「君は、いたのか。いたと、残せるのか」
記録されなかった誰かを、
誰にも届かないまま書き記すという選択。
ヒーローものの構造を一度すべて引き算し、
“変身しない主人公”と“何も記録しないAI”のふたりが、
記録も証明もないままに、最後に“
微笑み”だけを交わす物語。
✦ 登場人物はふたりだけ。戦いもなく、救いもない。
✦ けれど、言葉にならないまま誰かと“いっしょにいる”ことは、
きっと物語と呼べる。
記録に残らなかったすべての関係に、
ありがとうを言いたくなる静かなSF掌編連作折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-27 18:00:00
54236文字
会話率:23%
「来月行われる王立貴族学園での卒業パーティにおいて、私はブリセイダとの婚約を破棄し、ナタリア嬢との婚約を大々的に皆の前で発表するつもりだ」
そう決意を込めて語った王太子を前にして、とある侍女は日常業務を淡々とこなしながら、無表情に一言言い
放った。
「バカですか、殿下?」
よくある婚約破棄……になる前に、「常識的に考えろや」という、冷静な第三者に諭されたら? というお話です。思いついたので書きました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-14 18:00:00
12015文字
会話率:60%
――――夢をみる。いつも同じ夢だ。登場人物はふたりだけの恋愛劇。なぜだろう。男の紡ぐ愛の言葉はきいてるだけで心が軋む――――いつも同じ夢をみること以外は普通の青年はあるひとりの男と出会う。その出会いによって青年と、そしてその男も気づかぬうち
に運命の歯車が廻りはじめる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2011-07-06 17:41:05
7084文字
会話率:27%