世田谷区等々力在住の中学生男子である語り手は、出先の渋谷での映画観覧の後、転校して間もない同級生である来栖檸々と出くわした直後。渋谷駅スクランブル交差点で大量の血液のような液体が突然降ってくるという大勢の人を巻き込んだ異常な現象に遭遇した。
戸惑う語り手は日頃の習慣から般若心経を唱えていると、なぜか現象は収束し、液体を頭から浴びた来栖を自宅まで送る。再度、来栖の家を訪問した語り手は来栖から自分が魔女の血を引いていること、祖母から習った唯一の魔法をストレスから行使して先の異常な現象を引き起こしたこと、その魔法とは液体を身体の所定の場所につけてから自分にとって印象深いテキストを朗読することで内容に応じた願いが叶うというものだということ、来栖は現象を止めるすべもないままその場に留まることしかできなかったことを説明する。来栖は語り手が般若心経を唱えることで現象が止まったと解釈し、以後語り手に気を留めるようになる。
渋谷駅前での異常現象捜査を担当する真野は、文化人類学を研究する大学非常勤講師・筒井から原因を人為あるいは超自然現象に求める方向で意見を聞く。事件当時の監視カメラの映像から一人だけ現場の中心に向かって行く来栖の存在と、来栖の事件前の行動を割り出した真野はその映像を筒井に示す。筒井は渋谷に拠点を持つ一大私鉄グループTEの創業者・六連星厚彦(むつらぼしあつひこ)が魔女宗というカルト教団に傾倒しており、事業の守り神として教団関係者=「魔女様」を特に信仰していたことを説明、古書から六連星と魔女が写った古写真を示す。魔女の顔は来栖と瓜二つだった。
肺がんを患い、先の長くない筒井は人生に絶望し、これまで研究してきた形式的な儀式とは異なる、本物の魔法を実際に使って、社会を混乱させようと企む。まず、アポロドーロス『ギリシア神話』からプロメーテウスが人類に火をもたらす一節を朗読して魔法の使用方法を不満分子に拡散。次に、ホッブズ『リヴァイアサン』の万人の万人に対する闘争を説明する一節を朗読して、渋谷に無差別な集団暴力を引き起こす。そのとき、語り手は来栖とともに同級生の親が経営するIT企業に職場体験に来ており、状況を知った子供達はその企業が扱う防犯用アプリの緊急放送機能を密かに使って般若心経の朗読を流し、暴動を止めようとする。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-12-05 14:10:51
30021文字
会話率:38%
《あらすじ》 蔡国の鎮魔司の長司(長官)であり、唯一の鎮魔師である房空燕(ファン コンイェン)は、鎮魔司の解体により官位、家、何もかもを突如として失い、清々しくも途方に暮れていた。
そんな時、隣国である湊国の将軍・盛子豪(シャン ズ
ーハオ)が空燕の前に現れる。
鎮魔師としては初めて会う筈の子豪に「一緒に湊国に現れる魔を鎮めて欲しい」と請われ、実のところ魔を見ることも聞くこともできない空燕は困惑するが、報酬に目が眩みこの依頼を引き受ける。
湊国南の国境の神隠し、馬の名産地の人食い事件、都で起こる不可解な自死と病死、北の地での人攫いと子豪に迫る影。
空燕は旅の仲間達と共にこれらの魔を鎮める中で、今までの人生で得られなかったものを得ていく。
全てを失った男が大切なものを得て、それを守ろうと奮闘し、周囲の人々の人生をちょっとずつ変える。そんな人生の物語。
(参考年代 AC200年代。出てくる魑魅魍魎は中国の妖怪の名前を使っていますが、詳細は捏造です。レイティングはほぼなしです。)
《主要登場人物》
房空燕…30歳。主人公。
人の良さそうな顔の普通の人。
金にがめつい。
肉と酒、美女(観賞用)が好き。
元蔡国鎮魔司長司。
ある日いきなりリストラされる。
盛子豪…23歳。
厳つい顔。豪商の家の出。
金に困ったことがない。
美女(同衾用)が好き。
湊国鎮北将軍。
女の趣味が悪い。
禍々しい影の持ち主だが……。
『真叶』…空燕の剣舞用の愛剣。
真叶…空燕の剣舞用の愛剣に宿った剣霊。
虎?猫?の形をしている。
姐さん喋り。
憐…11歳。稀に見る美少女。
ひょんなことから空燕の弟子になる。
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© 2023 Kagishippo折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-27 12:02:58
103720文字
会話率:35%
隕石の飛来で突如発生した食人植物化ウィルスの蔓延により大混乱に陥ってしまう全世界と西日本。活性死者植物──ゾンピアンタの爆発的な増殖で自然界の食物連鎖が根底からひっくり返ってしまう。世界の3分の1を統治したステーティア帝国の軍人達も出動した
ようだが──。これが後にウェスト・ジャパン事件と呼ばれる出来事だった。
主人公のラファエル・サントス・シェファード。花園高校に通う高2の彼は外国人だからという理由で虐められており、陰鬱とした日々を送っていた。しかし初めて国民保護サイレンが街中で鳴り響くことで突然その日々は終わる。
テロリストが運転してたトラックで不老不死の女性と出会うことでフルーフを授けられて、彼の左目に宿った刻印。その『刻印』によってラファエルは、直接人の目を見ることで、何かしらのスイッチを『ON』や『OFF』に切り替えられる呪いの力に目覚め、それを武器に戦う力を得た。
しかしそれはまた、彼が背負った『災厄の暴君』の始まりの物語でもあった──。
※グロ注意
※この物語は、法律・法令・倫理観に反する行為を容認・推奨するものではありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-04-01 11:05:37
3513文字
会話率:43%
家庭が貧しいブレイクダンサーは妹と母を支えるため週末にダンスバトルイベントで優勝しては賞金を荒稼ぎする。私にもダンス教えて下さいッ!とある日にクラスのマドンナとも慕われている高嶺の花に弟子入りをお願いされる。
それを受けて俺──西亀颯流
(にしがめせしる)は戸惑いながらも彼女──木下優希(きのしたゆうき)に週に2日のみダンスを教えることを承諾。
そんな内緒の師弟関係から始める、元気で自由奔放なマドンナとの関わり合い。
彼女の姉──美結(みゆ)にダンス部へ強引に連れて来られたり、遠足に行ってピンチから助けようとしたり、中間テストに向けて俺の家で勉強会を開いたり、ダンスバトル大会にエントリーしたり。
最初は面倒臭がっていた省エネ主義だったのに、いつしか自由気ままな彼女に対して心を開くようになった俺だったが、後程に大きな秘密が明らかになり──これは、そんな俺と彼女の歩み寄りを中心としたお話だ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-24 08:55:02
127303文字
会話率:46%
舐めた感想文を書いた罰に、先生に脅されてボランティア部に強制入部させられた。すると俺を罵倒する毒舌家な美少女と再会し、無理難題を突き付けられる──女の子に話しかけなさい、と。俺の学校生活に更なる激震が走った。
どこまでも卑屈で捻くれた高二
病の主人公がとある書店で美少女と出会いを果たすが、露骨な舌打ちをされた。
そこで俺は中学時代で経験してきたことを思い出していた。
──すなわち女は俺の敵だ。
──リア充だ?くっだらねえ。俺はボッチを貫く!
故に俺はボランティア部で言いなりになりながらも、現状維持を望んでいた。仮の仮にモテ期が到来しても、俺が青春のど真ん中に飛び込むような真似はしないと。たぶん。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-02-12 15:00:00
92912文字
会話率:38%
満足することを知らなかった私と、そんな私に振り回されても一途に私を思い続けた彼女。
最終更新:2019-06-13 20:29:57
2163文字
会話率:2%
森鴎外の代表作の一つ「高瀬舟」。この物語は私たちに多くのことを学ばせてくれる。
知足、財産、安楽死。今回はその内、知足に注目して、欲を持たないことの大切さを学んでいこう。
※「高瀬舟」と言う物語についてご存知であることを前提に話を進
めて行きますので予めご了承下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-07-06 19:56:51
1200文字
会話率:0%
欲望剥き出しで破滅へと突き進むこの世に絶望し、山へと逃避した時、山奥で不思議な女と出会う。
この女とのふれ合いを重ねるごとに、次第に反社会の象徴としての「鬼」として生まれ変わる。生まれ変わった時、女の目的が判明し、その時が女との別離の時だっ
た。(人生に迷っている人向け)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2010-02-19 12:00:02
49083文字
会話率:22%