「俺」マルティンは(確か婚約者のはずだった)妻、エディットに離婚を切り出される。
そんな訳はない、と彼は自分が結婚していた事実を受け容れられない。
だがエディットは手続きをどんどん進める。理由は「種無し」ということだった。
しかも自分が婿に
入っていて、一年間きちんと夫婦の義務を果たしてきたけどまるで「旦那様」であるエディットが妊娠しないからだという。周囲も言う。百年前から女性の数がぐっと減ってしまったので、当主は女で、その相手は誰でもいいのだと。そう、周囲に居たのは彼の後釜だった。
彼は多少の金と小さな住処だけを与えられ、追い出される。
そしてかつての恋人、自分の記憶では、婚約破棄をしてでも添い遂げるつもりだったウルスラと出会いショックを受ける。
夢なら良かったのに…… と思った彼だが。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-05-03 08:19:51
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会話率:31%