この世界では、小説の登場人物たちも“読者ウケ”に怯えて生きている──。
夜の裏路地、ヒロインのリナは酔っ払いに絡まれ、人生でも最大のトラウマに再び直面する。だがその瞬間、空間に穴が開き、「R15刑事」と名乗る男が現れた。
彼の使命は、物語
の“倫理的表現”をチェックし、NGなシーンを修正すること。
ヒロインの悲痛な叫びも、リアルな感情も、「読者が不快になるから」の一言で“書き換え”られていく。
倫理、共感、炎上、コンプラ、そして──空虚なハッピーエンド。
物語の中に入り込んで演技を修正させる「検閲刑事たち」と、演者として削られていくキャラたちの、笑えて苦い、現代風刺メタフィクション。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-08 19:40:55
2051文字
会話率:29%