「君との婚約は破棄する」
公爵令嬢レティシアは、舞踏会の場で王太子アレクシスに一方的な婚約破棄を言い渡される。
泣き崩れる姿に誰もが同情した――までは、よくある話。
しかしその夜、王太子の王宮では異変が起きていた。
母の死体、静まり返った
館、そして……ベッドの下から現れる、あの令嬢。
「いい知らせと悪い知らせがあるの。どっちから聞きたい?」
笑顔で刃を握る彼女の“本性”に、王太子は狂気の底へと引きずられてゆく……。\n>
◆復讐 × 狂気 × 婚約破棄
幻想世界の深淵を覗く、短編ゴシック・ホラー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-11 09:23:08
672文字
会話率:39%
あのバカ王太子。
愛人の話を断ったからと言って、面倒な指令ばっかり出してきて、ほんとなんなのよ!
いつか絶対に思い知らせてやるわ!
(ふぅ...)すみません、取り乱しました。
ごきげんよう、皆さま。わたくしはエリーゼ・ルイン。正式名称は
もっと長いのですが、このレフィスオール王国の伯爵であるルイン家の女当主ですわ。
この王国は人族国家であり、私は魔法に秀でた人族、通称"魔族"の長の一族であり、一族を代表して女伯爵をやっております。
そんな私たちに対して多くの者は同じ人族なのに恐れ、蔑んでくるのです。だから私は、いつかもっと魔族の地位を高め、安定した生活をさせてあげるという夢を持っています。ただ、今はまだ力弱く、実現できないので王国の中で犬をやっています。
(なお"犬"というのは蔑称でして、王家や高位貴族から受けた指令を武力で解決する自由軍ですわ。)
それにしても、この内容ではアッシュには頼れないわね。えっ?アッシュって誰ですか?
彼は2つ前の依頼で出会った魔法剣士の青年で、非常に強力な戦士です。彼の魔力は魔族の数十から数百倍という、とんでもない強さを誇っています。ただ、その...彼の愛情がちょっと重たくて。例えば、前回の依頼で、私が少し傷を負っただけで、盗賊団を壊滅させてしまうほどに…。
いけません。間に合わなくなりますわね。それでは皆さん、私は指令をこなしに行って参りますわ!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-22 12:10:00
57372文字
会話率:33%