ある、世間を賑わせている連続殺人事件があった。
その犯人はどうやら小さな子供らしいという噂が都に流れていた。
ある日、下級警羅騎士のレイ・ニコラス率いる警羅部隊は、その犯人と思われる少女と出会う。
苦戦の末、彼の策によって捕縛され
た少女は、例によって投獄され、ただ刑が執行されることを待っていた。
そんなところに、彼女の目の前に、少女を追い詰めた張本人が姿を表す。
「ボクを追い詰めて、脅して得たそんなお金で、ボクに同情なんてしないでくれるかな?」
投獄前のキラキラとした、あるいはギラギラとした目の輝きは無く。
諦観を決め込んだ、そんな風に捉えられる声音で、少女は話す。
「同情?」
「そうだよ!
それが同情じゃないなら、なんて呼べばいいのさ!?」
檻にしがみつくようにして、レイに抗議する少女。
――これは、同情から始まる物語。
行く先々の困難の待つ世界を、歩む物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-08-21 21:09:08
7376文字
会話率:17%