどこかで次の住人を待っている。この美しくも悲しい文学の連鎖は、これからも続いていくのだから。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-22 17:04:24
4295文字
会話率:22%
50歳を迎えた藤沢健一は、若い頃に諦めた音楽の夢をボカロ制作に賭けていた。しかし、いくら試行錯誤しても納得のいくメロディーは生まれず、焦燥感と未完成な音符にうなされる日々。世間の目や家族の心配をよそに、音楽への情熱だけが彼の心を埋める唯一の
光だった。
そんなある夜、健一は真夜中に飛び起きる。暗闇の中に浮かび上がったのは、彼が愛用するボカロソフトのキャラクター、初音ミクの半透明な立体像だった。ミクは、健一が完成できなかったメロディーを懸命に歌い上げようと試行錯誤する。それは、昼間の彼自身の苦闘と重なる光景だった。翌朝、部屋にミクの姿はないものの、未完成だったメロディーは完璧な旋律としてパソコンの中に完成されていた。
この不思議な現象は一度きりではなかった。日中の作業中、ミクの声で新しいフレーズが閃いたり、夜中にミクが姿を現し、解決策を示すかのように歌い上げたりする。健一は、ミクが自身の内なる音楽への情熱が形になった存在、あるいは自身の創造性の扉を開くミューズであると感じ始める。
ミクを音楽的パートナーとして信頼し、制作した楽曲はリスナーからの肯定的なコメントを得るが、健一は「これは本当に俺だけの力なのか」という葛藤に苛まれる。才能への不信感と世間の視線、孤独に心が折れそうになった時、再び現れたミクは、これまでで最も鮮明に、慈しみに満ちた瞳で健一を見つめた。言葉はなくとも、「あなたは一人じゃない。大丈夫、あなたの音は、ここにある。諦めないで」という、彼自身の魂からの声が聞こえた気がした。
その瞬間、健一の心には澄み切った旋律が溢れ出す。それは彼が半世紀もの間探し求めていた音であり、ミクが真夜中に奏でたかった完璧な音だった。肉体は衰えても、魂は輝き続けることを知った健一は、ミクという彼だけのミューズと共に、静かに新たな音楽を紡ぎ続ける。年齢や挫折は夢の終わりではないと信じ、彼の音楽はいつか誰かの心を照らす小さな灯りとなることを静かに願うのだった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-22 16:52:18
4552文字
会話率:0%