村には、双子の姉妹がいた。
姉は花乃、妹は結乃。二人は顔立ちはよく似て双方共に端正だけれど、その他はまるで正反対であった。
花乃は麗しく、まさに花のような乙女。多くの者から縁談が届くほどの人気者だ。
対する結乃はといえば、色が抜けたような
白髪に蒼白い肌。滅多に表情を動かさないのもあって、生きる人形などと評されている。
そんな結乃の取り柄といえば、姉の花乃は有していない、溢れんばかりの霊力だ。
霊力を持つ故に巫女となり社に務めていた結乃は、ある年、神の花嫁として捧げられることが決定する。
それは実質的な生贄。けれど、結乃は想いを交わす相手がいて――。
だから花乃は、自らが巫女に成り替わって神へと嫁ぐことにした。
※ストックなしのゆるゆる更新。
※G Lではないです。姉妹愛はあります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-31 07:30:10
1000文字
会話率:7%
結婚式を一ヶ月後に控えた男爵令嬢サテンは、ある日婚約者に婚約破棄を告げられてしまう。……サテンの実妹と婚約者が浮気していたという最悪の理由で。
更に家族は妹と婚約者の味方で、サテンはキズモノと蔑まされ、遠い田舎町の教会へと追いやられてし
まう。しかしその教会で出会ったのは、古代語しか話せないとても美しい司祭の青年だった。
急速に彼に惹かれていくサテン。そして彼もまた、サテンに惹かれていた。やがて恋仲になった二人は穏やかな日々を重ねる。だがある日現れた一台の馬車によって、ようやく手に入れた安息は脆くも崩れ去る。
『お久しぶりです、守護神様。お戻りの時間です』
彼は司祭ではなくこの国の守護神だった。神と人間。決して交わらない恋に苦悩するサテン。それでも彼女が選ぶ選択肢は、ひとつだけだった――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-09-16 14:43:28
19000文字
会話率:46%