男は小説家だった。さらにいうと、売れない小説家だった。もっというと、あまり面白くない売れない小説家だった――だが、男はそのことに気づかない。
ある日、男は小説(正確には、数百枚の紙屑)を完成させる。傑作だと確信する彼は、さっそくそれを人
に読んでもらう。しかし、そのことごとくが、彼の作品を否定するものでしかない。彼は自作を理解する存在を求めて、東奔西走するのだが……
(14/4/21~14/4/21)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-02-17 00:00:00
2818文字
会話率:10%