薬を生み出す魔法を得意とする、薬師の家に生まれた少年、アロルド。
しかしその才能は最悪で、生まれてこの方、色の濁った茶色いポーション、変なにおいのする粒入りの軟膏、粘り気のある丸薬などなど、散々なものしか作れない。
せめて材料は自分でそろえ
ようと森に出たアロルドだが、行先でモンスターに襲われる。彼を助けたのは、唯一ソロで活動するS級冒険者のタケルだった。しかし初対面のはずなのに、タケルは何故か妙にアロルドに馴れ馴れしい。
「お前、醤油臭いな? 醤油持ってるんだな?」
「えっ、臭い!? ショウユ臭いってなに!?」
――― これは、薬の材料からご飯のお供が生み出せてしまう現地人と、白米に飢えた日本人の、友情と塩分過多の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-21 17:53:50
13803文字
会話率:50%