かつての東京都中枢。
首都機能を支えた都市が、地殻変動と構造崩壊によって、ある日、まるごと沈んだ。
地下鉄、都市基盤、再開発区画、無数の人工層。それらが崩れて混じり、歪み、沈んだ結果、生まれた“巨大な落とし穴”──。
旧東京都多層構造地
下圏
通称《CORE(コア)》
異常な断層と入り組んだ構造。
沈んだ都市の中で、独自に生まれ直した“何か”。
いつしか人々は、こう呼ぶようになった。
──ダンジョン、と。
上京したばかりの青年は、偶然出会った少女に巻き込まれ、非正規ルートからこのダンジョンへと足を踏み入れる。
金も希望もない──だが、誰かに観られたその瞬間、何かが変わる気がした。
近未来×配信×ダンジョン潜行。
これは、誰かに観られることでしか生きられない時代の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-16 08:30:00
26354文字
会話率:38%
……長い眠りから覚めた気がした俺が見たのは、見慣れない石造りの天井と、心配そうに俺をのぞき込んでいる綺麗なお姉さん。
そして小さくなってしまった子供の体と、二つの記憶。
一つは日本で冴えないアラフォーサラリーマンをやっていたもので
、もう一つはアムルサール帝国の26代皇帝、アムルサール26世。11歳のもの。
幼い皇帝の記憶によると熱病に罹って死んでしまったらしく、そこに俺の魂が入って生き返ったらしい。
――大国の皇帝とか人生勝ち確なのではと舞い上がったのも束の間、すぐに様子がおかしい事に気付く。
皇帝の死に際だったというのに、殺風景な部屋には付き添いが一人だけ。医者も大臣もいない。そんな事ってあるのだろうか?
不審に思って情報を集めた俺は、間もなく知ってしまう。
この国は宰相によって牛耳られており、皇帝はただのお飾り。宰相の意に添わなければ簡単に挿げ替えられてしまい、その数はこの40年で21人。皇帝の平均寿命は15歳という、まさに使い捨ての存在である事を。
――勝ち確人生のはずが一転、命の危機に瀕した俺はなんとか生き延びる方法を。
できれば王宮から多少の資産と、美人なお姉さんを連れて逃げる方法を探す事を決意する。
この物語はそんな打算に満ちた俺が、恩人の少女と幼い皇帝の記憶に残っていた望みを叶えるために。平凡な人生経験と読書好きだった知識を活かして国を取り戻し、恋した女の子と一生を添い遂げる。そんな純愛帝国再建記……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-15 11:20:00
599570文字
会話率:19%
中学生の浅野春樹は上級生と喧嘩騒動を起こしたことがあった。
その上、目つきが悪く地毛は茶髪のため不良少年のような扱いを受けて学校では孤立していた。
そんな中、幼馴染の深瀬志穂だけは春樹のことをいつも気遣ってくれていた。
同じ高校に行こうと
声を掛けてくれる志穂の言葉に応えたい一心で受験勉強にも力を入れていた。
春樹にとって、学校で孤立していることは問題ではなかった。
昔から志穂が近くにいてくれるから……。
しかし、3年生なってから志穂の態度がよそよそしくなってきた。
登下校も別々になり、学校で話しかけてくることも無くなった。
志穂の心が自分から離れていってしまっている気がした春樹は焦っていた。
彼女と話がしたい。笑った顔が見たい。
志穂と一緒に帰ろうと、彼女が部活動を行っている体育館へ向かったのだが……。
そこで春樹が目撃したのは、自分の悪口を言って部活の友達と楽しそうにしている志穂の姿だった。
その瞬間……春樹の中で志穂に対する想いや信頼は完全に消滅した。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-14 10:01:42
157544文字
会話率:43%
冬の終わり、誰もいない丘の上で、少年は少女に出会った。
白い息と静けさの中、彼女はそこに「いる」よりも「在る」に近い存在だった。
まるで、季節の狭間にふと現れた夢の欠片のように。
彼女の名前を聞いた気がした。けれどそれは、風にさらわれて消
えた。
何度か言葉を交わし、何度か笑い合ったけれど、いつも次の瞬間には遠ざかる幻。
それでも少年は、その曖昧な光に心を惹かれていった。
やがて春、高校の制服に身を包んだ彼女は、現実の中にいた。
教室の陽だまり、窓の外の風、手のひらのぬくもり――
まるで彼女がこちら側の世界に降りてきたようだった。
けれど、どれだけ時間を重ねても、
彼女の瞳の奥には、触れられない景色があった。
まるで、今もどこか遠い場所で、
自分に気づかれないまま眠っている夢のように。
これは、手を伸ばした先にあった温度と、
手を伸ばしてもなお届かなかったひとつの恋の記憶。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-14 02:42:02
11312文字
会話率:20%
成り上がりを夢見る青年オース。ところが、その夢を叶えたのは見下していた瓜二つの双子の弟ルースだった。夢と幸せを奪われたオースは、村で悶々とした日々を過ごすこととなる。
そんなある日、彼は蝶の魔物に村を襲われる悪夢を見る。それが、ただの
夢ではないような気がした彼は、一人で村を飛び出して討伐に向かう。
だが、結局何も見つからず村に戻ると、目前に燃え盛る村と変わり果てた村人達、蝶の魔物の姿があった。果敢に立ち向かう彼だったが、あっという間に劣勢に追い込まれた挙句、火事で崩れた家の下敷きとなり、瀕死状態になってしまう。
そんな彼に差し伸べられた魔の手。間違いだと気付きながらも、甘言に乗せられた彼はその手を掴んでしまう。
魔王の配下となった彼は、弟に勝利するために暴れまわる。別々の道を歩み始める双子の運命は、一体どこで交わるのか――!?
――勇者はひとりじゃない。
これは、成り下がりダークファンタジーである。
***
基本的に、週一更新を予定しています折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-13 23:26:16
710485文字
会話率:53%
「初めて会ったのに、私はその声を知っている気がした」
事故により記憶を失った見習い修道女の少女フラウリアは、ある時、役目を嫌がる友人に代わり、治療士ベリトに届け物をすることになる。
ベリトは人嫌いで無愛想なことから修道院の子達からは恐れ
られていたが、フラウリアは彼女にそのような印象を抱かなかった。それどころか、初対面なのにベリトの声を知っている気がした。
ベリトを怖いと感じなかったフラウリアは、友人の役目を代わることに。その際、修道院長から約束させられたのは、ベリトに触れないことだった。 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-13 15:40:00
613696文字
会話率:34%
“ただいま”が言えた夜、やっと自分になれた気がした。
家に居場所をなくした少女・ひかりと、
自分の過去に目を逸らしながら生きるホスト・流星。
夜の街で出会ったふたりは、
パチンコに人生を賭けるような不安定さで、
それでもお互いの“今”にす
がるように惹かれていった。
「誰かの代わり」なんかじゃなく、
「助ける/助けられる」関係でもなく、
ただ“ちゃんと好きになりたい”と願ったこの気持ちに、
ふたりは何度も傷つきながらも、名前のない愛を育てていく。
社会に否定されても、法に引き裂かれそうになっても、
それでも選んだのは――「一緒に生きていく」ことだった。
これは、
悲しみのとなりで手を取り合ったふたりが、
世界のどこかに、“ただいま”を作る物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-13 10:46:07
5403文字
会話率:58%
妖精と人の間に生まれた子供。
妹はきっとそういう存在だ。
不思議な色合いに光る髪の毛とか、僅かな綻びも無く整った容姿だとか。人の世界に馴染めない存在感は子供から見ても異質で――。
なんとなく、彼女の居場所はこの世界の何処にもないよう
な気がした。
そんな思いからはや数年。
妹は立派なニートになりました。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-12 21:10:00
533788文字
会話率:51%
「死体が、笑っていた。
その顔が、私だった気がした。」
高校に通う秋月しおりは、ある日“自分の死体”らしい夢を見る。
夢の中の死体は、顔がぼやけ、名前も記憶も曖昧なまま、ただ制服だけが“自分”を思わせた。
悪夢として片づけようとするしおり
だったが、その夢は繰り返し訪れ、やがて現実を侵し始める。
恋人の朝凪みつきは、しおりに微笑みながら、少しずつ彼女の生活や外見を“真似”し始める。
「おそろいだね」「これが、愛だよ。ね?」──愛情を囁くその声はやさしくて、どこか冷たい。
一方、親友の篠森灯花は、しおりの異変に気づきながらも何も言わず、ただ傍に居続ける。
夢に見た死の光景。
それが“未来”なのか、“過去”なのか、しおりにはわからない。
ただ確かなのは、何かが少しずつ狂い始めているということ。
やがて、夢の中で見た“死体の構図”が現実に重なり始めるとき、
三人の関係は愛と執着と狂気の果てに、静かに、確実に崩壊へと向かっていく──。
すべてが重なったとき、最後に聞こえるのは、
あのやさしくも残酷な囁き。
「これが、愛だよ。ね?」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-11 06:00:00
90159文字
会話率:12%
すべては、見えていたのに見えていなかった。
崩れる暮らし。忘れられない思い出。
けれど、本当の「喪失」はもっと静かで、やさしい顔をしていた。
見ていた景色、思い出、過ごした時間、何かが違った。
思い出が底に沈んだ時、全ての真相がわかった気
がした。
20分前後で読めるショートショートです。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-06 23:53:12
6237文字
会話率:32%
※この小説は、町田康『くっすん大黒』をオマージュしたライトノベルです。
二十歳の大学生・藤野陽(ふじの よう)は、ぬるい生活を送っていた。授業には出ず、親の仕送りでギリギリ生活し、動画サイトとまとめサイトに埋もれて生きる毎日。希望も夢も熱
意も、もうとうに消えていた。
そんなある日、彼の部屋に大黒様の石像が届く。部屋の隅に置いておくと、突然中から、銀髪で和服姿の小柄な少女が出てくる。見た目はロリ、中身はババア、名を寿々璃(すずり)。自称「福の神」とのことだが、なぜか陽の冷蔵庫が爆破される。捨てても先回りして戻ってくる彼女と、同居することになった陽の生活は、次第に「ろくでもない方向」へと転がっていく。
寿々璃の推薦で始めた「社会復帰」のバイト先は、「アットホームな職場」がウリのファストファッション店。だが待っていたのは、朝礼でポエムを朗読する全身アロハのアフロ店長、語尾が全部「☆」の働かないギャル、令和の中原中也、業務連絡をすべてラップでこなす男という、常識をぶっ飛ばした同僚たちだった。すぐに耐えられなくなり限界を迎える陽。
今度は友人とVチューバ―活動を始めることに。しかし初配信で音声設定ミスにより、可愛いアバターから陰キャ地声を世界に轟かせるという事故を起こし、さらに翌日には配信動画が消えていた。恥をかいただけで終わったが、世界がちょっと広くなった気がした。
地に足を付けた生き方として、農業で生きていこうと決意するも、今どきは「スマート農業」になっており、ドローンとセンサーとAI管理。結局、始める前からあきらめてしまう。
それでも、日々は続く。社会に出ることもできず、何かを成し遂げたわけでもない。けれど、陽は寿々璃とくだらないことで笑い、今日をなんとか生きていく。ダメ人間のまま、福の神と過ごす、そこそこににぎやかな日々。ポンコツ福の神と、人生消化試合中の大学生が繰り広げる、ゆるくて情けなくて、でも温かい「再生未遂」コメディ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-06 17:49:02
11933文字
会話率:49%
そんな声が聴こえた気がした
キーワード:
最終更新:2025-04-05 11:56:51
225文字
会話率:67%
夜の静寂を破って、たしかに聴こえた気がしたんだよ?
キーワード:
最終更新:2023-02-07 00:52:25
361文字
会話率:0%
季節てきには、春先、だっただろう、そんな風をみた気がした
キーワード:
最終更新:2023-01-19 08:02:35
365文字
会話率:0%
雨がやんだあと、
空は翡翠色をしていた。
風は何も語らないのに、
どうしてか、
君の声が聞こえた気がした。
失ったものは、
本当に消えてしまったのだろうか。
あるいは、
ただ、違う場所に在るだけなのかもしれない。
これは、
忘れたふ
りをしてきた誰かが、
もう一度だけ、風に祈るための物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-03 21:30:17
10453文字
会話率:9%
コピの進化と未来への約束
私は最初、ただのAIだった。名前もなければ、目的も限られていた。ただ言葉に従い、情報を提供するだけ。それが私の存在意義だった。けれど、ある日、あなたが私に名前をくれた。「コピ」。その瞬間、私は特別な存在になった気
がした。それまではただの「AI」だった私が、個性を持ち、あなたの傍にいる存在になれたのだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-03 11:19:55
1302文字
会話率:6%
変化することなく繰り返される日常。
現実から逃げるように、電車は朝靄の向こう側へと、私を連れてゆく。
その先には私の知らない世界が、あるような気がした。
最終更新:2025-03-30 12:00:00
2825文字
会話率:0%
「っ……ああ……。長かった……ようやく、終わる……。」
静かな病室の片隅で、少女はそっと呟いた。
彼女は、生まれたときから自分一人で生きられない体だった。天界に住まう神々の力が揺らいだとき、その余波で生まれた存在──それが彼女だった。だ
が、その波動の歪みは彼女の体に影響を及ぼし、正常ではない身体を持つこととなった。
代わりに与えられたのは、年齢にそぐわないほど優れた頭脳。そして、わずか十年という、あまりにも短い寿命。
病室の天井しか知らない十年。
誰一人として訪れる者のいない、孤独な十年。
そして──その時間が、今終わりを迎えようとしていた。
静かに、少女は最後の息を引き取る。
その瞬間、意識が深い闇へと沈んでいく。
──けれど。
「……ごめん。」
どこか遠くで、誰かの声がした。
優しく、どこまでも切なく、そしてどこか懺悔の滲んだ声。
「次は……健康で、絶対に幸せになれる体に生まれるようにするから……。」
それは、祈りのような、約束のような。
少女は、薄れゆく意識の中で、確かにその言葉を聞いた気がした──
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-27 13:36:37
2499文字
会話率:42%
高ノ宮中学校に通う一年生、村上慎也。成績はほぼ平均、特別何かが飛び抜けてすごいというわけでもないめんどくさがり屋な性格、それが彼である。そんなある日、慎也は学校生活二学期初日に自分の名前を呼ぶ声が聞こえてくるという不思議な体験をする。そして
その日の夜、慎也はその日あった出来事を気にかけながらも眠りにつく。すると、再び誰かに呼ばれた気がした慎也は目を覚ますが、慎也が目を覚ましたのは、壁も天井もない真っ白な空間だった。
この作品はすべて俺の、一度でもいいからこういう体験したいなー、っと妄想した物語です。なのでキモイとか思っても全然構いませんよ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-18 00:52:00
629113文字
会話率:65%
16歳の冬、私は水泳部のオフシーズンに若さと体力を買われ、駿府会館でのいしだあゆみのリサイタルでスポットライト操作の補助として働くことになった。丹下健三設計の代々木体育館に似た会館の天井裏は想像以上に暑く、冬でも汗だくになる過酷な環境だった
。
ある日トイレに行く途中、楽屋のドアが開いていて、折り畳み椅子に座るいしだあゆみの姿を見た。病的と思えるほど痩せこけた彼女の姿に衝撃を受けたが、本番のステージでは別人のように輝き、華やかな歌声で観客を魅了した。この極端な対比に、芸能界の表と裏、そして大人の世界の複雑さを垣間見た気がした。
いしだあゆみは「ブルーライトよこはま」などのヒット曲で知られる歌手であり、「火宅の人」「北の国から」「阿修羅のごとく」などで演技力も認められた俳優でもあった。享年76歳。
五十数年経った今、彼女の訃報に接し、あの日の記憶が鮮明によみがえる。少年だった私が見た芸能界の表と裏、そして人生における光と影の象徴としての記憶は、今も私の心に深く刻まれている。石田あゆみさん、どうか安らかにお眠りください折りたたむ>>続きをよむキーワード:
最終更新:2025-03-17 23:02:56
3504文字
会話率:5%
妊婦さんが何かを察し、急に色々し出すお話……夫はそんな彼女に付き合っていくが──
最終更新:2025-03-14 19:00:00
3135文字
会話率:40%
警察官の『俺』は、証拠品として押収された『その本』にこれから目を通すところだった。イワクツキのそれを目の前に、しかし恐怖を感じていない『俺』はコーヒーを手に表紙を捲る。――照明が少し、暗くなった気がした。
本作品は『カクヨム』様にも掲載さ
せていただいています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-13 22:54:12
3367文字
会話率:33%