それは突然起こった。
いつものように大学を出たオレは、いつものように駅までの道を歩いて、いつものように何も考えないまま電車に乗り込んだ。
そして、いつものようにターミナル駅で乗り換えて、いつものように最寄りの駅で降りて、いつものよ
うに家に帰る道を歩いていた。
最寄りの駅からオレの家まではゆっくり歩いても10分もかからない。
ただ、一か所だけ何となくイヤな雰囲気を感じる場所があって、今日はそこを通る時にいつもとは明らかに違う嫌悪感が襲ってきた。
何がイヤなのか、どう違うのか、言葉では上手く言い表せないのだけど、とにかく今日に限ってどうしてもそこが怖くて堪らなかった。
そこというのは、明治維新の前から立っているという大きな教会なのだが、神に祈りを捧げるべき神聖な場所であるにもかかわらず、オレはそこが苦手だった。
異世界に強制転移させられたオレは、魔王を倒すという使命を与えられた。
勝手にそんなことをやらかしやがったヤツらの言うことなんか聞いてやるもんかと思っていたのだが、転移直後のオレを隷属させようとしやがった大男にムカっときたから一発殴ってやったら気絶しやがった。
勇者だと国王に紹介された時に名乗った偽名が元で大岩に突き立っている槍を抜く羽目になるわ、それが原因でいきなり貴族にされるわ、展開が急すぎるだろ。
ただ、件の国の召喚術師は、目の覚めるような美少女だった。
少女は、国王に命じられた通りに対象を自分たちのフィールドに引っ張り込んだだけだった筈なのに、その男はいきなり非凡な力を見せつけたものだから…。
異世界に召喚されて好き勝手を繰り返す男の話です。
もの珍しくはないですが、作者の気ままに従ってどう転ぶか…。
チート、ハーレム、奴隷、魔王、クーデター、何でもありの話です、多分。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-08-21 05:43:06
86445文字
会話率:37%
朽縄真言(くちなわ まこと)は、老人に詐欺行為を働くような最低の人物だった。その日も詐欺の片棒を担いだ真言は、同じ詐欺グループに属する少女と共に、市井を騒がしていた猟奇殺人の現場を目撃してしまう。犯人に追われて廃寺に逃げ込むが追い詰められ、
真言は少女を庇って殺された。生前の行いが悪く、廃寺の本尊である不動明王の怒りを買った真言は、人間と和洋折衷の怪異が入り乱れて暮らす異世界――地獄に叩き落とされた。
明王曰く、「貴様が煩悩と異形の神どもを焼き尽くし、全ての魔物を退治れば元の世界に戻してやろう」とのこと。
明王の三鈷剣と羂索を授かった、マコトの冒険が今始まる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-12-29 07:09:13
19676文字
会話率:44%