天女の呼びかけに応える男たち。
言葉も気性も違う男たちを、天女はわけへだてなく迎え入れようとする。
が、次々と脱落する男たち。
艶かしい天女に会うために麻呂は大地を蹴った。
ネットで知り合っただけだというのに、情熱に駆られた麻呂は、ついに
抜き差しならぬ関係に陥ってしまう。
第二回サークル・シエスタ短編課題『切ない恋のゆくえ』
その課題にSFをひっさげて挑みました。
たくさんの感想・励ましをお待ちしています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-06-17 08:39:34
6151文字
会話率:60%
「うち、こんどこそ乙はんの嬰児(ややこ)産む……。ほんでな、乙はんのご飯こさえたげる」
お梗(きょう)さんが呟きました。
不意に乙松さんがお梗さんの眉を指で隠しました。
「また……、もう、なんでそんなことばっかり……」
「せやかて、じ
きにこうなるんやないか。眉引いたらどないな顔んなるか見てんにゃないか」
「阿呆。……ほな、鉄漿(かね)……さしてもえぇか?」
奇しき縁で結ばれた、お梗と乙松。
指折りかぞえて祝言を約束した二人です。
夢と希望をほぼ掌中にした二人に、運命は過酷であった。
大黒屋光太夫の脇に隠れた悲恋噺。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-06-11 00:00:00
27019文字
会話率:31%