俺、風間夏輝(かざまなつてる)は新卒四年目の会社員で大の夏嫌い。
八月のお盆も迫ろうかというある平日、夏なんか滅べばいいのにとまだまだ明るい夏の夕空を呪いながら
会社から帰っていたのだが……。
「輝君、夏は嫌い?」
突如現れた美
人な夏の精霊さんである、真夏(まなつ)さんにそんな問いかけをされることに。
怪訝に思いながらも俺は、
「好きじゃないですね。汗は出るし、冬と違って着込んでしのげもしないし、人は死ぬし」
十年前の夏にこの世を去った幼馴染のことを思い出しながら率直な感想を言ったのだけど。
「私と一緒に住んで見ない?楽しい夏、体験させてあげるよ?」
精霊さんはそんな突拍子もない提案をしてくる。ただ、夏の精霊らしく気温を操る能力はホンモノらしい。
超快適クーラーが手に入ると思えば、というどうしようもない理由で同居を承諾。
ただ、精霊さんこと真夏さんだけど、不思議と既視感がある。
彼女の方もどうにも昔の俺のことを知っている素振りだし。
思い切って正体を尋ねてみたところ、その正体はある意味予想外でもあり予想内でもあった。
これは、自称夏の精霊さんと夏が大嫌いな会社員の、一夏のほのぼの恋物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-15 20:57:46
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会話率:64%