私、ピレス・キャバイエはパリでパティシエをしている。天才などという過ぎたあだ名をいただいたこともあり、パティスリーは繁盛している。けれども私生活も上手くいっているかと言えば、そうはいかない。
婚約までした彼女とは別れ、それ以来誰ともつきあ
っていない。そのことがふと心をよぎったある日、私はアクシデントから彼女のためのウェディングケーキを作ることになった。
元カノのウェディングケーキを作るなんて、どんな罰だ? だけど仕事として引き受けたなら、そこから逃げるような真似はしないさ。私のパティシエとしての誇りが、過去から逃げるような真似はさせてくれない。
「異世界スイーツ物語 ~魔王さまはパティシエ!~」のスピンオフ(独立しているので、この話単体でも大丈夫)。パリが誇る天才パティシエ、ピレス・キャバイエを主役にして語られるは、甘くほろ苦い大人の恋愛。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-06-24 22:12:33
16300文字
会話率:30%