ル・バニア皇国。
はるか昔、魔法がこの世界を支配していた頃。
聖女と勇者によって450年前に建国され建国から僅か数年で急速に勢力を広げた大国の名である。
豊富な魔法資源と優秀な魔法師を多数擁し、魔法を中心とした優れたインフラと政治体制を構築
したことで栄華を極めた。
しかし、その栄華の根源はある日を境に衰退を始めた。
そのことは、それまで代替手段としてしか見られていなかった『錬金科学』を揺らぐことのない地位まで押し上げることになる。
ある令嬢の多大な功績によって、魔法は錬金科学にその地位を奪われた。
以降、魔法は急激に衰退の一途を辿ってゆく。
数百年の月日が流れ、魔法の技術は人類から完全に失われることとなったのだった。
今やその栄光に満ちた残滓(残りカス)は各地に点在する故国ゆかりの朽ちかけた遺構と魔法師が残した歴史的価値以外はなんの役にも立たない古ぼけた魔法書のみとなった。
そう、とっくの昔に魔法は衰退したのよ。
今は科学全盛の時代、魔法はおとぎ話の中の話であって、本当に使える人間は誰一人として残っていないわ。
それも全ては、あの女のせいで。
栄華を誇る皇国には一人の才女が居た。
その才女の名はアルスリンデ。
アルスリンデはル・バニア皇国の貴族、セルグート公爵家の長女である。
生まれながらにして比類なき非常に高い知性と優れた身体能力。
多くの優秀な魔法師を擁した皇国内でも歴代最強と言われるほどの魔法適性と尽きることのない無尽蔵な魔力量を持ち合わせていたその才女は、建国の祖となった聖女に並ぶほどと言われていた。
そして、まるで一流の職人によって作られたビスクドールかのような気品溢れる完ぺきな容姿、上品に泡立てたクリームがたっぷり入ったミルクティーのような白く滑らかな肌。
形の良い特徴的な瞳は覗き込めば吸い込まれてしまいそうな、深い海の底のを思わせる碧眼。
つややかなサクラ色のリップから発せられる玲瓏たる声は美しい鳥のさえずりでさえ霞んでしまう。
癖のない長い黒髪は光を受け艶やかに輝き、その様は漆黒の空に散りばめられた星々のように輝いていた。
皇国の公爵令嬢、アルスリンデ=セルグートはその才覚と容姿から「碧眼の才女」と呼ばれていたのだ。
そして、私は「碧眼の才女」を壊すの。
これは、その故国の才女(チート)公爵令嬢アルスリンデの物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-30 20:00:00
78653文字
会話率:20%
俺はリヒト。
10歳のときに前世の記憶?が蘇って、ここが所謂乙女ゲームと言われる世界だって自覚した。
前世の記憶なんて最初から当てになんてならなかった。だって、ゲームのリヒトに妹なんて存在しなかったのだから。しかもその妹もキーパーソンだと判
明して……。
役に立つのかもわからないゲーム知識と邪魔でしかない悪役補正。
転生した俺が持つのは悪役所以の無尽蔵な魔力と天性の魔法運用力。
損な役回りでしかないけれど、お仕えするお嬢様の平和のために今日も精進いたします。
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生い立ちなどで怪我したり、死にかけたりします。
魔法が存在する世界です。その都度説明するかも。
同姓でくっつきます。ファンタジーなので。
あとはタイトルのまんまです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-01-08 22:00:43
106674文字
会話率:54%
神から無尽蔵な魔力を貰った俺は、新しい世界でその力を存分に発揮してやろうと──。
1000文字短編です。
何を書こうと思っていたのか忘れてしまった。
最終更新:2019-11-04 15:30:24
999文字
会話率:48%