――金髪の少女と、剣を背負った黒猫が出会うとき、
物語は静かに動き出す。
港町ロマーレの酒場《ロマンスブルー》に現れたのは、
ぶかぶかのコートに銀の剣を背負った、
奇妙な黒猫――その名はムサシ。
かつて人だった者。今は呪われた、
黒猫の剣士。
そしてもうひとりの主役。
ちょっぴり天然で、まっすぐすぎる少女・エルマ。
優しさと勇気を併せ持ち、どこか"抜けてる"彼女は、
なぜか黒猫に夢中で、今日も彼を追いかける。
「助けてくれた黒猫さんを、わたし……ぜったい見つけたいの!」
だが穏やかな港町の朝は、まだ知らない。
この世界の裏側を。
そして、魔女とは誰なのかを。
ミルクと剣と、ぷにぷにの小さな運命が交差する――
静謐な“夜”の幻想譚(ファンタジア)。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-11 21:41:13
2413文字
会話率:29%
百年前に起きた星の嘆き(アステリラメント)と呼ばれる大災害により、陸地の半分以上が海に沈んでしまった世界。
そこに残された五つの島国の中で、三つ目に大きな島センデンスの最南端には、穏やかな港町リシャルジアがある。
女手一つで育ててくれた母
を亡くしてリシャルジアにやってきた少女ルエラは、頼りにしていた祖母まで亡くし、それでも懸命に海岸近くの食堂で働きながら日々を過ごしていた。
ある日、ルエラは人助けをしている最中に助けてくれた人魚族の青年マーレに出会う。
何故か彼に気に入られてしまったルエラは、その日以来、脅しとも取れる状況に追い込まれ、毎日のようにマーレに会いに行く事になってしまう。
小さな港町で起きる、いっぱい褒めてくれる無邪気な人魚男子と、溺愛されて振り回されている苦労性ヒロインの、ほのぼの恋愛ファンタジー物語です。
***
(!)カクヨムでの中編コンテスト用に書いていたものに加筆したものになります。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-30 12:20:00
55583文字
会話率:26%
弓野絢子は、有名化粧品メーカーを退職し、親戚が暮らす港町・今浦へとやってきた。かつては会社で将来を嘱望されていた絢子であったが、今は親戚宅に居候しながら、目標もなく、定職にもつかずブラブラと過ごす毎日であった。ある日、絢子は飲み仲間に連れら
れて入ったスナックのママに、亡き夫の代わりに町最大の行事「いかだ競争」に参加してほしい、と懇願された。参加をためらっていた絢子であったが、かつての同僚でありライバルだった西村美玲が参加することを知り、会社員時代のリベンジのために、いかだ競争に参加することを決意した。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-08-18 22:00:00
56464文字
会話率:51%