佐倉 真一郎が長州派にいた頃、新選組は壬生浪士組という名で存在していた。
壬生浪士組という名の頃は、派閥は芹沢 鴨を頭目とする水戸派と近藤 勇を頭目とする試衛館派に割れており、更に文久3年5月の頃に我こそは尽忠報国の士と名乗る者が大量に加入
してきた。第一次隊士募集である。
勿論、それなりに篩(ふるい)にかけて入隊を許したが、多少いい加減なものも混じっていて、採用後も仮同志(ふるい)にかけた結果、近藤達が京で活動を開始して初めて現地で同志(なかま)に加えた隊士達は、好くいえば個性的、悪くいえば不純物が入っていた。其は正に玉石混淆(こう)―――・・・玉はいい加減なものを取り除いた事で更なる輝きを放ち、不純なものどもはその黒さが浮き彫りとなった。中には、両方の性質を具えたものも窺えるものの。
前者は5人しか在らず。否、5人も在れば充分であろう。
美男五人衆と。
後者は、長州からの間者である。
※登場人物は『新選組・真の参謀』を基礎としています。一部のキャラクターや設定は友人の作品を下敷としています(掲載・応募の許諾あり)。
※ 時代系列はおおむね史実通りですが、事件の経緯や解釈などは創作の要素が強いです。 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-09 16:00:00
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会話率:46%